事業再構築補助金の「収益計画」の書き方【記載例・参考図表】

2022年5月12日

事業再構築補助金の「収益計画」の書き方【記載例・フォーマット】
事業再構築補助金の「収益計画」はどのように書けば良いでしょうか?

 

本記事では、このような疑問にお答えします。

 

収益計画は再構築の成果を具体的な数字で伝えるパートです。

 

この部分の記載がとくに難しいと感じている方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

 

「収益計画はどのような表でまとめたら良い?」

「算出根拠には何を書けば良いの?」

「数字はどこがチェックされる?」

 

このような疑問やお悩みをお持ちの方は、ぜひお読みになってくださいね。

 

本記事では下記の黄色部分の6項目を解説しています。

 

事業計画書の見出し

1:補助事業の具体的取組内容

(1)現在の事業内容
(2)SWOT分析
(3)事業環境
(4)事業再構築の必要性
(5)事業再構築の具体的な内容
(6)既存事業の縮小・廃止・省人化について
 

2:将来の展望

(1)ユーザーと想定顧客ニーズ
(2)マーケット及び市場規模
(3)競合との差別化
(4)既存事業との差別化
(5)既存事業とのシナジー効果
(6)想定される課題・リスクとその解決策
(7)その他(審査項目(4)政策点の項目等)
 

3:本事業で取得する主な資産
 

4:収益計画

(1)実施体制
(2)実施スケジュール

(3)資金調達計画
(4)収益計画
(5)売上高の算出根拠
(6)付加価値額の算出根拠

事業再構築補助金の事業計画書はフリーフォーマットです。必ずこの見出し・順番である必要はありません。みなさまの計画内容にあわせて見出しの追加・順番を変えるなど色々と工夫なさってください。*上記は単独申請かつ通常枠or回復・再生応援枠での申請を想定した構成です。

 

収益計画をしっかり書くことができなければ、再構築の成果も伝わりません。

 

ぜひ最後までお読みになってくださいね。

 

▼各項目の書き方も解説しています▼

 

この記事を書いている私のこと

佐藤絵梨子/会社信用クリエイター

世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。同社退職後、大手企業との取引実現から銀行融資や補助金獲得まで支援するサービスを展開中。
*詳しいプロフィールはこちら           

事業再構築補助金のサポート実績(2021年3月〜2022年6月)

  • 計画策定支援で累計11件採択
  • 累計90件以上の事業計画書を添削

実施体制の書き方

事業再構築補助金 実施体制の書き方

再構築を行うための体制について説明する項目です。

 

「この体制で再構築をバッチリ行うことができます」と伝えることを意識して記載しましょう。

 

主に次の3つを記載しておくと良いです。

  1. 社内体制
  2. 人材採用計画
  3. 連携企業

 

1つずつ解説します。

 

①社内体制

社内の「誰が」「何を担当するのか」をわかりやすく記載しておきましょう。社内の役割分担ですね。

 

「なぜその人が担当だと上手くいくのか」がわかるように、選定理由や業務遂行能力も記載しておくことがポイントです。

 

私は下記のような表でまとめることが多いですね。

社内の実施体制の参考図表

 

新規事業を担当させる部署を設ける場合には、下記のような組織図を入れておくのも良いです。

組織図の参考例

 

既存事業と新規事業を担当する部署が明確になっているとわかりやすいですね。

 

②人材採用計画

新規事業を行うために採用を行う場合は、基準年度(補助事業実施年度)から5年目の採用計画についても記載しておきましょう。

 

こちらも下記のような表にするとわかりやすいです。

人材採用計画の参考図表

 

「どのような業務を担当する人なのか」がわかるように、表の項目を工夫したり、表外にひと言説明を加えておくと良いです。

 

③連携企業

仕入先や外注先など、新規事業を行う上で欠かせない外部の関係先についても記載しておきましょう。

 

社内体制と同じように、「なぜその企業に任せると上手くいくのか」がわかるように、選定理由や業務遂行能力も記載しておくと良いです。

 

