補助金一発採択の必勝法 事業再構築補助金

【第12回公募対応】事業再構築補助金の「将来の展望」の書き方|事業計画書の記入例を解説

2022年5月6日

事業再構築補助金の「将来の展望」の書き方|会社信用ドットコム

事業再構築補助金の将来の展望はどう書けば良い?

このような疑問を解消します。

将来の展望では、再構築で行う新規事業の見通しの説明が必要です。

新規事業の素晴らしさを盛大にアピールできるパートですよ。

サクッと書き方のコツをつかんで、事業再構築補助金の採択をつかみ取ってくださいね。

事業再構築補助金の事業計画書の書き方を150件以上指導してきたノウハウ満載の内容です。

ぜひ最後までお読みください。

■採択される事業計画書の書き方をアドバイスしています。延べ7,000社の企業審査経験を活かし、改善点や不足点をわかりやすくお伝えします。お気軽にご相談ください。詳しくはこちら

この記事を書いている私のこと

佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表

世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。

*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411

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本記事で解説する事業計画書の目次

事業計画書の目次は以下の通り。この記事では「将来の展望」の6項目の書き方を解説します。

事業計画書の目次(コピーOK)

1:補助事業の具体的取組内容

(1)事業再構築要件について(*1)
(2)現在の事業の状況
(3)SWOT分析
(4)事業環境
(5)事業再構築の必要性
(6)事業再構築の具体的な内容
(7)既存事業の縮小・廃止・省人化について(該当者のみ記載)

2:将来の展望

(1)ユーザーと想定顧客ニーズ
(2)マーケット及び市場規模

(3)成果の優位性・収益性
(4)事業化の見込み・目標時期
(5)想定される課題・リスクとその解決策
(6)その他(審査項目の政策点の項目など)

3:本事業で取得する主な資産

4:収益計画

(1)実施体制
(2)実施スケジュール
(3)資金調達計画
(4)収益計画
(5)売上高の算出根拠
(6)付加価値額の算出根拠

【重要】
↓失敗しないために必ず確認↓
 

見出しの項目・順番について
読みやすさや流れを考えて、公募要領に記載されている「記載すべきこと・審査項目」とは順番や内容を入れ替えています。必ず上記の目次にする必要はありません。貴社の計画にあわせて項目を追加したり、順番を変えるなど工夫してください。
  
申請枠等によって記載項目が異なります
上記の目次・見出しはどの申請枠でも記載すべき項目です。申請枠によっては追加で記載が必要な項目もあります。必ず公募要領で貴社が申請する枠の情報をご確認ください。

 

事業計画書に記載する内容・審査項目

事業計画書を書き始める前に、事業再構築補助金の事業計画書に記載する内容審査項目を確認しておきましょう。

記載すべき項目は、公募要領の下記2箇所を確認してください。

  • 事業計画作成における注意事項
  • 審査項目・加点項目

 

記載すべき項目の注意点を簡単にまとめます。
 
事業計画書に記載すべき項目の注意点

  1. 事業計画書はA4サイズ計15ページ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)推奨
  2. 1ページ目に記載する内容・記載ルールが決められている
  3. 2ページ目以降についても記載すべき項目が示されている


 

1つずつ簡単に補足します。

 

ページ数

事業計画書はA4サイズで計15ペー ジ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)が推奨されています。

ページ数で採択・不採択が決まるわけではありません。

しかしながら、大半の事業者は枚数内で作成していますので、枚数内に収めるのが賢明です。

 

1ページ目の記載内容

1ページ目に記載する内容は決められています。

記載すべき内容が記載されていないと不採択になりますので要注意です。

具体的な書き方は以下の記事で解説しています。必要であればお読みください。

▶︎事業再構築補助金の「補助事業の具体的取組内容」の書き方

 

2ページ以降の記載内容

2ページ目以降はフリーフォーマットですが、記載すべき項目は公募要領で示されています。

本記事で解説する「将来の展望」の他にも、「補助事業の具体的な取組内容」「収益計画」の記載も必要ですね。

この記事の最後でそれぞれの書き方を解説した記事をご紹介しています。必要であればお読みください。

 

