企業信用調査Q&A

元・調査員が教える!信用調査が入る理由【あなたの会社が狙われるワケ】

2021年2月6日

元・調査員が教える!信用調査が入る理由【あなたの会社が狙われるワケ】
取引先から「調査票を記入してほしい」「決算書がほしい」と言われることがある。なぜうちの会社を調べるの?

信用調査会社から「調査をしたい」と連絡があった。なぜうちが調べられるの?理由が思い当たりません・・・

 

本日の記事は、このような疑問や不安をお持ちの社長様のために書きました。

 

はじめに大切なことをお伝えします。

 

調査される理由を理解していないのは、とても危険です。

 

調査対応を誤り、大切な取引を失ってしまう恐れがあります。

 

大げさに言っているわけではないですよ。

 

「どういうこと!?」と思った方は、このまま読み進めてくださいね。

 

この記事を書いているわたしは、企業信用調査会社に10年以上勤め、延べ7,000社を調査した元・調査員です。

 

取引先を調べる会社、取引先から調べられる会社、どちらとも深く関わってきました。

 

調査の現場を知り尽くしたプロの目線で、信用調査に対する疑問にお答えしています。

 

この記事を読めば、取引先を調べる会社の目的がわかり、信用調査に正しく対応できるようになりますよ。

 

さらに、良いお取引を引き寄せられるようにもなります。

 

3分ほどで読める記事です。

 

ぜひ最後までお読みくださいね。

 

この記事が解消する疑問や不安

  • 取引先から調べられる理由を知りたい
  • 新規取引がないのに調査される理由を教えてほしい
  • 取引先に情報を教えてるのに調査される理由を知りたい
  • 危ない会社だと思われているから調査が入るのでは・・・と不安だ

 

この記事を書いている私のこと

佐藤絵梨子/会社信用クリエイター

世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。同社退職後、大手企業との取引実現から銀行融資や補助金獲得まで支援するサービスを展開中。

*国が認定する経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)です

詳しいプロフィールはこちら

そもそも信用調査とは何か?

そもそも信用調査とは何か?

そもそも信用調査って何ですか?

 

「実はよくわからずに信用調査に対応している」という社長様も多いのではないでしょうか?

 

企業信用会社の(株)東京商工リサーチや(株)帝国データバンクでは、信用調査を次のように説明しています。

 

信用調査とは何か?

企業間の商取引に際し、相手方の資産や営業状況を把握し、取引の可否や与信限度などの決定材料とするために調査すること
*出典:東京商工リサーチ>用語辞典>信用調査

信用調査とは、企業と企業が取引する際に、取引相手のことを知るために行う調査です
*出典:帝国データバンク「信用調査とは」

 

いかがでしょうか?

 

まだよくわからないですよね。

 

「信用調査をする理由」「信用調査の方法」「信用調査の項目」の3つがわかると、信用調査をより理解できるようになりますよ。

 

次のパートで解説します。

 

信用調査をする理由

信用調査を理解するには、「なぜ取引先を調べるのか」を知っておく必要があります。

 

取引先を調べる理由は、主に次のようなもの。

 

取引先を調べる理由

  • 悪い会社ではないか確認したい
  • 受払や納期を守れるか知りたい
  • 倒産しないかチェックしたい
  • 特徴を知ってから取引したい
  • 調査結果を見て取引額や取引量を決めたい

 

信用調査をする会社は「とにかく安心して取引をしたい」と思っています。

 

取引がうまくいくかどうかで業績も変わりますから、絶対に成功させたいんです。

 

時間とお金をかけて準備したものが無駄になったら困りますから、トラブルなんて絶対嫌なんです。

 

なので、取引先を調べて「取引をして大丈夫か」「何か対策を取るべきか」を確認しているわけです。

 

信用調査を取引の判断材料にしているんですね
佐藤絵梨子

 

信用調査の方法

さて、その信用調査はどのように行われるのか。信用調査の方法を知っておきましょう。

 

信用調査には主に次の方法があります。

 

信用調査の方法

  • インターネットなどで情報を調べる
  • 直接訪問・電話・メールで聞き取る
  • 企業信用調査会社に依頼する

 

取引先から「調査票を記入してほしい」「決算書がほしい」と言われたことはありませんか?

