
そのお気持ちはよくわかります。
でも、その感覚、実は危険かもしれません。
設備投資・節税・手元資金の確保ー。
どれも、経営者なら「何か良い方法はないか」と悩むテーマですよね。
この記事では、「赤字にしてでも節税したい」の落とし穴を解説しました。
実際、うまくいっている会社は、赤字を選ばなくても、利益もお金も守って設備投資をしています。
そんな『設備投資の考え方』や『賢く使うべき制度』もご紹介しています。
ぜひ最後までお読みください。
そして、利益もお金も事業成長も勝ち取る、幸せな経営を実現させてくださいね。
追伸:記事の中で 『利益もお金も守る”設備投資で使いたい制度”紹介集』を無料配布しています。
「できるだけ節税したい」は経営者として自然な感覚
「できるだけ節税したい」
これは経営者として、ごく自然な感覚です。
会社を続けるには、お金が必要ですからね。
燃料費や原材料費の高騰、賃上げの社会的な圧力、想定外の出費…。
経営では何が起こるかわかりません。
できるだけ税金を減らしたい。現金をできるだけ手元に残しておきたい。安全に経営を続けるために、そう考えるのは大切なことです。
でももし、「設備投資で大きなお金が出ていくなら、いっそ赤字にして税金を減らしてしまえれば」と考えているなら。
そこには、思わぬ落とし穴があるかもしれません。
できるだけ節税したい。手元にお金を残したい。これは経営者として優れた感覚です。問題は「赤字で…」という考え方。この記事で確認していきましょう。
こんな感覚があるから「赤字にしてでも節税したい」と思っていませんか?
ところでみなさまは、なぜ「赤字にしてでも税金が減れば…」と思ったのでしょうか?
以下の5つは、私のところにご相談に来られる経営者の方から、よく聞く理由です。
ご自身がなぜそう思ったのか、振り返ってみてください。問題点やほかの方法を知れば、考えが変わるかもしれません。
税金の支払資金が不足しそうで不安
よくある理由の1つ目は、「税金の支払資金が足りなくなりそうで不安だから」です。
今年は設備投資もしてお金が出た。税金払えるかな…という不安からくるものですね。
「税金を払ったら、そのあとのお金が心配…」そう思っている方もいるかもしれませんね。
設備投資でお金が減って、税金でもお金が減るのは嫌
赤字で節税できれば…と思った理由の2つ目は、「設備投資でも税金でもお金が減るのは嫌だから」です。
今年はお金が出てばかり。減らせるものは減らして、できるだけお金を確保しておきたい。
そんな気持ちが、「赤字で税金が減れば…」という考えにつながっているのですね。
お金が出たのに利益が出る、そのズレを埋めたい
お金が出たのに利益が出る。そのズレを埋めたい。だから赤字で税金の支払いが減れば…と考える方もいます。
「こんなにお金を使ったのに、利益が出るの?税金まで払うの?」
「帳簿上の利益って、現金の動きと合わなくない?このズレが気持ち悪い」
そんな感覚が、「赤字で税金が減れば…」という発想を生んでいるのかもしれません。
「節税で資金確保」は経営者の義務
節税してお金を確保するのが経営者の仕事。だから、赤字で節税できれば…というのも、よく聞く話です。
「手元にキャッシュを残すのが何より大事」そう考えて、利益を出さない方が賢い選択だと思っている方もいますね。
節税=経営努力、という感覚を持っている方も少なくありません。
黒字にするメリットが感じられない
最後の理由は、「黒字にするメリットがわからない」というもの。
赤字でもなんとか経営できてるし、税金が少ないならそれでいいじゃない。そんな感覚です。
「黒字にしたところで、税金が増えるだけだし」という気持ちもあるかもしれませんね。
赤字で困ったことが起きるわけでもないし、あえて黒字にする理由が見当たらない…という声も耳にします。
この5つ、どれも経営者ならお持ちの感覚ではないでしょうか?
でも、素直にその考えに従っていると、実は問題が発生することがあります。

「設備投資でお金がかかったから赤字にしてでも節税したい」の問題点
では、「設備投資でお金を使ったから赤字で節税したい」にはどんな問題点があるのか?