将来の展望の書き方

それでは、将来の展望に記載する6項目の書き方を解説します。

1つずつ書き方のポイントをお伝えしますね。

 

(1)ユーザーと想定顧客ニーズ

事業再構築補助金の「将来の展望」の書き方|ユーザーと想定顧客ニーズ

ユーザー(ターゲット層)と想定顧客ニーズでは、以下の2点を記載しておきましょう。

ユーザーと想定顧客ニーズに記載すること

  • 新規事業のユーザー(ターゲット層)
  • どれだけの数のターゲットが存在するのか

 

1つずつ解説します。

 

新規事業のユーザー(ターゲット層)

ターゲット層は具体的に説明することがポイントです。

「一般個人」「法人」のようなサラッとした記載では不十分です。

以下のような切り口で詳しく記載しておきましょう。

ユーザー(ターゲット層)を詳しく記載する切り口

ユーザーが一般個人の場合ユーザーが法人の場合
・顧客が存在するエリア
・性別
・年齢層
・職業
・家族構成
・抱えている悩みや課題
製品、サービスに対するニーズ
・顧客が存在するエリア
・業界、業種
・売上規模
・ユーザーの顧客数
・抱えている悩みや課題
製品、サービスに対するニーズ

 
新規事業では、顧客のニーズに向けて新製品・サービスを提供していくはずです。

「製品・サービスに対するニーズ」は必ず記載しておきましょう。

「抱えている悩みや課題」「製品・サービスへのニーズ」は”お客様の声”をイメージして記載すると良いですね。

 

ターゲット層はどれだけの数存在するのか

ターゲット層がどれだけ存在するのかを具体的な数字で説明しましょう。

例えば、周辺の住民をターゲットにする飲食店なら、周辺エリアの人口推移のデータなどから、どれだけの数のターゲット層が存在するかを算出できるはずです。

「それだけの数のターゲット層が存在するのなら、確実に顧客を獲得して、新規事業を成功させるだろう」

このように審査員に思ってもらうことを意識して記載すると良いですね。

ターゲットがしっかり存在しているという根拠のある数字を記載することがポイントです。
佐藤絵梨子

 

(2)マーケット及び市場規模

事業再構築補助金の「将来の展望」の書き方|マーケット及び市場規模

新規事業で進出するマーケット・市場規模について説明する項目です。

以下の内容を記載して詳しく説明しましょう。

マーケット及び市場規模で説明にすること

  • そもそも新規事業の市場はどこなのか
    →新規事業が飲食店経営であれば「外食市場」など
  • どれくらいの市場規模なのか
    →市場規模●●●億円など
  • 市場は近年どのように推移しているのか・トレンド
    →市場は右肩上がりで推移・●●●が求められる傾向にあるなど
  • 将来どのような推移が見込まれるか・将来のトレンド予測
    →市場はこれからも拡大予想・●●●のニーズが高まりそうなど

貴社が新規事業への参入を決めたのは、

その新規事業にニーズがあり、将来伸びていく市場だと感じたから

ですよね?

審査員にも今後伸びていく良い市場であることをしっかり伝えてください。

説得力を持たせるために、グラフやデータ、数字も記載しておきましょう。

このパートの文章の締めは、「この市場なら新規事業は上手くいく」というニュアンスのまとめにすると良いですね。

 

(3)成果の優位性・収益性

事業再構築補助金の「将来の展望」の書き方|成果の優位性・収益性の書き方

新規事業の製品・サービスの「優位性」と「収益性」について記載しておきましょう。

このパートは、審査項目にある下記の点を意識して記載しておくと良いと思います。

新規事業の有望度

③ 競合分析を実施した上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して、自社に明確な優位性を確立する差別化が可能か。
➢ 代替製品・サービスを含め、競合は網羅的に調査されているか。
➢ 比較する競合は適切に取捨選択できているか。
➢ 顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準は明らかか。
➢ 自社が参入して、顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準を充足できるか。
➢ 自社の優位性が、容易に模倣可能なもの(導入する機械装置そのもの、営業時間等)となっていないか。 