 

これも立派な信用調査です。ただ取引先のデータを集めているのではなく、会社チェックにも使われています。

 

わたしが勤めていた(株)東京商工リサーチのような専門の信用調査会社に「取引先を調べて欲しい」と依頼をする会社も多いですね。

 

信用調査の方法は1つではありません。さまざまな方法で行われていることも知っておきましょう。

 

信用調査で調べられる項目

では、信用調査で調べられる項目はどんなものか。主な調査項目をご紹介します。

 

信用調査で調べられる主な項目
 
*さっと目を通すだけでOKです

  • 会社の概要
    商号・所在地・沿革・事業目的・役員・株主
  • 経営者情報
    代表者経歴・人物像・資産状況
  • 扱い品・取引先
    売上構成比・仕入先・販売先・決済条件・焦付債権
  • 金融取引状況
    取引銀行・借入状況・資金繰り
  • 業績推移
    売上高・利益・業績伸長率・業績概況
  • 決算内容
    貸借対照表・損益計算書・販管費明細・株主資本等変動計算書・キャッシュフロー計算書
  • 不動産情報
    所有不動産・担保設定状況
  • 将来の見通し
    今後の業績予想・事業計画

 

こんなにあるの!?と思いましたか?

 

信用調査にはたくさんの情報が必要なんです。

 

この他にも、インターネットで公開されているあらゆる情報、業界動向、経済・社会・地域情勢、企業を取り巻く環境なども調べられます。

 

わたしが勤めていた(株)東京商工リサーチでは、200項目ほどを調べていました。

 

取引の判断にはさまざまな情報が必要です。調べられる側も情報を出さないといけませんね
佐藤絵梨子

 

【盲点】独自の評価ルール

【盲点】“どの項目を重視するか”は会社次第

ここまで信用調査について解説してきましたが、ちょっと見過ごせないのが、この独自ルールのことです。

 

会社の良し悪しを判断するポイントが、会社よって違うことがよくあるんです。

 

例えば、決算数値を重視する会社がある一方で、経営者の人柄や過去の実績を重視する会社がある。といった感じですね。

 

信用調査会社でも、わたしが勤めていた(株)東京商工リサーチと、同業者の(株)帝国データとでは、会社を評価する方法が異なります。

 

信用調査会社が調べた情報を重視する会社もあれば、あくまで参考程度という会社もありますね。

 

“会社の良し悪しはこのように見極めると良い”という基本的な見極め方は存在します。

 

ですが、その基本がすべてではなく、それぞれの会社の評価ルールがあることもお忘れなく。

 

相手のルールを見抜いて、柔軟に対応することも必要ですね
佐藤絵梨子

 

信用調査が入りやすいタイミング

信用調査が入りやすいタイミング

さて、そんな信用調査ですが、”信用調査が入りやすいタイミング”はご存知でしょうか?

 

このパートでは、

  • 信用調査が入りやすい2つのタイミング
  • そのタイミングで調査が入りやすい理由

の2つを解説します。

 

取引先候補になった時

信用調査が入りやすいタイミングの1つ目は、あなたの会社がどこかの会社の取引先候補になった時です。

 

新規取引をはじめる前のタイミングですね。

 

「今まで取引がない会社だからよく知らない。取引をする前に相手を知っておきたい」という気持ちでする調査です。

 

このタイミングで調査が入るのは納得ですよね。

 

既存取引先が調べたいと思った時

信用調査が入りやすいタイミングの2つ目は、すでに取引をしている会社が、あなの会社を調べたいと思った時です。

 

なぜ取引している会社から調べられるの?よく知っていると思うのですが・・・

 

調査員時代にこんな質問をよく受けました。

 

ずばり、すでに取引している会社が相手を調べる理由は変化がないか・本当に大丈夫か知りたいからです。

 

みなさまの健康診断と同じだと思ってください。

 

からだに変化がないか、本当に問題がないか、確認しますよね?

