このようなご要望にお応えします。
新しい銀行を開拓しておくことは大事ですね。
いざという時に、有利な融資条件や柔軟な対応をしてもらいたい。そう考えて、複数行との取引を考えている経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、銀行の新規開拓を成功させるコツをご紹介します。
この記事を書いている私は、信用調査会社(株)東京商工リサーチの元調査員です。現在は、企業審査や評価のプロフェッショナルとして、取引先や銀行との信用構築をサポートしています。
安定経営や事業成長には、銀行の新規開拓が必要不可欠です。
ぜひ最後までお読みいただき、銀行と信頼関係を築いて、新規開拓を成功させてください。
銀行の新規開拓が必要な理由
銀行との新規取引は、企業の成長や資金調達でとても重要です。
企業の成長加速や、必要なタイミングでの資金確保には、銀行からの資金調達やサポートが必要だからですね。いざという時に銀行からサポートを受けられるかどうかが、企業の命運を左右することも少なくありません。
先行き不透明な今の時代だからこそ、信頼できる銀行と強い信頼関係を築いておく。これこそが、事業を安定的に継続するための鍵になります。
自社に最適なアプローチで銀行からの信頼を勝ち取り、新規開拓を成功させましょう!
銀行新規開拓の5つの成功ステップ
銀行の新規開拓を成功させるためには、戦略的なアプローチが必要です。
確実に成功を収める「成功ステップ」をご紹介します。
自社に最適な銀行を選ぶ
銀行新規開拓の成功ステップの1つ目は、自社に最適な銀行を選ぶことです。
銀行選びは、新規開拓のスタート地点。自社のニーズに合った銀行を選びましょう。
日本の銀行は、民間金融機関と政府系金融機関に大きく分かれていて、それぞれ提供するサービス内容や強みが異なります。
自社に最適な金融機関を選定するために、以下の5つの銀行タイプとその特徴を理解しておきましょう。
政府系金融機関
政府系金融機関には、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫があります。
政府系金融機関は民間金融機関を補完する立場なので、民間金融機関以上の融資はしてくれない傾向にあります。
例えば、創業時や有事は日本政策金融公庫から融資を受け、その後は民間金融機関からの融資をメインとし、日本政策金融公庫は「補助」で活用する体制を構築すると良いでしょう。
低金利での融資や特定の企業やプロジェクトを支援する制度も充実しています。事業展開に合わせて上手く活用したいですね。
メガバンク
メガバンクは、都市部を中心に広範なネットワーク構築しています。安定した資金調達力があり、とくに大規模な融資が必要な企業には強力な選択肢になります。
メガバンクが適しているのは、年商10億円以上の会社です(※これはあくまで目安になります)。それ未満だとプロパーでの融資ではなく、保証協会付きを打診されるケースも多いです。
現在の事業規模や今後の事業展開を見据えて、上手く関係を構築しておきましょう。
地方銀行(地銀)
地方銀行は、特定の地域に密着したサービスを提供しています。地域に根ざしたビジネス支援や、地元企業とのネットワーキングに強みがありますね。
地域経済に貢献したい企業にとっては、銀行と地元密接に関わることができる点は魅力です。地域企業との連携がしやすく、融資の際にも柔軟な対応をしてくれることが多いのも特徴です。
年商10億円未満の会社は、まず地方銀行や次でご紹介する信金・信組との関係を構築しておくと良いでしょう。
信用金庫・信用組合(信金・信組)
信用金庫や信用組合は、地域密着型の金融機関として、地元住民や中小企業に親身なサポートを提供しています。
新規事業やスタートアップなど、成長を支援するための支援に力を入れているところも多いです。地域社会に貢献するビジョンを持つ企業にとって、非常に適した選択肢です。
地方銀行と同様に、年商10億円未満の会社はまず関係を構築しておくと良いですね。
ネット銀行
最近はネット銀行を利用する企業も増えていますね。
ネット銀行の融資(ビジネスローン)には、一般的な銀行や信金・信組よりも審査基準が柔軟なものもあるので、業績低調時や不測の事態の対応策として口座開設しておくのも良いでしょう。
オンラインで手続きが完結するので手数料が安く、時間や場所に縛られることなく融資の手続きを進められる利点があります。効率的な運営を求める企業にも適しています。
最近は法人口座開設の審査が厳しくなっていますが、ネット銀行の口座は他の銀行に比べて口座開設しやすいのも魅力ですね。
事業内容や資金調達のニーズ、事業規模に応じて、最適な銀行を選び、必要に応じて複数の銀行と接触するようにしましょう。
銀行ごとの強みや提供するサービスをしっかりと理解し、自社に最も適した選択をすることも大切ですね。
絶妙なタイミングを見極める
銀行新規開拓の成功ステップの2つ目は、タイミングを見極めてアプローチをすることです。
新規銀行にアプローチをするタイミングはとても重要です。銀行が最も関心を持ってくれる時期にアプローチをすることで、成功の確率を高めることができます。
決算後や事業計画が固まった時は、銀行にとって重要な情報が揃い、融資や取引の判断がしやすくなります。新商品やサービスの発表後や、成長計画が具体化した後も、銀行は将来性を重視して積極的なサポートを提案してもらいやすい時期です。
タイミングを見計らい、計画的にアプローチすることが成功への近道ですよ!
