先日、補助金申請のご相談をいただいていた社長から、無事に補助金が振り込まれた、と連絡をいただきました。
振り返ってみると、申請から入金まで、かかった日数は498日。月数にして約16.4ヶ月。長い道のりでした。
実は社長は、申請しても採択されない、苦い経験をされてきた方です。
そんな社長が、どのようにして様々な補助金を思い通りに取れるようになったのか、本日は、その舞台裏をお話しします。
なぜ素晴らしい計画なのに不採択が続くのか?

社長は、私がサポートさせていただく前は、本当に苦労されていました。
最初にご自身でものづくり補助金を申請して不採択。次は士業の方に頼んで再挑戦したものの、それも不採択。
それでも諦めきれず、コロナ禍で始まったばかりの事業再構築補助金にご自身でチャレンジされたのですが、やっぱりダメでした。
「もう何がダメなのか、全然わからない」
そう連絡をくださったのが、最初のご縁でした。
断るつもりだったのに、事業計画書を見て、二つ返事で引き受けた理由

正直なところ、最初にお話をうかがったときはかなり身構えました。
申請締め切りまでの日数も残り少ないですし、何度も不採択になっているとなれば、計画内容そのものから大幅に見直しが必要なのかもしれない…。そう思ったのです。
「これはお断りするしかないかもしれないな…」と思いながら、「取り急ぎ、ご自身で作られた事業計画書を見せてもらえますか?」とお伝えして、届いた書類を開きました。
そして、もう本当に驚いたんです。
事業計画書に書かれていたのは、会社が持つ高い技術を応用した、素晴らしい新サービスの計画でした。
「このサービスが世に出たら、きっとたくさんのお客様が救われる。画期的だし、本当にすごい」と、読んでいてワクワクしましたし、「この計画は絶対に実現されるべきだ」と心から思いました。
でも同時に、「この書き方では、その良さが全く伝わらない」と、心の底から勿体なく感じたのです。
見込みや技術は最高なのに、完全に伝え方で損をしている。
そう分かった瞬間、断るつもりだった気持ちはどこかへ吹き飛んで、「やりましょう!」と二つ返事でお引き受けしていました。
深夜の電話、新幹線ホームでの鬼指導、そして2,000万円獲得へ

そこからは、今につながる私の鬼指導が始まりです(笑)
とにかく締め切りまで時間がなかったので、ほぼ毎日電話やメールで怒涛のやり取りをしました。
深夜に2〜3時間かけてじっくり話し合ったこともありますし、社長がご出張中で「今、新幹線を降りたホームです」と電話をくださったこともありました。
社長の場合、ご自身がシステム開発の専門家でもありましたので、開発者目線で、新サービスに必要となるシステムの機能・性能、開発過程の説明をボリューム満点に記載していました。
そして、その記載のうち、かなりの文章を思い切って削ったのです。
代わりに、このサービスがいかに社会に役立つか、社長とも真剣に考え直して言語化し、その内容を追加していきました。
その過程で、社長からも、「それならもう少しこんな販路でも売っていきたい」という実に頼もしいアイデアまで生まれ、新サービスが生み出す販路や収益数値の広がりを、より一層感じられる文章に変えていきました。
社長が語りたいことではなく、審査員にこの事業の凄さと価値がちゃんと伝わる視点へと、整え直す作業をひたすら続けたのです。
そうして全力を尽くして提出した事業再構築補助金が無事に採択されたとき、社長は「本当に嘘みたいだ…」と信じられないご様子でした。
採択されていた、とご報告いただいた電話先で、しばらく放心状態になっていましたね。
補助金を申請し始めてから実に3年。今振り返っても、初めての採択は、それはもう本当に嬉しかったそうです。
その後、最後まで丁寧に手続きを進め、最終的には2,000万円という資金を獲得されました。
一度コツをつかんだ社長の快進撃

