そんなご要望にお応えします。
「記入欄を埋めるだけでは足りない」
「アピールポイントがわからない」
「他社と差別化できる書き方が知りたい」
このようなお悩みは、多くの企業が共通して抱えているものです。
そこで本日は、取引先調査票で企業評価を上げるための7つの秘訣をご紹介します。
この記事を書いている私は、世界最大の企業情報を保有する信用調査会社(株)東京商工リサーチで10年以上、延べ7,000社以上の企業を調査した元・調査員です。
取引先審査をよく知る者として申し上げます。
取引先調査票を単なる形式的な書類だと思ってはいけません。
取引先調査票は、取引先との信頼関係を構築する絶好のチャンス。
書き方次第でビジネスチャンスを拡大する武器になります。
ぜひ最後までお読みください。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子(さとうえりこ)
会社信用ドットコム代表・会社信用クリエイター
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
取引先調査票の本質を理解する
取引先調査票は、新規取引や取引額の増額を検討するときに、相手企業があなたの会社を評価するための重要な資料です。
基本情報、役員・従業員データ、財務状況など、さまざまな角度から会社の信頼性を判断するために使われます。
会社によってフォーマットは異なりますが、「信頼できるパートナーかどうか」を見極めるために記載を求められる書類であることは各社共通です。
調査票の種類に合わせた対応は必須
取引先調査票には、企業が独自に作成するものと、信用調査会社(東京商工リサーチや帝国データバンクなど)の調査票があります。
信用調査会社は、公開データや客観的な情報など、多くのデータをもとに企業を評価し、公平な評価が行われることが多いです。
一方、取引先独自の調査票では、自社との取引に関わる項目が重視され、より具体的で実務的な観点から判断される傾向があります。
取引先調査票で企業評価を上げる7つの秘訣
取引先調査票で「良い会社」を印象づけ、企業評価をアップさせるにはどうすれば良いか。7つの秘訣をお伝えします。
正確な情報提供を心がける
取引先調査票で企業評価を上げる秘策の1つ目は、正確な情報提供を心掛けることです。
財務情報はごまかさず、ありのままを。取引先との関係も具体的に記載しましょう。
もしコメントを記載する部分があるのなら、「A社とは10年間継続して取引があり、取引量や支払いも安定しています」のようなコメントを入れておくと良いでしょう。
正直で誠実な回答が、信用獲得の第一歩です。
強みを効果的にアピールする
取引先調査票で企業評価を上げる秘策の2つ目は、会社の強みを効果的にアピールすることです。
調査票は自社の強みをアピールするチャンスです。
独自の技術、専門知識、主要取引先との良好な関係、業界での評価(受賞歴や認証取得)など、具体的に説明しましょう。
社長の事業経験や専門性も強力なアピールポイントになります。
自社が伝えたいことではなく、相手企業が重視するポイントを厳選することも大切です。
自由記載欄があるタイプの調査票なら、遠慮せず強みを記載しておきましょう。
ニーズに合わせて情報提供する
取引先調査票で企業評価を上げる秘策の3つ目は、取引先のニーズに合わせた情報を提供することです。
取引先によって会社を見るポイントは異なります。
例えば、製造業なら生産能力や品質管理体制、サービス業なら顧客満足度や対応の迅速性を重視する、といった違いがあります。
相手企業との取引で自社の強みをどう活かせるか。調査票で具体的な説明ができれば理想的です。
財務情報を戦略的に開示する
取引先調査票で企業評価を上げる秘策の4つ目は、財務情報を戦略的に開示することです。
財務情報は、安定した取引先であることを示す重要な情報になります。
数値は漏れなく正確に記載しておきましょう。
自由記載欄のあるタイプの調査票なら、売上高や利益の成長率、安定した資金繰り、効率的な在庫管理なども記載し、自社の強みを強調しておくと良いでしょう。
一時的に業績が悪化している場合は、その理由と改善計画の記載もお忘れなく。悪い情報もきちんと説明できることが、信頼性の証になります。
期限を守って素早く対応する
取引先調査票で企業評価を上げる秘策の5つ目は、期限を守って素早く対応することです。
