このような疑問を解消します。
この記事を書いている私は、事業再構築補助金の支援で100件以上の事業計画書の書き方を指導してきた実績があります。
企業信用調査会社で延べ7,000社以上の企業レポートを作成してしてきた元・調査員でもありますので、会社概要や事業内容を正しく伝えるコツも熟知しています。
将来の展望では、再構築で行う新規事業の見通しを説明します。
新規事業が素晴らしさを盛大にアピールできるパートですよ。
事業計画書の書き方のコツを押さえて、サクッと事業再構築補助金の採択をつかみ取りましょう。
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。同社退職後、審査の突破で売上・資金を勝ち取るサービスを展開中。▶︎ご支援事例はこちら
*経済産業省が認定する経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)です。
▶︎事業再構築補助金のご支援実績
- 累計100件以上の事業計画書を添削
- 申請サポートで累計14件採択
- 申請サポートの累計採択金額2億2,300万円
*第1回〜10回(2021年3月〜2023年8月)の集計
*申請サポート:申請準備〜採択までのご支援
この記事で解説する事業計画書の目次
事業計画書の目次は以下の通り。この記事では「収益計画」の6項目の書き方を解説します。
事業計画書の目次(コピーOK)
1:補助事業の具体的取組内容
(1)事業再構築要件について(*1)
(2)現在の事業内容
(3)SWOT分析
(4)事業環境
(5)事業再構築の必要性
(6)事業再構築の具体的な内容
(7)既存事業の縮小・廃止・省人化について(該当者のみ記載)
2:将来の展望
(1)ユーザーと想定顧客ニーズ
(2)マーケット及び市場規模
(3)競合との差別化
(4)既存事業とのシナジー効果
(5)想定される課題・リスクとその解決策
(6)その他(審査項目の政策点の項目など)
3:本事業で取得する主な資産
4:収益計画
(1)実施体制
(2)実施スケジュール
(3)事業化の見込み・目標時期
(4)資金調達計画
(5)収益計画
(6)売上高の算出根拠
(7)付加価値額の算出根拠
【重要】
↓失敗しないために必ず確認↓
■見出しの項目・順番について
読みやすさや流れを考えて、公募要領に記載されている「記載すべきこと・審査項目」とは順番や内容を入れ替えています。必ず上記の目次にする必要はありません。貴社の計画にあわせて項目を追加したり、順番を変えるなど工夫してください。
■申請枠等によって記載項目が異なります
上記の目次・見出しはどの申請枠でも記載すべき項目です。申請枠によっては追加で記載が必要な項目もあります。必ず公募要領で貴社が申請する枠の情報をご確認ください。
事業計画書に記載する内容・審査項目
事業計画書を書き始める前に、事業再構築補助金の事業計画書に記載する内容と審査項目を確認しておきましょう。
第11回の公募要領ではP46〜48「10.事業計画作成における注意事項」に掲載されています。
記載項目・審査項目はココをチェック
▶︎10.事業計画作成における注意事項
(第11回公募要領 P46〜48)
*ページ数はPDF下に表記されているページ数
▶︎審査項目・加点項目
(第11回公募要領 P49〜54)
*ページ数はPDF下に表記されているページ数
記載すべき項目の注意点を簡単にまとめます。
事業計画書に記載すべき項目の注意点
- 事業計画書はA4サイズで計15ページ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)推奨
- 1ページ目に記載する内容・記載ルールが決められている
- 2ページ目以降についても記載すべき項目が示されている
1つずつ簡単に補足します。
ページ数
事業計画書はA4サイズで計15ペー ジ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)が推奨されています。
ページ数で採択・不採択が決まるわけではありませんが、大半の事業者は枚数内で作成していますので、枚数内に収めるのが賢明です。
1ページ目の記載内容
1ページ目に記載する内容は決められています。
具体的な書き方は以下の記事で解説しています。必要であればお読みください。
事業再構築補助金の事業計画書の書き方を知りたい方向けの記事。「補助事業の具体的取組内容」のパートで記載する7項目の書き方を解説しています。 続きを見る事業再構築補助金の「補助事業の具体的取組内容」の書き
2ページ以降の記載内容
2ページ目以降についても、記載すべき項目が示されています。記載していない場合は不採択になりますので、注意しましょう。
将来の展望の書き方
それでは、将来の展望に記載する6項目の書き方を解説します。
1つずつ書き方のポイントをお伝えしますね。
(1)ユーザーと想定顧客ニーズ
ユーザー(ターゲット層)と想定顧客ニーズでは、以下の2点を記載しておきましょう。
ユーザーと想定顧客ニーズに記載すること
- 新規事業のユーザー(ターゲット層)
- どれだけの数のターゲットが存在するのか
1つずつ解説します。
新規事業のユーザー(ターゲット層)
ターゲット層は具体的に説明することがポイントです。「一般個人」「法人」のようなサラッとした記載ではダメですよ。
以下のような切り口で詳しく記載しておくと良いでしょう。
ユーザー(ターゲット層)を詳しく記載する切り口
ユーザーが一般個人の場合 | ユーザーが法人の場合 |
・顧客が存在するエリア ・性別 ・年齢層 ・職業 ・家族構成 ・抱えている悩みや課題 ・製品、サービスに対するニーズ | ・顧客が存在するエリア ・業界、業種 ・売上規模 ・ユーザーの顧客数 ・抱えている悩みや課題 ・製品、サービスに対するニーズ |
新規事業では、顧客のニーズに向けて新製品・サービスを提供していくはずです。「製品・サービスに対するニーズ」は必ず記載しておきましょう。
「抱えている悩みや課題」「製品・サービスへのニーズ」は”お客様の声”だと思って記載すると良いですね。
ターゲット層はどれだけの数存在するのか
ターゲット層がどれだけ存在するのかを具体的な数字で説明しましょう。
例えば、周辺の住民をターゲットにする飲食店なら、周辺エリアの人口推移のデータなどから、どれだけの数のターゲット層が存在するかを算出できるはずです。
「それだけの数のターゲット層が存在するのなら、確実に顧客を獲得して、新規事業を成功させるだろう」と審査員に思ってもらえるように記載してくださいね。

