よくこのようなご相談を受けることがあります。
決算書の数字はバッチリなのに
良い会社だと思ってもらえない理由は、
社長が決算書の内容を説明できていないから
かもしれません。
と思っている社長こそ、本日のブログは読んでください。
決算書が苦手だということは、
商談のお相手や銀行から良い会社だと思われていない可能性が高いんです。
本当はとても良い会社なのに、
良い会社に見えなくなっているかもしれません。
3分で読める内容です。
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
決算書の数字はバッチリなのにダメな会社に足りないもの
延べ7,000社の会社を調査し、多くの社長にお会いしていますが、決算書の数字はバッチリなのに、まわりから良い会社だと思われていない会社は、
社長が決算書の内容を説明できないことが多いです。
少し突っ込んだ質問をすると、しどろもどろになってしまう社長、多いですよ。
このままだと、どんなに決算書の数字が良くても、安心して取引ができる会社だとは思ってもらえないです。
決算書の数字を説明できない会社はこう見える
説明できないとこう見える
- 会社の数字をきちんとわかってなさそう
- 現状把握ができていないかも?
- 会社に変化があっても気づかなそう
- 数字をもとに計画を立てられないかも?
ではないんですね。
むしろそこからが本番。社長がしっかり説明できるかどうかの方が重要なんですよ。
決算書は相手に分析してもらうものではなく、自分で説明するもの
どちらも大きな間違いです。
お相手は魔法使いではありません。
決算書を見ただけで、みなさまの会社のことを正しくわかるわけではないんです。
わかるように、きちんと補足で説明してあげる必要があるんですね。
ですが、
決算書が読めないとか、決算書がよくわからないと言っている社長は、この補足説明ができません。
そうなると、お相手からいつまでも良い会社だと思ってもらえないんです。
数字を答えられるだけでは、説明できているとは言いません
説明するというのは、1問1答のことではないです。
売上=〇〇〇〇円
利益=〇〇〇〇円
借入金=〇〇〇〇円
このように数字が答えられることを
決算書が説明できるとは言わないんです。
そもそも、これならお相手も決算書を見ればわかりますよね?
経営者のみなさまが説明しなければならないのは、数字の裏側です。
『決算書で説明するべきこと』とは?
なぜその数字になったのか
を相手に理解してもらえるように伝えることです。
どうしてその売上になったのか
なぜ今回はこの利益になったのか
借入が増えた(減った)理由
など、
どれも決算書の数字を見ただけでは
正しい理由がわかりません。
取引先や銀行など、
お相手が気になるだろうところを
事前に準備をして、
サラッと説明してあげるんです。
「なるほどな」と思ってもらえるかどうかは、経営者のみなさまの腕の見せ所ですよ。
決算書の内容を説明できるだけで信頼感はアップする
たくさんの経営者の方にお会いして感じることですが、
中小企業の社長は決算書がとにかく苦手です。
苦手だからと言って、
”自分の会社の数字すらきちんと見ていない”
という方もとても多いです。
恐らく、このような方もいらっしゃいますよね?
でも、大丈夫です。
だからこそチャンスなんです。
ほかの社長が自分の会社の数字をわかっていない中で、数字をしっかり把握している社長は“良さそう”に見えます。
ほかの社長が上手く決算を説明できない中で、さらっとわかりやすく説明できる社長は、たったそれだけで、
「お!いいじゃない!」
と思ってもらえるんです。
わたしもたくさんの中小企業経営者にお会いしますが、
「あ、この社長はきちんと会社の数字をわかってるな」
と感じるだけで、
その社長への印象はぐっと良くなります。
それくらい、数字をしっかり把握し、説明できる中小企業の社長って少ないんです。
説明に必要なのは、難しい知識ではありません
このような声はよく聞きますね。
なにも、税理士や会計士並みの知識が必要だとか、高度な財務分析ができなければいけないわけではないんです。
『どうしてその数字になったの?』
を説明できればいいんです。
決算書が苦手な社長にまず試して欲しいことを3ステップでお伝えしますね。
step
1よく質問されること・話題になることを思い出そう
とりあえず決算書は横に置いておきましょう。
まずやるのは、
- 商談で営業マンからさりげなく聞かれること
- 銀行で毎回質問されること
- 信用調査会社がいつも質問してくるところ
を思い出すことです。
「いつもこれを聞かれるな」
「この話題がよく出るな」
というものがあると思います。
そこを上手く説明できるようになれば、
お相手からの信頼はぐっとアップします。
どのようなことが思い当たりますか?
- 売上の増減についてでしょうか?
- 利益が増えた理由でしょうか?
- 利益はどの利益のことですか?
- 売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益・・・利益には種類がありますよね?どれでしょうか?
- 売掛金の増減や中身のことでしょうか?
- 最近の借入残高の推移のことでしょうか?
色々ありますよね?
どれも普段から決算書を見ていないと、
数字や残高がいくらなのか
最近増えているのか・減っているのか
すらもわからないはずです。
まずは、よく質問されるもの・話題に登場するものをしっかり思い出してください。
step
2まずは決算書を見てきちんと数字を把握しよう
ようやく決算書の登場です。
今回はまず、
- 貸借対象表
- 損益計算書
の2つを用意して、ステップ1で思い出した項目の数字を確認してみましょう。
数字をチェックする時のポイント
『直近3年分の数字を比べてみること』
がポイントです。
ここはちょっとだけ手間をかけましょうね。
決算書は1期分だけでなく、3期分チェックしてください。
ステップ1で思い出した項目が、
ここ3年で
- 増えているのか
- 減っているのか
- 横ばいなのか
を確認すると良いですよ。
取引先や銀行は、数字が増えたり、減ったりしている理由を知りたがります。
社長ご自身も、自分の会社の数字が増えているのか・減っているのかしっかりと確認しておきましょう。
日頃から決算書を見ていない方は、
という思い違いもあるはずです。
せっかくの機会なので、今のうちにじっくりと決算書を眺めて、正確な数字を知っておきましょうね。
step
3理由を考える もしくは わかる人に聞いてみよう
さて、数字がわかったら、その数字になった理由を考えましょう。
売上や利益が増えたのはなぜですか?
売掛金や借入金が増えた理由は何だったのでしょうか?
という方は、
決算書に詳しい経理の方や税理士さんに質問してください。
「取引先に売上のことをよく聞かれるんだけど、最近売上が増えている理由をどう説明したらいいかな?」
「うちの利益がここ最近増えた理由ってどうやって説明したらいいだろう?特にこの経常利益が最近増えているのは何でなのかな?」
「うちの売掛金って何でこんなに増えたんだろう?」
このように聞いて、疑問を解消してくださいね。
ちなみにですが、
税理士さんがいる会社であれば、いつもみなさんに決算の内容を丁寧に説明してくれているはずです。
いつもその説明をきちんと聞いていますか?
「何だか難しい話だな〜」なんて聞き流していませんか?
税理士の方の説明は、取引先や銀行に決算を説明する時にものすごく参考になるものです。
難しいなんて決めつけずに、これからはきちんと聞いておいてくださいね。
せっかく決算の数字が良いのに、みなさまの説明が悪くてお相手からの信頼をつかめないのは、とてももったいないことです。
決算書が苦手な方も、どうせならば、ずっと苦手意識を持つのではなく、少し根性を入れて頑張ってみてください。
そして、お相手から信頼をどんどん獲得していってくださいね。
本日のブログはここまでです。
最後までお読み頂きありがとうございました。