ただ何となく審査項目にそって記載するだけではなく、

その優位性や収益性があることによって、貴社が新規事業の市場で勝ち抜くことができるとアピールすることを意識してくださいね。

「優位性」だけを記載して、「収益性」の記載を忘れている方が多いです。

収益性では、継続的に売上・利益を確保できること(※稼げること)を示してください。

「我が社はここが良いと思う」「収益性はある」という主観ではなく、「他社は●●●だけど、我が社は▲▲▲」というように客観的な事実をもとに競合他社と比較することがポイントです。

「確かにそうだ!」と納得してもらえる根拠を示すことも大事ですよ。
佐藤絵梨子

 

▶︎「競合は存在しない」と思っている方へ

よほど革新的な事業でもない限り、競合が存在しない事業などありません。

完全に同一の製品・サービスを提供する競合がない場合でも、類似事業代わりとなる事業(貴社の製品・サービスがなくても他で代用できるもの)が存在しているはずです。

安易に「競合は存在しない」と記載するのは、競合分析不足です。

競合をしっかり調べ、自社が競合よりも上回っている点を審査員に明確に伝えてください。

 

(4)事業化の見込み・目標時期

事業再構築補助金の「将来の展望」の書き方|事業化の見込み・目標時期の書き方

新規事業の成果・売上規模などの達成時期、量産化時の価格について記載します。

1年目〜5年目のどの時期にどれだけの目標を設定しているのか、わかりやすく説明しましょう。

新規顧客やリピーターの獲得策、商品・サービスの改良・追加予定、設備の改修予定など、新規事業ではさまざまな実施項目があるはずです。漏れなく記載してくださいね。

 

▶︎(記入例)以下の表でまとめるとわかりやすいです
事業再構築補助金の「収益計画」の書き方|事業化の見込み・目標時期の参考図表

会社信用ドットコムにて作成

※貴社の記載内容にあわせて行は適宜追加してください

 

(5)想定される課題・リスクとその解決策

事業再構築補助金の事業計画書の書き方|想定される課題・リスクとその解決策

新規事業にどのような課題・リスクがあるか洗い出し、その課題・リスクへの対処策を記載しましょう。

「課題・リスク」「その解決策」をセットで書いておくとわかりやすいです。

「課題・リスク」は、「事業化までにクリアしておくこと」「将来起こるかもしれない事態」と考えるとイメージしやすいと思います。

対処法は「その対処法なら安心だ」「それだけ備えていれば大丈夫だろう」という納得感があるものでなければなりません。

補助期間(補助金経費の対象になる期間)の課題・リスクだけでなく、補助期間を終えた後の「将来(1年目〜5年目)起こると考えられる課題・リスクと対処法」も記載しておくことがポイントです。

 

▶︎(記入例)以下の表でまとめるとわかりやすいです
課題・リスクとその解決策の参考図表

会社信用ドットコムにて作成

 

(6)その他項目

事業再構築補助金の事業計画書の書き方|その他項目

ここは該当者のみ記載が必要です。

公募要領の審査項目の「(4)公的補助の必要性」「(5)政策点」に記載されている項目や、応募する枠によって記載が必要な内容を記載しておきましょう。


 

必ず最新の公募要領を確認してください。
公募要領は随時改定されますので
上記内容が変更されることがあります。
※「加点項目」や口頭審査の審査項目は公募要領の「加点項目」を確認しましょう。
・成長分野進出枠、コロナ回復加速化枠の公募要領
・サプライチェーン強靭化枠の公募要領

 

▶︎ワンポイント・アドバイス

不採択になってしまった事業者様からお話を伺うと、「先端的なデジタル技術の活用」「地域貢献」が明確に記載されていない点をマイナスポイントとして指摘されているケースが多いです(*)

*事業再構築補助金で不採択になった場合、不採択理由を確認することができます。

「先端的なデジタル技術の活用」と「地域貢献」については、他の見出しで記載をしていたとしても、この欄であらためて念押しとして記載しておいても良いかもしれませんね。

 


「2:将来の展望」に記載する6項目の書き方を解説しました。

補助金の審査を突破するには、投資計画の良さを正しく伝える事業計画書が必要です。

書き方と審査のポイントを押さえて、貴社が納得できる良い事業計画書を作成してくださいね。

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貴社が補助金に採択され、事業がますます発展されることを心からお祈りしております。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。 

 

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