魅力的なプレゼン資料を準備する
銀行新規開拓の成功ステップの3つ目は、魅力的なプレゼン資料を準備することです。
新規銀行への効果的なアプローチには、説得力のあるプレゼン資料の準備が欠かせません。
プレゼン資料には、自社のビジョンや事業計画を明確に示し、銀行に対して自社の強みや将来性を伝えることが大切です。数字の入った具体的なデータや過去の実績を盛り込むことで、信頼性が高まり、銀行の担当者にも納得してもらいやすくなりますね。
変化や進捗状況を定期的に共有することも、銀行への信頼性アピールと良好な関係構築につながります。
「経営者力」で信頼を勝ち取る
銀行新規開拓の成功ステップの4つ目は、経営者の姿勢で信頼を勝ち取ることです。
新規銀行開拓では、経営者自身の姿勢や能力、信頼感がとても重要です。経営者は会社の先行きを左右する存在ですから、銀行は経営者がどれだけ信頼できるかを厳しくチェックします。
経営者の誠実で真摯な姿勢は、銀行にとって大きなプラスポイントになります。自社のビジョンや将来の成長計画を具体的に伝え、銀行の担当者に信頼感を与えましょう。
とくに、決算書の数字の説明や具体的な実績の説明は、経営状況の把握力をアピールでき、信頼感が高まります。説明の説得力も増すので、高評価を獲得しやすくなります。
既存の取引銀行をフル活用する
銀行新規開拓の成功ステップの5つ目は、既存の取引銀行との良好な関係を活用して信頼を得ることです。
既存銀行との関係が強固で、実績が評価されていれば、その信用は新規銀行にも好影響を与えます。
例えば、大口取引や定期的な借入、低金利融資が継続的にある場合は、既存銀行からの信頼の証となり、新規銀行からも良い印象を持ってもらいやすくなります。
既存銀行との定期的なコミュニケーションや情報提供を通じて、信頼関係を強化していきましょう。実績と信頼の積み重ねが、新規銀行への説得力あるアプローチになり、スムーズな取引開始につながります。
銀行への「信用」づくりは1日にしてならず!
銀行との信頼関係を築くには、時間がかかります。
短期的な利益追求ではなく、長期的なパートナーシップを目指して信頼を積み重ねていくことが大切ですね。
私のところに「融資が取れない」とご相談に来られる経営者の方々のお話を聞くと、この銀行との長期的な関係構築の努力が不足している方も目立ちます。
融資の直前に急にアプローチをしても、高評価や良い反応は期待できません。定期的なコミュニケーションや誠実な対応を心掛け、銀行との信頼関係を一歩一歩深めることで、将来的な資金調達やサポートを引き出すことができます。
信頼関係の構築こそが、企業の成長を加速させる鍵になります。
「うちの場合はどうすればいい?」
「自社に最適な戦略を教えてほしい」
このような経営者様はご相談ください。企業審査のプロフェッショナルとしてお力になります。
みなさまが銀行と良好な関係を構築し、スムーズな資金調達で事業を成長させていかれることを心より願っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。