一度、審査員が求めている視点に合わせて伝えるというコツを掴んでから、社長快進撃が始まりました。
あれだけ自分で書いてもプロに頼んでも不採択続きだったのが嘘のように、視点と伝え方を変えたことで、次々と補助金を獲得できるようになったのです。
そして、2025年から新しく募集が始まった中小企業省力化投資補助金(一般型)にも挑戦されることになりました。
応募したのは、第1回公募。まだ前例がない初回募集は、専門家も申請する企業も、どう書けば採択されるのか、正直手探りです。
それでも、社長は、見事一発で採択をつかみ取りました。
そして、つい先日、冒頭でもお伝えしたとおり補助金が振り込まれたのです。
金額は750万円。従業員5名以下のこの会社が受け取れる最高額が振り込まれました。
採択されて終わりではない。事業計画書の審査は5年先まで続く

さて、多くの方が、補助金で採択されると一安心しますし、そこで終わりだと思いがちですが、実際は違います。
採択された後にも交付申請と呼ばれる手続きがあったり、事業が終わった後には実績報告という手続きもあります。
さらに、補助金が振り込まれた後も、3年から5年の間、状況を報告しなければなりません。
その各手続きを行っている間、「最初に提出した事業計画書通りに進んでいるか」という視点で、ずっと審査を受け続けるのです。
社長の場合も、今回の中小企業省力化補助金では、最初の申請から実際にお金が口座に入金されるまでを振り返ってみると、実に498日(約16.4ヶ月)もかかり、その間、ずっと審査を受けてきました。
さらに、これから5年間にわたって毎年、状況報告を行い、そのチェックもされるのです。
何年にもわたって書類の確認や手続きのやり取りが発生し、そのたびに事業計画書の内容を確認して、状況確認や報告内容を考えていくことになるでしょう。
ここで手続きを踏み外したり書類に不備があったり、当初の計画と異なる事態が発生すると、せっかく採択された補助金が受け取れなくなったり、受け取った補助金の返還を求められることすらあります。
今回498日目にして、無事に補助金が振り込まれたと連絡をいただいたときは、私も、最初の採択の瞬間以上にホッとしましたし、本当に感無量でした。
ですが、同時に、報告が終わる数年先まで、本当に気が抜けないなと、気を引き締めたところです。
事業計画書はこのような先々の報告まで見据えて、しっかり作り込まなければなりません。
企業は情報の出し方が命

補助金の申請から、実際にお金が口座に入るまでの道のりは、本当に長くて大変です。
でも、それ以上に、手元にお資金を持っておける安心感や喜びはひとしおだと、補助金を獲得した社長は、皆さんそうおっしゃいます。
社長の補助金申請をお手伝いさせていただく中で、本当に素晴らしい技術や計画を持っている会社が、事業計画書作成の壁だけで諦めてしまったり、その書き方で不採択になるのは本当にもったいないと改めて強く感じました。
自社が高く評価されるポイントを知り、理解されるように伝える。
それだけで、ご自身で書いてもプロに頼んでも不採択だった状態から、一発採択の常連になり、2,000万円や750万円という多額の資金を思うままに獲得することができるのです。
もし今、何度申請しても不採択になってしまう。自社の事業計画書のどこが悪いのか分からない。と悩んでいる方がいたら、ぜひ一度「どうすれば伝えれば評価されるか」という視点を見直してほしいと思います。
社長が申請した中小企業省力化投資補助金を申請しようとしている方には、採択された事業計画書のサンプル記入例や7つのチェックリストも無料配布しています。
書く内容で悩む時間をなくし、スムーズに事業計画書を完成させるために、うまく活用してください。
次はこのブログをお読みいただいている皆さまが、補助金で採択され、事業を成⾧させていかれることを心から応援しています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
会社信用ドットコム代表
佐藤絵梨子
この記事を書いている私のプロフィール
佐藤絵梨子(さとうえりこ)
会社信用ドットコム代表・会社信用クリエイター
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
<メディア掲載情報>
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