経営者のみなさまがあまり知らない“盲点”があるかもしれません。1つずつご紹介しますね。
融資担当者の気持ちが離れがち
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの1つ目の問題点は、融資の審査が厳しくなることです。
銀行は、利益が出ていて返済に不安がない会社にこそお金を貸したいと考えています。
設備投資でお金が出ていて、さらに赤字となれば、どうしても審査が厳しくなりがち。銀行と良好な関係も築きにくくなってしまいます。
投資家が遠巻きになる
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの2つ目の問題点は、投資家から思うように資金を調達できなくなることです。
「あの会社、設備でお金が出たらしい。しかも赤字の決算だ」そんなふうに、投資家から心配されると、出資の話が進まなくなってしまいます。そもそも声すらもかからなくなる。
資金調達のチャンスを逃してしまうのはもったいないです。
信用調査の評価に影響
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの3つ目の問題点は、信用調査の評価に影響が出ることです。
信用調査会社も、設備投資で資金が減っているうえに、赤字で収益性にも不安がある会社には、高い評価はつけません。
新規取引や、既存取引の増額などを検討している企業が、あなたの会社を調べたときも、「大丈夫かな」と不安になるでしょう。
こんなふうに、取引のチャンスも逃してしまうかもしれません。
補助金の審査で不利
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの4つ目の問題点は、補助金の審査で不利になることです。
補助金は原則「後払い」の制度です。赤字だと、「本当に設備を買えるのか?」「補助金が出るまでの資金は足りるのか?」と不安を持たれがち。
審査を通過する可能性も低くなってしまいます。
税務調査のターゲットになりやすい
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの5つ目の問題点は、税務調査のターゲットになりやすいことです。
大きな設備投資をして消費税の還付を受けている。さらに赤字だと、「不正な水増しはないか?」と税務署から疑われやすくなることがあります。
適切に処理していれば問題ありませんが、知っておきたいことですね。
思うような取引ができない
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの6つ目の問題点は、取引先と思うように取引できないことです。
とくに大手や上場企業は、取引する会社を厳しくチェックします。
設備投資でお金が出ている。さらには赤字。そんな状態だと先行きを心配され、取引を断られる可能性も。
代理店を挟むよう求められることもあるでしょう。
理想の事業承継から遠ざかる
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの7つ目の問題点は、事業承継がうまくいかなくなることです。
黒字企業に比べ、赤字の会社は後継者の候補もなかなか現れません。第三者に引継ぐことを考えている場合も、「売れる会社」としての魅力が薄れてしまいます。
将来の選択肢も狭まってしまうかもしれません。
あとあと後悔三昧
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの8つ目の問題点は、頑張らなくなってあとあと後悔することです。
「赤字を突っ込まれて困ったら考えよう」「税金が少ない方が楽」そう考えて、売上や利益を出すことに本気で取り組まなくなると、やがて環境の変化や競争に負けてしまいます。
あとあとになって、もっと頑張っておけばよかったと後悔するケースも少なくありません。
経営者の自信喪失現象
設備投資でお金を使ったから赤字で節税したいの9つ目の問題点は、経営者のみなさまが自信を失うことです。
ここまでお伝えしたように、税金は減っても、設備投資でお金が出て、さらに赤字となれば、さまざまな場面で厳しく見られます。
よかれと思った赤字でも、常に説明を求められたり、厳しい目で見られると、次第に気持ちが萎えてしまう方も多いです。要注意ですね。
9つの問題点をまとめます。
『お金が出ている』+『赤字』は、さまざまな場面で目をつけられてしまいます。
「外から見られる場面」が多いなら、「赤字で税金が減れば…」という考えには、慎重になった方がよいかもしれません。
経営者のみなさまご自身の気持ちやヤル気も下がってしまいがち。それが事業の成長鈍化や継続にも影響してしまうこともあります。
マズいなと思った方は、次のパートを読んでみてください。

利益もお金も評価も守る「設備投資の考え方」
設備投資でお金がかかった。赤字で税金が減ってお金を確保…と考えていた方は、ちょっと考え方を変えてみると、利益もお金も守って設備投資ができるかもしれません。
どうしても赤字になってしまう場合も、まわりからの厳しい目をできるだけ和らげられるかもしれませんよ。
1つずつ確認してみましょう。
『手元現金』を真面目に考える
利益もお金も評価も守る設備投資の1つ目の考え方は、手元にお金がどれだけ残るか、しっかり把握することです。
みなさまは、いまお考えの設備投資によって、いくらお金が出ていき、結果としてどれだけ手元に残るか、正確にイメージできていますか?
その投資によって、会社がどれだけ稼げるようになるか。その結果、どれだけ現預金を残せそうか。
自社のお金の動き、見えていますか?
