このような要望にお応えします。
すぐできる対策や早期対策のメリットを解説しています。
「まだまだ先のことだし」
と言っているうちに窮地に追い込まれる事業者様は少なくはありません。
一方で「後継者問題は問題ない」という事業者様も存在します。
そのような”上手くいっている事業者様の特徴”もお伝えしています。
いずれ来る事業承継のタイミングで悩みたくない経営者様は必読です。
3分ほどで読める記事です。
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
よくある後継者問題の実態
いざ事業承継という場面で社長が悩むケースには次のようなものがあります。
- 息子、娘が継いでくれない
- 後継者を探す方法がわからない
- 会社の経営状態が悪くて誰も継ぎたがらない
- 事業承継までの時間が足りない
息子・娘が継いでくれず、途方に暮れてしまう社長様はよくお見かけしますね。
その場合に多いのが、社内の従業員や外部招聘など、後継者を探す第3の方法をご存知ない方です。
候補をあたっているけれど、経営状態が悪くて断られ続けているというお話もよく耳にするものです。
ギリギリまで何もできず、気がつけば手遅れになっていた、という社長様も少なくはありません。
このようにならないためのポイントを順にご紹介していきます。
事業承継に最適なタイミング
いつ譲るのか、いつから考えれば良いのか、タイミングがわからない方も多いと思います。
参考になるデータとして、下記の⼤同⽣命保険(株)の調査結果では、4割以上の経営者が65歳から75歳 未満の間に事業承継・廃業を予定しているというデータが発表されています。
会社の行く末について考えるのはそれよりも前ですから、65歳になるまでには事業承継について考えておくことが1つの目安になりそうですね。
譲り受ける側(後継者側)のデータとして、事業を承継して「ちょうど良い時期だった」と答える割合が高かったのは40~49歳というデータもあります。
後継者候補がいるケースや、譲る時期の目安としては、候補者が40歳あたりに達する時期が1つの目安となってくるでしょう。
後継者の選定を始めてから後継者の了承を得るまでにかかった時間として、全体の37.1%の企業が「3年以上かかった」と回答したというデータもあります。
中には5年以上、10年以上かかっている企業もありますので、長期戦を覚悟の上で早めの対策が必要なのは間違いありません。
事業承継には時間がかかる
後継者探し・後継者の決定・株や事業用資産の整理・後継者への資産移転・関係者への相談や調整。
いざ譲るまでにはものすごく時間がかかります。
「そうは言ってもわたしも忙しくて・・・」
という社長様は次のパートを読んでみてください。
みなさまの会社、このままでは危険かもしれません。
【危険!】後継者難倒産の急増
最近、後継者難倒産が増えているのをご存知でしょうか?
(株)東京商工リサーチの調べによれば、2021年(1-12月)の『後継者難』の倒産は381件(前年比2.4%増)。2年連続で前年を上回り、調査を開始した2013年以降で最多件数を更新しています。
出典:(株)東京商工リサーチ「後継者難倒産」件数推移
負債1,000万円以上の倒産(6,030件)に占める構成比は6.3%(前年4.7%)で最も高い水準になっています。
原因としては、社長の平均年齢が年々上昇していることや、それに伴う体調不良や健康問題の増加などが指摘されています。
日々の経営で忙しい経営者の方々は、後継者問題を後回しにしてしまいがちです。
そんな中、コロナで業績が悪化し、あっという間に倒産・廃業に向かってしまった企業も多いのでしょう。
コロナに限らず、この先何が起こるかなんてわかりません。
意図せず廃業とならないためにも、後継者問題には早めに向き合うに越したことはないはずです。
早くから後継者がいるメリット
後継者が早くからいるとメリットも多いです。
例えば、次のようなものがそうですね。
- 安心して経営に専念できる
- 引継ぎや育成に十分な時間がとれる
- 銀行や取引先に安心してもらえる
- 後継者がいると売上高成長率も高い
将来会社が長く続いていくことが確かになれば、安心感が生まれますよね。
実際譲るまでにたっぷり時間があれば、後継者に技術やノウハウを十分に教えることもできます。
後継者を関係者に紹介しておくこともできますよね。
銀行や取引先も後継者がいる会社には安心感を持ってくれますから、関係性も良くなります。
後継者がいる会社の特徴として、後継者と社員が頑張ることで売上成長率が高いというデータもあるんですよ。
早めに後継者がいることのマイナス点を見つける方が難しいです。
事業承継の方法
では、具体的に事業承継にはどのような方法があるのかを見てみましょう。
中堅中小企業を対象としたM&Aを仲介する日本M&Aセンターでは、「誰に承継するか」という視点で次の3つの方法を挙げています。
- 親族内承継
- (親族以外の)役員・従業員等への承継
- 第三者への承継(M&A等)
出典:事業承継とは/承継成功のために
中小企業の場合、①→③の順番で候補者を探す方が多いと思います。
ここでは親族以外の選択肢があることを頭に入れておいてください。
