与信管理のレベルアップ術

与信管理とは?意味と必要な理由【取引には危険が潜んでいる】

2024年11月30日

与信管理とは?意味と必要な理由【取引には危険が潜んでいる】|会社信用ドットコム

「与信管理」と聞くと、何だか難しいと感じる方もいるかもしれませんね。

でも実は、取引で起こる問題やトラブルから会社を守り、成長の機会も得ることができる画期的な仕組みなのです。

そして今、与信管理をしていない企業には、大きなダメージを受ける危険性が迫っています。

気になった方は、どうぞこの記事を最後までお読みください。

与信管理の説明から、必要な理由まで、わかりやすくお伝えします。

この記事を書いている私のプロフィール

佐藤絵梨子(さとうえりこ)
会社信用ドットコム代表・会社信用クリエイター

世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。

*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411

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<メディア掲載情報>

SMBCグループの経営層向け会報誌『SMBCマネジメントプラス』2024年12月号
日本実業出版社『企業実務』2024年12月号 など

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与信管理とは?

与信管理とは?|会社信用ドットコム

与信とは、字のごとく「信用を与える」ことです。では、その与信を管理する「与信管理」とは何か。

与信管理とは、「取引先を信用して取引をしていいか」「信用してどれくらいの金額まで取引するか」信用度合いを確認して取引をしていく、取引先の管理方法です。

企業間の取引では、(相手が払うと信用して)先に商品を納品し、後から代金を回収する方法で取引が行われます。この場合、相手から代金を払ってもらえない可能性が出てきます。

例えば、相手が倒産したり、経営不振で資金がなくなったり、そもそも払う気がなかったり、だらしなく支払いが遅れたりするなど、取引には様々な危険が潜んでいます。

払ってもらえない状況を防ぎ、きちんと払ってくれる安心安全な企業と取引をするために、相手が「信用して取引できる企業か」を見極める必要があります。

経営状況は日々変化しますから、長く取引を続けていく場合は、「信用して取引できる企業か」を定期的に確認し、状況を把握・管理することも大切です。

与信管理の説明図|会社信用ドットコム

つまり、与信管理とは、「この会社を信用して取引して大丈夫か?」を確認し、様々な問題が起きる可能性を把握しておくことで、安心・安全な取引をするための仕組みです。

まだ、よくわからないという方は、「予防歯科」でイメージしてみましょう。

虫歯の治療は大変ですよね。そこで、虫歯ができてから治療をするのではなく、虫歯の発生や進行を防ぐために定期的に検診を受けます。同じく、取引も問題が起きたら大変ですから、問題が起きるのを防ぐために、「取引先が信用できるか確認して管理しておく」与信管理をするのですね。

このようにイメージすると、与信管理のことがだいぶ理解できたのではないでしょうか?

 

与信管理が必要な理由

与信管理が必要な理由|会社信用ドットコム

与信管理をすることで、取引で起こる可能性がある様々な問題を防ぎ、安心安全な取引をすることができます。

どのような問題を防ぐことができるのか、「与信管理が必要な理由」を詳しく確認しておきましょう。

 

売掛金の焦付き防止

焦付き(こげつき)とは代金が回収できなくなることです。貸倒れ(かしだおれ)とも言います。

普段の与信管理で「この相手なら払ってくれるか」をしっかり調べて安全だと見極めて取引をすれば、代金が回収できない状況を防ぐことができます。

資金繰りの悪化も回避できますね。「支払遅延」につながる業績不振やルーズさにも、事前に気づくことができます。

 

仕入・調達問題の発生予防

取引の問題は代金回収だけで起こるとは限りません。納品トラブルや品質問題など、仕入・調達でも問題が発生する可能性はあります。もし発生すれば、製造や販売スケジュールにも影響が出てしまい大変危険です。

与信管理をしておけば、相手の管理体制の甘さや経営者のルーズさを見抜くことができ、このような問題発生を防ぐことができます。

 

取引機会の見逃し防止

 与信管理は取引の問題やトラブルの発生を防ぐためだけのものではありません。相手の安全性を確認することで「こんなに良い会社なら、ぜひ取引をしよう」「もっと取引を増やしておこう」というように、取引機会を最大限活かす判断をすることもできます。

実は良い会社なのに取引を断ってしまった、少ししか取引をしていないという状況を防ぎ、売上や利益を伸ばしていくことにもできますね。

相手の状況を見極めて、取引可否や取引量をコントロールしてくことができるのも、与信管理の効果です。

 

信用や評価の低下阻止

与信管理ができておらず、焦付きの発生や仕入で問題が起これば、あなたの会社に対する信用や評価が下がります。「この会社は取引先の安全性の見極めや管理もしていないのか」と思われ、周りからの見る目が厳しくなるのですね。

問題が発生したことで、あなたの会社の資金繰りや製造・販売にも影響が出れば、見る目はより一層厳しくなります。銀行や主要な取引先からの見る目が厳しくなれば、資金調達や業績にも深刻な影響が出る可能性があります。

与信管理には、そのような信用や評価の低下を防ぐ効果もあることを知っておきましょう。

 

元調査員が見た危ない企業

元調査員が見た危ない企業|会社信用ドットコム

「取引で問題なんてそうそう起こる?」とおっしゃる方がいますが、実はトラブルや問題はよく起こります。

一見良さそうに見えて実は大赤字の企業、

羽振りが良さそうに見えて実は資金繰りが苦しい企業、

裏では支払遅延や納期トラブルを繰り返す企業、

大手で有名だからと安心していたら実はトラブルが絶えない企業、

「必ず払う」の言葉で安心させて、商品や製品を持ち逃げする詐欺会社。

どれも私が調査員時代、実際に存在した企業です。目で見た姿や、やり取りで感じる雰囲気と、企業の実態が全く異なることは日常茶飯事でした。

注文や依頼が入ったと喜んで、相手をよく知らないまますぐ取引してしまったり、碌に調べもしないで注文してしまう方も多いですが、これからは十分注意してください。

今まで問題なかったからといって、これからも大丈夫とは限りません。

ぜひこの機会に与信管理についてしっかり考えてみてください。

 

編集後記

元調査員の編集後記|会社信用ドットコム

「与信管理をする1番のメリットは?」

そう聞かれたら、私は「幸せな会社経営ができること」とお答えしています。

安心安全な会社と取引できれば、トラブルの発生や不安とは無縁になります。経営も安定し、金融機関や取引先、株主など、周りから厚い信頼を寄せられるでしょう。

信頼がさらに良い取引を引き寄せる好循環も生まれます。

末長く会社が続き、経営者も従業員も幸せな気持ちで仕事を続けられるでしょう。

与信管理は幸せな経営に続く道です。

ぜひ、適切な与信管理で安心安全な取引を行い、自社の信用をしっかり守っていってください。

そして、会社の成長・発展への道を力強く切り開いていってくださいね。

この記事がそのお役に立てれば、元調査員として嬉しく思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
 
会社信用ドットコム代表 佐藤絵梨子




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