「今いくらあるのか」「この先いくら残るのか」このイメージが描けていないと、不安ばかりが先立ち、極端な打開策に頼ってしまいがちです。
実際、利益もお金も評価も守れている会社は、お金の出入りや将来の残高をしっかりイメージできています。
どれだけ現金が残るかが見えてくると、赤字や節税だけにとらわれない設備投資の判断ができるようになりますよ。
会計処理や税務の仕組みを上手く使う
利益もお金も評価も守る設備投資の2つ目の考え方は、会計処理や税務制度の仕組みを上手く使うことです。
たとえば、減価償却や繰越欠損金の仕組みを活用する方法などがありますね。
少し専門性が高いので、難しい&怪しいと感じるかもしれませんが、合法的な仕組みです。
詳しく解説すると長くなるので省略しますが、もし「よくわからないけど興味がある」なら、税理士や専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
利益を残しながら、税金を軽くできる可能性がありますよ。
連続や繰り返しはしない
利益もお金も評価も守る設備投資の3つ目の考え方は、連続や繰り返しで赤字を出さないことです。
一度の赤字なら、事情を説明すれば理解されるかもしれません。でも、何度も赤字が出たり、連続すれば、「この会社は大丈夫かな」と心配され、まわりの目も厳しくなります。
赤字と設備投資が重なれば、お金の心配もされます。実際に資金繰りも苦しくなっていくでしょう。
どれだけお金や利益が出るか、そして、投資のタイミングはいつが適切か。意識するだけで、どう設備投資するかも変わってくるはずです。
先行投資と割り切る
利益もお金も評価も守る設備投資の4つ目の考え方は、利益も税金も先行投資と割り切ることです。
1つ前のパートで、赤字は銀行や取引先、信用調査など第三者の見る目が厳しくなるとお伝えしました。
ここは気持ちを少し切り替えて、利益を出すことや税金を払うことを「信用を得るための投資」と考えることです。
たしかにお金を守ることは大切です。でも、まわりからの信頼も同じくらい大切。
どちらも得るという意識があるだけで、設備投資や税金に対する考え方や行動が変わってくるはずです。
後からお金がもらえる制度に申し込む
利益もお金も評価も守る設備投資の5つ目の考え方は、後からお金がもらえる制度に申し込むことです。
たとえば補助金は、審査に通れば設備投資の後にお金が支給されます。利益が出ても、現金が後から入ってくるとなれば、気持ちにも余裕が生まれますよね。
「補助金を取れた」という実績が、会社の信頼性も高めてくれるので、融資担当者や株主などの見る目も変わり、資金調達もしやすくなっていくはずです。
赤字で税金を減らす…それ以外の選択肢にも目を向けられるようになるでしょう。
設備投資で税金が軽くなる制度を使う
利益もお金も評価も守る設備投資の6つ目の考え方は、設備投資で税金が軽くなる制度を使い倒すことです。
国は、中小企業の設備投資を後押しするために、さまざまな税金の優遇制度を用意しています。法人税や固定資産税などが軽くなる制度もありますよ。もちろん国が認める”合法な制度”です。
ただし、制度の内容がやや難しいです。国も宣伝しないので、あまり知られてもいません。
どの制度を使うかや、使うタイミングも見極めも難しいと感じるかもしれません。
厳しい審査もあるので、信頼できる専門家と一緒に活用しましょう。うまく使えば大きな効果が期待できます。

設備投資で利益もお金も守る制度紹介集【無料配布】
ここまで、「赤字にしてでも節税したい」の問題点や、利益もお金も評価も守る「設備投資の考え方」をお伝えしてきました。
うまく使うと、設備投資で税金を軽くできる制度についても軽くお伝えしましたが、具体的にどんな制度?どうすれば使える?とお困りの方もいらっしゃると思います。
そこで、そんな方のお役に立つ資料をご用意しました。
『設備投資するなら知っておきたい!利益もお金も守る”賢く使いたい制度”』の紹介集です。
- 後から受け取れる!設備投資でおすすめの補助金
- 設備投資をすると税金の優遇が受けられる承認制度
この2つの制度をご紹介しています。
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賢い設備投資と節税が信頼される会社をつくる
設備投資をすること。税金を抑えてお金を守ること。
どちらも会社の継続や成長に欠かせない大切な考え方です。
そこにもうひとつ、「まわりからの信頼を得る」という視点が加わると、経営はさらに強くなります。
なかには、「そこまで意識したことがなかった…」という方もいらっしゃるかもしれません。
でも実際には、銀行や取引先など、資金調達や売上に関わる第三者の目が、経営に与える影響は小さくありません。
信頼される会社は、チャンスも応援も集まりやすくなります。
この記事を読んでくださったみなさまには、ぜひ、賢い設備投資と戦略的な節税で、信頼される会社をつくっていただきたいと思います。
その先に、安心して成長していける経営が実現されることを心から願っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
会社信用ドットコム代表 佐藤絵梨子
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