このように思ったことはありませんか?
本日のブログでは、
「あの会社が従業員を解雇したぞ」
という情報が耳に入ったときに、
- 取引先や銀行、調査会社には
どのような印象を持たれるのか? - 解雇をすると会社の評判は下がるのか?
を解説しています。
私が実際に見てきた、
”取引先が解雇をしたという話を
耳にした時のまわりの会社の反応”
を踏まえて、
多くの方が「この解雇はダメだな」と
判断した事例も3つご紹介しています。
重いテーマではありますが、
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
評判が下がる・下がらないは解雇の”理由”で決まる
先に結論を申し上げますと、
会社の評判が下がる・下がらないは
解雇の”理由”で決まります。
『まわりの理解を得られる解雇』の場合、
あなたの会社の評判はさほど下がりません。
まわりが
「その理由では確かに仕方がないな」
と感じるものです。
会社の先行きが危ない
と見なされる可能性も低くなります。
例えば、
コロナによる解雇はその典型例です。
つい先日、
新型コロナウイルス感染拡大に
関連する解雇や雇い止めが、
見込みも含めて4万人を超えた
という厚生労働省の集計が発表されました。
参考新型コロナ影響の解雇・雇い止め 全国で4万人超える 厚労省
解雇・雇い止めを防ぐ制度が
随時拡充されているとはいえど、
体力の少ない中小企業では
業績回復の見通しが立たず、
これまでと同じように従業員を抱えることは
とても難しくなってきています。
このような
- 厳しい経営環境
- 倒産を避けるため
という理由の解雇を
理解できないと感じる方は
少ないのではないでしょうか。
取引先にとって、
お相手の会社が潰れるのは困ります。
まわりの会社も、
自分が同じ立場だったら・・・
と考えますので、
賢明な判断だと受け取られるでしょう。
このように、
会社が置かれた状況が理解され、
解雇をした理由に納得してもらえる場合には、
会社に対する評判は下がりにくい
ものなのです。
評判が下がる3つの解雇
まわりの会社が
「到底納得できない」
と思うような理由での解雇は、
評判が下がりやすい傾向があります。
社長ご自身や会社は納得していても、
まわりが納得していないという
ケースもたくさんあります。
実際にわたしが見てきた、
多くの方が「これはダメな解雇だな」と
判断した3つの事例をご紹介します。
社長が「自分のせいじゃない」と思っている
このケースは、
特に大手企業から
厳しい見方をされることが多いです。
断言しますが、
解雇の理由をまわりのせいにする社長ほど
信用されないものはありません。
社長はサッカーチームの監督と同じです。
チームの監督が
試合に負けたのをすべて選手のせいに
していたらどのように感じますか?
多くの方は
「あなたの作戦や指導はどうだったのよ?」
「なんだか責任逃れみたい」
という感想を持つはずです。
社長も同じなんです。
自分のせいではないと言う社長には、
「あなたの戦略や人を管理する能力はどうだったの?」
「逃げ腰の経営なのでは?」
という厳しい目が向けられます。
”何だか疑わしい社長”
と思われてしまうんですね。
もう1点。
そのような社長の会社は
「取引で何か問題が生じた時にも
人のせい(相手のせい)にするのでは?」
と思われやすいです。
実際のところ、
解雇の理由が本当に
社長ご自身のせいではない
ということも多いと思います。
ですが、
「俺(私)のせいではない」
という姿勢がまわりにどのように
受け止められるのかを意識して
気をつけて発言や行動なさるのが賢明です。
すでに”お金の苦しさ”を感じる
会社はお金がなくなると倒産します。
- すでに債務超過になっている
- 近々多額の借入の返済がある
というような
お金の苦しさがすでに感じられる場面では、
どれだけ納得してもらえそうな
理由を並べたところで
「これはどう考えてもすでにお金が厳しいだろう」
というまわりの不安を解消できません。
残念ですが、
いままでと同じ評判を保つのは難しいです。
だからと言って、
すべて終わりというわけでは決してありません。
立て直しをする姿をまわりに見せながら、
ゆっくり評判を回復していく方向に切り替えましょう。
評判は立て直せます。
さすがにその人を解雇するのはマズイと感じる
- コロナで業績が大きく落ちたから
- 業績を立て直したいから
というような
まわりも理解できる理由があったとしても、
「この人がいなくなったらマズイよね」
という人を解雇していたら評判はガタ落ちです。
例えば、
- 社長の右腕のような人
- 業績を牽引するエース級社員
などの解雇は、
その解雇のせいでこれからの業績が
悪くなる可能性があると思われます。
また、
経理部長などの
会社のお金を把握する人物の解雇も、
- この先
お金の管理がうまくいかなくなるのでは? - もし、対立や仲違いだとしたら、
会社に良くない”何か”があるのでは?
という不安をまわりに感じさせ、
これまでと同じ評判を保ちにくいです。
社長ご自身が
理解を得られる理由をまわりにしっかり伝え、
評判が下がらないフォローをなさってください。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
非常に厳しいことも書いたのですが、
「あの会社が従業員を解雇した」
という情報は、
- その会社がどれだけ安心・安全なのか
- どれだけ信用できる会社なのか
を見極めるための
重要な判断材料にもなるものです。
それゆえ、
みなさまがお取引をしたいと考える
大企業や一流企業も注意深くチェックしています。
社長ご自身にすぐできることは、
『お相手の受け止め方も考えながら
解雇の理由を説明していくこと』
です。
社長の言葉で
解雇による会社への印象は
大きく変わってきます。
解雇=悪いイメージを持たれる
とすぐに諦めてしまわないでくださいね。
本日のブログはここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。