添削をしていると、連携企業について何も記載がない方がとても多いです。

 

「新規事業は貴社だけでできるものなの?」と疑問に思われないように、しっかり記載しておいてくださいね。

 

資金調達計画の書き方

事業再構築補助金 資金調達計画の書き方

再構築で必要な資金をどのように工面するかを記載する項目です。

 

「金融機関等から十分な資金調達が見込めること」「金融機関から本当に資金を調達できること」を示すために、下記のような内容を記載しておきましょう。

  • 自己資金と借入金の内訳
  • 資金を調達先の金融機関名(支店名・各行からいくらずつ等)
  • 金融機関との調整状況(事業計画を説明済み・借入を打診済み・採択後●月に借入の内諾をいただいている等)

 

簡単な記載例を載せておきます。

 

記載例

再構築への総投資額●●●円のうち▲▲▲万円を自己資金、■■■万円を銀行借入で対応する。借入先の○○○銀行(△△△支店)の担当者には既に本計画を説明しており、資金調達についても打診済である。補助事業開始後の□月に速やかに借入を実施する。

あくまでも簡単な記載例です。みなさまの会社の状況に合わせて詳しく記載してください

 

本気で再構築を実行するのであれば、あらかじめ融資の打診をし、資金調達の目処をつけているはずだと思うのが普通ですので、採択後に金融機関に相談するような計画では審査員の納得は得られないでしょう。

 

投資金額が多額になるご計画や、債務超過、赤字企業の場合には、「金融機関から本当に資金を調達できるのか」「自己資金は十分にあるのか」は厳しくチェックされますので、しっかり説明をしてください。

 

実施スケジュールの書き方

事業再構築補助金 スケジュールの書き方

基準年度(補助事業実施年度)のスケジュールだけでなく、1年目〜5年目のスケジュールも記載しておきましょう。

 

新規顧客やリピーターの獲得策、広告宣伝の予定、商品・サービスの改良・追加予定、設備の改修予定など、新規事業ではさまざまな実施項目があるはずです。

 

ガントチャートなどで内容を整理し、いつ何を行うのかを明確に記載してください。

 

収益計画の書き方

事業再構築補助金 収益計画の書き方

収益計画の数字については応募をする類型によって、売上高や付加価値の構成比が決まっています。

 

必ず公募要領を確認し、要件に合う収益計画を立ててください。

 

【応募する類型ごとの要件について書かれている場所】

第7回公募要領P12〜15「4.補助対象事業の要件」

 

収益計画のフォーマットについては、事業再構築補助金の公式サイトにある「電子申請入力項目」で下記の収益計画表が掲載されています。

公式サイトの収益計画表

 

上記のフォーマットを使用する場合は、新規事業と既存事業の内訳がわかるように、表外で説明をしておく必要があります。

 

新規事業の構成比がパッと見でわかりやすいように、下記のような収益計画表にするのも良いです。

全体の収益計画表の参考図表

新規事業の収益計画表の参考図表

 

上段の「全体の収益計画表」だけでも良いですが、下段の「新規事業の収益計画」も入れておくと親切です。参考にしてください。

 

「新規事業と既存事業を兼務する人員がいるので、新規事業と既存事業で人件費を正確に分けることが難しい」のように、新規事業と既存事業をはっきり分けることが難しいケースもあると思います。
 

そのような場合は「従業員が新規事業と既存事業を兼務していること」に加え、「新規事業と既存事業を兼務する者の人件費については、●●%を新規事業の人件費として計上した」のような説明を下記の「付加価値額の算出根拠」に記載しておくと良いですよ。

 

また、【基準年度】と【直近の決算年度】の考え方を誤解している方が多いので、ここで説明しておきますね。

 

基準年度・直近の決算年度の考え方

  • 基準年度:補助事業が終わる月を含む決算年度(補助事業終了年度)
  • 直近の決算年度:申告書を提出している直近年度(申請時点で既に決算を終えた年度)