親族がダメだと諦めてしまう方が多いですが、ほかにも方法はあるんです。
【注意!】承継意志の確認はお早めに
ご子息やご息女を後継者にしたいという社長様は多いと思います。
ですが、当のご本人には継ぐ意志がない可能性も十分に考えられます。
親が事業を行っている就業者に『親の事業を継ぐ意思』を聞いた調査では、「後継者は決まっておらず、自分は承継するつもりはない」という回答が49.5%で1番多い結果になっています。
継いでくれると思っているのは社長だけ。息子・娘には継ぐ気が全くないなんてケースも十分に考えられます。
継ぐ意志は早めに確認をして、次の対策を取れるようにしておきましょう。
社外招聘も候補の1つに入れる
と思っている社長がとても多いですが、親族以外に譲るという選択肢もあります。
中小企業庁の調べでは、近年は親族内承継の割合が急減し、従業員や社外の第三者といった親族外承継が6割を超えているというデータもあります。
出典:中小企業庁「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会(第1回)
親族外の事業承継をサポートするサービスもたくさんあります。
次のパートでご紹介しますね。
知っておきたい外部招聘のサポート
最近は事業承継を支援するサービスも増えていますね。
相談のハードルもずいぶん低くなっています。
ここでは事業承継で使えるサービスや相談窓口をいくつかご紹介します。
チェックをして、ご自身の会社に合うものを見つけてみてください。
M&Aのマッチングプラットフォーム
良い売り手・買い手を探すM&Aのマッチングプラットフォームは、軽く検索しただけでもこれだけ出てきます。
登録だけなら無料というものもあるので、上手く活用すると良いですね。
TRANBI
M&ACloud
BATONS
ビズリーチ・サクシード
スピードM&A
国の支援機関
国の相談窓口もあります。
後継者人材バンク(事業承継・引継ぎ支援センター・中小機構)
https://shoukei.smrj.go.jp/human_resources_bank.html
よろず支援拠点(中小機構)
現社長と後継者をつなぐサービス
経営者に立候補したい人と、後継者を探す社長をつなぐサービスもあります。
後継者サーチ
https://www.keieisha.jp/service/es/contact/?opt=ss
後継者募集サイト
インターネットで「後継者募集サイト」で検索すると、後継者募集情報を掲載するサイトも出てきます。
色々なサービスがあるので、みなさんも探してみてください。
取引銀行に相談する方法もあるかと思います。
相談するタイミングが遅いと将来を不安視され、融資の審査が厳しくなる可能性も考えられますので、必ず早いタイミングで相談しましょう。
事業承継を支援する補助金
事業承継にかかる費用が心配という方もいらっしゃると思います。
事業承継・引継ぎ後の設備投資や、販路開拓などの新たな取り組み、事業承継時の専門家活用費用等を支援してくれる補助金もありますので、早めに確認しておきましょう。
事業承継・引継ぎ補助金
J-Net21
補助金・助成金・融資の検索はこちらのサイトが便利です。
https://j-net21.smrj.go.jp/snavi/support/
事業承継で”成功している会社”の特徴
私が多くの会社を調査取材してきた中で見てきた”事業継承が上手くいっている会社”には次のような特徴があります。
- 業績が良い
- 良い取引先がある
- 銀行との関係が良好
- 誇れる強みがある
いわゆる「良い会社」と呼ばれる会社ですね。
このような会社は息子さん、娘さんが自分から進んで会社を継いでいるケースも多いです。
第三者に譲るにしても引く手あまたでしょう。
社長様は後継者を”探す・選ぶ”ことに意識が向きがちです。
でも、そもそも会社の状態が悪ければ、後継者側も継ぎたいとは思ってくれません。
「後継者になりたい」と選ばれる努力も必要だという点が重要なポイントです。
「後継者になりたい」と思ってもらえるかどうかは社長次第
ここまでお読みいただいた社長様の中には、事業承継のためにすでに動いている方も、まだ動くことができずにいる方も、どちらの方もいらっしゃることと思います。
1つ確かなことは、後継者問題は社長様が率先して動かなければ解決しないということ。
黙っていても時間が解決してくれたり、周りの誰かがどうにかしてくれるものではありません。
すぐには問題解決に動く必要がない方も、いざ本格的に動く時のために知識を蓄え、ある程度の道筋を考えておくことは必要です。
そして、いざ後継者問題に向き合った場面で「後継者になりたい」と言ってもらえるような、選ばれる会社になる努力もしておいてくださいね。
会社をどう導くかは社長である皆様次第です。
このブログでも、良いと言われる会社の特徴や、会社が高く評価されるポイントをたくさんご紹介しています。
ぜひ参考になさってくださいね。
みなさまの会社が後継者問題で悩まず、末長く発展なさっていくことを願っています。
本日のブログはここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。