「計画は固まってるのに、事業計画書が書けない…」
事業計画書の添削をして、こんなふうに悩んでいる経営者の方をたくさん見てきました。
準備不足なわけではありません。
事業のイメージも進め方も決まっている。
書き方ガイドや記入例も確認している。
それでも、いざ書こうとすると手が止まってしまうんですよね。
パソコンの前に座っても、最初の一行が出てこない。
「自分は何を書くんだっけ」と、わからなくなってくる。
実は、本気で考えている経営者ほど、計画書を書けなくなりやすいです。
この記事では、年間200件以上の事業計画書を添削してきた立場から、なぜこの状態が起きるのか解説してみようと思います。
この記事を書いている私のプロフィール
佐藤絵梨子(さとうえりこ)
会社信用ドットコム代表・会社信用クリエイター
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
<メディア掲載情報>
■SMBCグループの経営層向け会報誌『SMBCマネジメントプラス』
「危険な取引先・優良な取引先がわかる 決算数字と信用調査の活用法」
■日本実業出版社『企業実務』
「元調査員が教える!信用調査会社の上手な使い方」
「信用調査会社に会社を高く評価してもらうコツ」
■東洋経済オンライン 2026年1月
「経営者の言動」も大きなポイントに…元調査員が明かす
【信用調査会社の評価】を上げる4つのコツ
(※Yahooニュースでも掲載) など

※メディア情報一覧はこちら
なぜ計画が固まっているのに書けないのか

結論から言います。
計画書が書けないのは、あなたの能力が足りないからではありません。ビジョンが甘いからでもありません。
視点を切り替えようとしているからです。
あなたの頭の中には、これからやりたい事業のイメージがある。お客様像も、進め方も、自分では「わかっている」はずです。
それなのに、いざ計画書のフォーマットを前にすると、手が止まってしまう。
計画書の記載例も書き方の書籍も読み込んだ。どんなことを書けばいいかも理解している。
それでも、いざ文章にしようとすると、どうも自分の考えはこのフォーマットでは書けない気がする。
書けば書くほど、事業のイメージと遠ざかっているような、「何だか違う…」という違和感に襲われる。
この違和感、実は多くの経営者が抱えているものなんです。
経営者によくある事業計画書の「誤解」

皆さまは、事業計画書を「自分の考えをありのままに書き写すもの」だと思っていませんか?
実は、審査や評価の計画書では、この考え方が上手くいかない原因になります。
なぜなら、計画書は日記ではないからです。
計画書は、あなたのビジネスを全く知らない審査担当者に、「この事業、高く評価する価値がある」と思ってもらうためのもの。
彼らに理解してもらおうと思うなら、「翻訳」が必要なんです。
例えば、融資であれば「返済できるか」が知りたいと思われていますし、補助金であれば「課題を解決できるか」「実現できるのか」が知りたいと思われています。信用調査であれば、後ろに控える取引先が「安心して長く付き合えるか」というリスク管理の視点で見ています。
「自分の考え」を「相手が評価できる情報」に置き換える。
この視点の切り替えが必要になるので、いつもの自由な考えのままでいると、書きづらいと感じてしまうんですね。
では、なぜ視点を切り替えようとすると、こんなにも難しいと感じるのでしょうか?
経営者が使っている言語と、審査員が読んでいる言語は違う

業計画書の添削をしていると、いつももったいないと感じることがあります。本当は素晴らしい計画なのに、書き方が悪いだけでその良さが伝わっていない計画書。そういう計画書を、本当によく目にします。
なぜ、そんなことが起きるのでしょうか?
それは、経営者が考える時に使う「言語」と、審査員が評価のために読みたい「言語」が、違うからです。
経営者の頭の中にあるのは、これまでの「経験」や「ストーリー」です。
「前はこれでうまくいったらから、今回もこうする」「あの取引先との関係があるから、これができる」あえて言葉にしなくても、自分では理解できていることがたくさんある。
でも、審査員はそうではありません。
「なぜそれで成功するの?」「その数字、どこから来たの?」「他と何が違うの?」そんな誰が見ても納得できる説明を求めているんですよね。
その求めるものを出そうと思うと、計画書を書くのが難しく感じる。
これができなくて、本当にたくさんの経営者の方が悩んでしまうんですよね。
「書きづらい」のは計画が悪いからではない

計画書を書きづらいと感じるのは、「事業計画が悪いから」ではありません。
私はむしろ逆だと思います。
書きづらさを感じるのは、自分の事業を単なる思いつきで終わらせず、どうすれば正しく相手に伝えられるか、この構成に隙はないか、真剣に考えているからです。
だから、書けないことは恥ずかしいことではないんです。
事業計画書の添削や書き方指導のご相談で来られる経営者の方にこのお話をすると、あなたすごくほっとした顔をなさるんですよね。
「そうかな」なんておっしゃるのですが、私は心の底から本心でそう思っています。
どうすれば事業計画書を書けるようになるのか

「どうにも書きにくいな」と思ったら、まずは、完璧な文章を書こうとするのをやめてみる。そして、審査員の目線で自分の会社を見つめ直してみると、何を伝えるべきかが見えてきます。
相手はあなたの業界に詳しくないかもしれない。これまでの苦労も、素晴らしい実績も知らない。
その真っさらな相手に、どんな情報を伝えて、どう数字を説明して、どんな理由を付け加えれば、「これは確かにいいな」と納得してもらえるか。
相手の目線に立って自社について伝えてみる。これが自然にできるようになれば、事業計画書は随分書きやすくなります。審査を突破できる可能性も、ぐっと高まりますよ。
いかがでしょうか?少し書ける気がしてきたでしょうか?
もっと知りたいという方は、他にもさまざまな書き方の記事を配信しているので、お読みになってみてください。
◆融資や補助金など、事業計画書が必要な場面ごとの書き方を解説した記事はこちら
この視点の転換は、一人で考えていると堂々巡りになることもあります。もし「今すぐ相談したい」という方がいらっしゃれば、個別相談からご連絡くださいね。
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この記事が、あなたの事業計画書づくりのヒントになれば嬉しく思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。