 

基準年度を間違えると、1年目〜5年目の年度もズレてしまいますので注意してくださいね。

 

上記の収益計画の数字については、下記の「売上高の算出根拠」「付加価値額の算出根拠」で説明をしていく流れになります。

 

売上高の算出根拠の書き方

事業再構築補助金 売上高の算出根拠の書き方

上記の収益計画について説明する項目です。

 

「算出根拠」=「なぜその売上高になるのかの説明」だと思ってください。

 

売上高の算出根拠では、既存事業・新規事業それぞれの売上高(売上推移)について説明しておきましょう。

 

(1)既存事業の売上高の算出根拠ついて

基準年度(補助事業実施年度)から5年目の既存事業の売上高(売上推移)についてひと言説明をしておきましょう。

 

「横ばい」「増加傾向」「減少傾向」など、そのような推移を辿る”理由”もあわせて記載をしておきます。

 

ここで注意が必要なのは、既存事業が「増加傾向」という計画を立てている方です。

 

コロナの影響を受けて既存事業が打撃を受けた→再構築が必要という流れで事業再構築補助金を申請しているはずですので、「増加傾向」になる計画の場合は矛盾が出てきます。

 

ただし、下記のような理由で増加傾向になることはあると思いますので、既存事業が「増加傾向」という計画の場合はひと言理由を記載しておきましょう。

 

記載例

  • 既存事業の売上高については、新規事業との相乗効果によって徐々に新規顧客獲得が見込まれるため、緩やかな増収になる想定で算出した
  •  既存事業の売上高については、当面はコロナの影響で横ばい程度、3年目頃から緩やかに回復する想定で算出した

あくまでも簡単な記載例です。みなさまの会社の状況に合わせて詳しく記載してください

 

(2)新規事業の売上高の算出根拠について

新規事業の売上高の算出根拠では、次の2つを意識して記載しておくと良いです。

  1. 基準年度から5年目の売上高の構成
  2. 基準年度から5年目で売上が増えていく理由

この①と②は表でまとめて説明すると伝えやすいと思います。

 

①と②の解説の後に、表のフォーマットも参考としてご紹介しますね。

 

①基準年度から5年目の売上高の構成

みなさまは売上計画を立てる時に、「単価が●●●円で△△△個売れるだろうから、売上高は■■■円くらいになるだろうな」というように考えて数値を算出していると思います。

 

売上高の算出根拠では、上記のように”どのように考えてその売上高になったのか”という部分を説明してください。

 

例えば下記のような構成で説明できるはずです。

  • 製品別、サービス別
  • 単価×数量
  • 客単価×席数×回転数×営業日数
  • 既存顧客、新規顧客別
  • 1㎡(または1坪)当たりの売上高×売場面積
  • 設備の生産能力×設備数
  • 従業者1人当たり売上高 × 従業者数

 

新規事業の業態・業種などに合った構成で記載してください。

 

計画した売上数値が妥当であることを示すために、競合他社の売上高、業界平均なども説明しておくと良いですね。

 

②基準年度から5年目で売上が増えていく理由

売上高の算出根拠としては、上記の①だけでは少々情報が不足しています。

 

例えば、下記のように売上の構成だけを説明していた場合がそうですね。

基準年度:単価1,000円×個数1,000個=売上高1,000,000円

1年目:単価1,000円×個数2,000個=売上高2,000,000円
 ・
 ・
 ・
5年目:単価1,200円×個数5,000個=売上高6,000,000円

 

このように基準年度〜5年目までの売上高の構成を説明していた場合、

 

「なぜ基準年度から1年目で個数は1,000個増える予想なのだろう?」

「基準年度から1年目で本当に個数を1,000個も増えせるのだろうか?」

「なぜ5年目は単価を200円アップできるのだろう?」

 

のような疑問を読み手は持ちますので、疑問への答えをしっかり書いておく必要があります。

 

