こんにちは。
会社の信用力アップをサポートする
会社信用クリエイターの佐藤絵梨子です。
「焦付いた時のために取引信用保険に入っておいた方がいいですか?」
最近、取引先がこれからどうなるか心配だという経営者の方からこんな質問を受けました。
「俺は(私は)危ない会社を完璧に見抜けるから保険なんていらないよ!」
と自信を持って言える社長でもない限り、一度は考えたことがあるテーマだと思うので、私なりの考えをお伝えしようと思います。
▼『焦付き』の用語解説はこちら▼
焦付き(こげつき)とは
取引先の倒産などでお金(売掛金や受取手形など)が回収できなくなること。“焦付いた”=“回収できなくなった”です。貸し倒れ(かしだおれ)とも言います
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
取引信用保険は入っておくと安心です
取引信用保険は医療保険などと同じ”万が一の備え”です。
取引相手にもしものこと(倒産や支払遅延など)があった時の備えとして入るもの。
取引信用保険に入っておけば、いざ取引先から売掛金や受取手形などを回収できなくなっても、保険金でカバーできるという仕組みです。
次のような項目に当てはまる方は思い切って入っておくと安心だと思います。
- 取引先から回収できないかもしれないと不安で不安で仕方ない
- 対策はしているけれど、もっと万全な対策にしておきたい
- 万が一、回収できないお金があると自社の資金繰りが厳しくなる
契約対象にできない会社があったり、そもそも中小企業では保険に入れなかったり、補償される金額が異なったりと、保険会社によって様々な取り決めがあります。
もちろん、保険料も決して安いものではなく、算出方法も契約対象とする取引先の業種などによって変わります。よく調べて慎重に検討してみてください。
とにもかくにも『予防』は大事です
「焦げ付いちゃったけど、保険に入ってたから保険金で賄えた。よかったよかった。」
果たして本当にそうでしょうか?
これ、ちょっとよく考えてみて欲しいです。
確かに、1度や2度の焦付きなら「よかった!」で済むかもしれません。
ですが、何度も焦付きを繰り返せば、あなたの会社を見るまわりの目は確実に厳しくなります。
何度も何度も焦付く会社は、何度も何度も事故を起こすドライバーみたいなものです。
事故を起こした本人は「自動車保険に入ってたから毎回保険金で対処できてよかった」で済むかもしれません。
ですが、まわりがその人が事故を起こす度に「この人、何度も事故起こして大丈夫なのか?」という疑いの目を向けるようになります。
その人の運転技術の怪しさだけでなく、その人の性質そのものに問題があるのではと思うようになるんです。
何度も何度も焦付く会社もこれと同じです。
最初の数回くらいは「大変だったね」と言われるだけで終わるかもしれません。
ですが、何度も何度も焦付けば、「何度も焦げ付く会社の方にも問題があるんじゃない?」という目を向けられることになるんです。
もう少し具体的に言うと、
と思われて、たびたび焦付くことで会社の”管理体制”を信用してもらえなくなるんです。
そして、「できたらそんな管理の甘い会社とは取引したくないんだよね」と取引を控える会社が出てくるわけです。
とくに銀行は、焦付いてばかりいる会社をものすごく嫌がります。
私がよく知る会社でも、銀行から新しく融資を受けようとした時に、過去に何度も取引先に焦げ付いていることを指摘され、結局借り入れができなかったという会社があります。
たびたびの焦付きで自分の会社も信用を失う。
みなさんもぜひ肝に銘じてください。
▼焦げ付くとあなたの会社の信用も落ちる現象については、こちらの記事でも図解しています。読んでみてください▼
焦付きを連発する会社が危なく見えてしまう理由
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お金の回収だけでなく、信用を保つことも大事です
取引信用保険に入っていれば、いざという時の損失が補填され、確かに安心感があります。
ですが、保険金でお金は回収できたとしても、あなたの会社で焦付きが起きたという事実は変わりません。
何度も繰り返せば、あなたの会社もまわりから信用されなくなっていきます。
自分の会社の信用を落とさないためにも、取引先の安全性をチェックする目は鍛えておいた方がいいですね。
『与信管理』で探すと色々な本や情報があるので、ぜひ取り入れてみてください。
このブログでも、あまりお金をかけず、簡単に取引先のチェックができる方法をこれから少しずつご紹介していきますね。
本日のブログはここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。