回答期限の厳守と素早い対応は、信頼できる取引先であることを示す重要なポイントになります。
期限に余裕を持って回答を準備し、できるだけ早く提出することを心がけましょう。
不明な点があれば、遠慮せずに問い合わせると良いですね。きちんと回答しようとする姿勢が、誠実で信頼できる企業という印象を強めます。
経営方針や将来ビジョンを示す
取引先調査票で企業評価を上げる秘策の6つ目は、経営方針や将来ビジョンをはっきり示すことです。
将来の目標が明確で、計画的に行動している会社は、長期的に安定した成長が期待できます。そのため、取引リスクが少ないと判断されます。
文章記入欄や自由記載欄のあるタイプの調査票なら、経営方針や将来ビジョンはしっかり記載しておきましょう。
例えば、中長期的な事業計画、新規事業への取り組み、技術開発の方向性、社会貢献活動などを記載しておくと良いでしょう。
計画実現への意気込みをアピールするなら、具体的な数値目標も記載しておくと効果的です。
相手に伝わる回答を心がける
取引先調査票で企業評価を上げる秘策の7つ目は、相手に伝わる回答を心がけることです。
取引先調査票は、いわば書面上の「会社説明」です。
「たくさん文章が書いてあるけれど、イマイチ内容が理解できない」と思われるような状態は絶対に避けたいところです。
簡潔かつ論理的な文章で回答を作成し、専門用語には補足説明を加え、誤字脱字にも気をつけてください。
読みやすく整理された回答を心がけ、安心して取引できる企業という印象を高めましょう。
コミュニケーションで信用を勝ち取る
企業評価を高めるには、調査票への回答だけでなく、日常的なコミュニケーションも重要になるでしょう。
取引先が抱えている課題に対して、具体的な解決策を提案・実行したり、約束した納期や品質を確実に守ることで信用を勝ち取ることができます。
長期的な視点を持ち、定期的な情報交換や交流の機会もつくりましょう。
取引先の業界動向や課題に常に関心を持っておくことも大切です。
企業評価は情報の出し方が命!自社に最適な戦略を持つ
企業は情報の出し方、見せ方、伝え方次第で評価が大きく変わります。
例えば、自社の強みを最大限に活かし、弱みを適切にカバーする。
財務で一時的な課題がある場合でも、将来の成長性や独自の技術力をアピールする。
取引先のニーズや業界特性に合わせてアピールポイントを変える
このような柔軟な対応で総合的な評価を高めることができます。
本記事でご紹介したポイントを押さえて、自社に最適な方法で取引先調査票に回答すれば、きっと高評価を勝ち取れるはずです。
新規取引や取引拡大のチャンスを掴むために、ぜひ活用してください。
取引先調査票は、自社を見直す良い機会にもなります。
「自社の強みは何か?」
「将来のビジョンは明確か?」
こうした問いに向き合うことで、成長につながるヒントが見つかるはずです。
その課題を一つひとつ解決していけば、企業評価もさらに高まるでしょう。
【調査員の実体験】取引先調査票が紡ぐ信用のきずな
最後に、調査員時代の忘れられない経験を1つご紹介します。
それは、取引先調査票の真の価値を教えてくれる出来事でした。
そのお客様は、取引先からの調査票を大切に管理していました。その中の1社が赤字決算に。お客様は正確な情報を得るため、信用調査を依頼されました。
「もし状況が悪ければ、取引を中止されるのですか?」と私が尋ねると、意外な答えが返ってきたのです。
「いいえ、この会社は誠実な取引先なんです。調査票にいつも丁寧に記入してくれて、今回も現状と今後の見通しをきちんと書いてくれています。だから、むしろ取引継続を考えているんです。調査は単なる状況確認のためです」
この言葉に、私は衝撃を受けました。取引先調査票が、単なる書類以上の価値を持つことを痛感したのです。
誠実な記入が、困難な時期でさえ、取引先との信頼関係を守るのだと。
みなさまは、取引先調査票を面倒な作業と考えていませんか?
それは実は、ビジネスチャンスを広げる貴重な機会です。
誠実な対応が、思わぬところで自社を救う可能性を秘めています。
どうぞ、今日から取り組み方を見直してみてくださいね。
みなさまの会社のますますの成長を心より応援しております。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。