販売個数が増える、単価が上がる理由として、広告宣伝やマーケティング、リピータ獲得策・顧客単価アップ策、商品・サービスの追加・改良予定(それに伴う単価アップ)など、色々な理由があるはずです。

 

一口に広告宣伝や顧客単価アップ策と言っても、各年度で内容を変化させることもあるでしょう。

 

そのような各種施策や年度ごとの施策の変化も説明し、各年度の売上高、売上の伸び具合に説得力を持たせてください。

 

★①と②は表でまとめるとわかりやすいです

①と②は下記のような表でまとめるとわかりやすいです。

売上高算出の根拠パターンA

売上高算出の根拠パターンB

みなさまの業種や業態、どのような売上構成なのかを考慮し、項目を調整して上手くまとめましょう。

 

*上記のパターンAでは、表外で「②基準年度から5年目で売上が増えていく理由」を説明しておくと良いです。

 

「なんとなく1億円くらい」「3億円くらいになるはずだ」という計画では、審査員にも納得してもらえません。表も活用しながら、売上高の構成や各年度で行う施策を丁寧に記載しておきしましょう。
佐藤絵梨子

 

付加価値額の算出根拠の書き方

事業再構築補助金 付加価値額の算出根拠の書き方

売上高の算出根拠を説明したら、付加価値額の算出根拠についても記載をしておきましょう。

 

事業再構築補助金の付加価値額は下記の足し算です。

付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

 

営業利益、人件費、減価償却費それぞれについて説明しておきましょう。

 

1つずつ記載しておくと良い内容をお伝えします。

 

(1)営業利益

売上原価や粗利率、販管費の内訳を説明しておきましょう。

 

例えば、下記のような説明をしておくと良いです

 

記載例

  • 売上原価には●●●と△△△が含まれ、原価率は約30%、粗利率は約70%の想定で算出した
  • 1年目〜5年目の販管費には家賃●●●万円、水道光熱費●●●万円、交通費●●●万を計上。基準年度はこの年間経費3ヶ月分に加え、広告宣伝費●●●万円を一括で計上した
あくまでも簡単な記載例です。みなさまの会社の状況に合わせて詳しく記載してください

 

(2)人件費

人件費の説明では、基準年度から5年目までの正社員、パート・アルバイト別の給与、人員数を記載しておきましょう。

 

昇給の予定がある場合は、その内容も記載しておくと良いです。

 

下記のような表でまとめるのもわかりやすいですね。

 

(3)減価償却費

償却方法(定額法/定率法)、償却年数、各年度の償却額を記載しておきましょう。

 

既存事業の減価償却費がある場合には、その金額についても説明が必要です。

 

記載例

既存事業の減価償却費には各年度●●●円を計上。新規事業の減価償却は建物●●●円を△年の定額 法で算出。基準年度は使用開始から3ヶ月分の●●●円を計上。以後は毎年●●●円ずつ償却する計画。

あくまでも簡単な記載例です。みなさまの会社の状況に合わせて詳しく記載してください

 

本日のまとめ・参考図表のダウンロード

本日のブログでは、事業再構築補助金の「4.収益計画」に記載する6項目の書き方のポイントをお伝えしました。

 

事業再構築補助金の事業計画書は「必要に応じて図表や写真等を用いて具体的に記載すること」も求められています。

 

今回ご紹介した図や表を上手くアレンジして取り入れてみてください。

 

本日の記事でご紹介した参考図表はこちらダウンロードできます。

 

参考図表のダウンロードはこちら

 

繰り返しになりますが、みなさまがせっかく良い事業計画を立てていても、事業計画書の書き方がマズければ計画の良さは正しく伝わりません。

 

事業再構築補助金の書き方については下記の記事も公開しています。

 

事業再構築補助金の書き方については下記の記事も公開しています。必要であればお読みくださいね。

 

事業再構築補助金の書き方の記事

書き方の記事は随時アップしていきますね。

 

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