 

取引先を調べる会社も「会社の状態に変化がないかこまめに見ておきたい」「本当に大丈夫か知りたい」という気持ちで信用調査をするんです。

 

取引先の変化がタイムリーにわかれば、危険な取引はすぐ中止し、良い取引はすぐ拡大もできますからね。

 

取引先の定期チェックはメリットいっぱいなんですね
佐藤絵梨子

 

【必読】こっそり調べる会社の裏事情

【必読】こっそり調べる会社の裏事情

「調査が入るような取引は思い当たらない」

「調査が入るなんて取引先から聞いてない」

「もう商談は進んでいるんだから、このタイミングで調査が入るはずはない!」

 

どれも調査員時代によく耳にした言葉です。

 

実は、相手先に伝えずに“こっそり調べるケース”はとても多いんですよ。

 

むしろ、「調査をする」とわざわざ相手に伝える方が少ないです。

 

こっそり調べる理由はさまざまですが、主な理由は次のようなものです。

 

取引先をこっそり調べる理由

  • 相手を疑っていると思われたくない
  • 調査をすることに対して相手先から文句を言われたくない
  • 調査するのは当たり前だからわざわざ相手に伝える必要はない
  • 調査をすると言うと取引を期待されるから言わない(まだ候補先だから)

 

“相手との面倒ごとを避けたいからあえて言わない”というのは、よくあるパターンです。

 

「調べる」と言われると、やはり、みなさん身構えます。「なんか悪いことしたかな?」なんて不安にもなります。「調べる」と言った相手に食ってかかる人だっています。

 

そんな面倒ごとを避けるために言わない会社もあるんです。

 

取引すると決まるまでは余計なことは言わない、と慎重な会社もあります。

 

調べる側にもいろいろな思わくがあります。

 

みながみな「調査をする」と伝えるわけではないこと、知っておいてください。

 

マイナスの理由ばかりではありません。「調査されるはずがない」という思い込みで調査を断わらないように注意してください
佐藤絵梨子

 

「調査する会社=良い会社」の法則

「調査をする会社=良い会社」の法則

元・調査員として断言します。

 

取引先を調べる会社は、良い会社であることが多いです。

 

「危ない会社とは取引しない」

 

そんなリスク管理の意識が高く、社内体制がしっかりした会社が多いです。

 

安心な会社とたくさん取引をして、会社を成長させていくという意識も強いですね。

 

誰もが取引したい大手企業や有名企業ほど、しっかり取引先を調べるものですよ。

 

大手企業では信用調査を社内ルールにしていて、定期チェックをすることも多いです。

 

良い会社から取引先として選ばれたいのであれば、信用調査に正しく対応し、高く評価してもらえる会社になる意識を持ちたいところですね。

 

信用調査の裏に良い取引先ありです!
佐藤絵梨子

 

『会社情報の見せ方』で取引を勝ち取る

情報アプローチが会社の評価を分ける

根掘り葉掘り調べられたり、包み隠さず情報を公開するのはいい気がしない。

 

そんな方もいると思います。

 

ですが、

  • 取引先が直接する信用調査
  • 企業信用調査会社からの調査取材
  • インターネット等での情報公開

 

このような場面にどう対応し、どのような情報を開示するかで、相手からの評価が大きく変わってくる。これは避けられません。

 

良い会社と取引をするには、『あなたの会社の情報の見せ方』を真剣に考える必要があります。

 

次の3点をいま一度よく考えてみてください。

 

この3点を考えてみてください

  1. 自社の情報を開示するか・しないか
  2. 自社が高く評価されるポイントは何か
  3. 自社の良さを理解してもらうために(2)をどんな言葉で伝えるか

 
そして、良いお取引をつかみ取っていただきたいと思います。

 

このブログでも、「審査を突破する方法」や「良い会社だと思ってもらうコツ」をたくさん発信しています。読んでみてくださいね。

 

本日のブログは以上になります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

審査を突破したい社長様へ

下記のお悩み・課題をお持ちの社長様をサポートしています。お気軽にご相談ください。

  • 思うように銀行融資を引き出したい
  • 補助金の審査を突破したい
  • 大手企業と取引できる会社になりたい
  • 会社の良さが伝わる事業計画書を作成したい
  • 国の支援制度を活用して会社を良くしたい


 

くわしくはコチラ
no image
「融資」「補助金」「大手との取引」の審査突破を徹底サポートします

会社信用ドットコムのサービス・ご料金のご案内ページです。【補助金の審査突破サポート】【銀行融資を勝ち取るサポート】【大手企業との取引獲得サポート】の3つのサポートをご用意しています。

続きを見る