(2)マーケット及び市場規模
新規事業で進出するマーケット・市場規模について説明する項目です。
以下の内容を記載して詳しく説明しましょう。
「マーケット及び市場規模」で説明にすること
- そもそも新規事業の市場はどこなのか
→新規事業が飲食店経営であれば「外食市場」など - どれくらいの市場規模なのか
→市場規模●●●億円など - 市場は近年どのように推移しているのか・トレンド
→市場は右肩上がりで推移・●●●が求められる傾向にあるなど - 将来どのような推移が見込まれるか・将来のトレンド予測
→市場はこれからも拡大予想・●●●のニーズが高まりそうなど
あなたが新規事業への参入を決めたのは、
その新規事業に一定のニーズと市場規模があり、将来伸びていく(安定した推移が見込まれる)市場だと感じたから
だと思います。
審査員にも、今後伸びていく良い市場であることをしっかり伝えてください。
説得力を持たせるために、グラフやデータ、数字も入れましょう。
公募要領では、市場動向等を簡易に把握できる統計分析ツールも紹介されています。上手く活用しましょう。
公募要領で紹介されている統計分析ツール
文章の締めは、「この市場なら新規事業は上手くいく」というニュアンスのまとめにすると良いでしょう。
(3)競合との差別化
新規事業の製品・サービスが、競合他社と比べて「価格面」「性能面」で優れていることを記載しましょう。
競合との差別化では、以下のポイントが審査されることを意識してください。
競合との差別化の審査ポイント
ターゲットとするマーケットにおける競合他社の状況を把握し、競合他社の製品・サー ビスを分析し、自社の優位性が確保できる計画となっているか。特に、価格・性能面で の競争を回避し継続的に売上・利益が確保できるような差別化戦略が構築できているか
「価格」は具体的な数字を入れて説明しましょう。「性能」も”どのような性能が優れているか”を具体的に記載します。
「我が社はここが良いと思う」「収益性はある」という主観ではなく、「他社は●●●だけど、我が社は▲▲▲」というように客観的な事実をもとに競合他社と比較することがポイントです。

▶︎(記入例)私は以下の表でまとめることが多いです

会社信用ドットコムにて作成
具体的な競合の社名(A社・B社など)を記載して比較すると良いですね。
下記のような表で差別化のポイントをまとめるのも良いと思います。

会社信用ドッドコムにて作成
他社より優れているポイントを説明できれば、新規事業が市場で勝ち抜けることや、稼げる(収益性がある)ことが伝わります。丁寧に記載しましょう。
▶︎「競合は存在しない」と思っている方へ
よほど革新的な事業でもない限り、競合が存在しない事業はありません。
完全に同一の製品・サービスを提供する競合はなくても、類似事業や代わりとなる事業(貴社の製品・サービスがなくても他で代用できるもの)が存在しているはずです。
安易に「競合は存在しない」と記載すれば、競合分析不足と思われるでしょう。
競合をしっかり調べ、自社が競合よりも上回っている点を審査員に明確に伝えてください。
(4)既存事業とのシナジー効果
シナジー効果とは、
「新規事業を行うことで既存事業の売上も伸びる」
「新規事業を行うことで既存事業にお客様を誘導できる」
のように、新規事業と既存事業でお互いに良い効果(相乗効果)が生まれることです。
例えば、既存事業「日本料理店」、新規事業「そば・うどん店」の場合、
新規事業の店舗に来店したお客様が、既存店舗にも興味を持ち、来店する可能性が期待できる
などのシナジー効果が考えられますし、
既存事業「出版業」、新規事業「オンライン通信教育事業」の場合、
オンライン通信教育を受けた受講生が、講師の出版物・書籍を購入し、既存事業の売上が上がることが期待される
などのシナジー効果が考えられます。
シナジー効果があれば、新規事業と既存事業どちらの発展も期待できます。再構築が効果的な取り組みであることのアピールにもなりますね。
(5)想定される課題・リスクとその解決策
新規事業にどのような課題・リスクがあるか洗い出し、その課題・リスクへの対処策を記載しましょう。
必ず「課題・リスク」「その解決策」をセットで書いてください。
「課題・リスク」は、「事業化までにクリアしておくこと」「将来起こるかもしれない事態」と考えるとわかりやすいです。
対処法は「その対処法なら安心だ」「それだけ備えていれば大丈夫だろう」という納得感があるものでなければなりません。
補助期間(補助金経費の対象になる期間)の課題・リスクだけでなく、補助期間を終えた後の「将来(1年目〜5年目)起こると考えられる課題・リスクと対処法」も記載しておくことがポイントです。
▶︎(記入例)私は以下の表でまとめることが多いです

会社信用ドットコムにて作成
(6)その他項目
ここは該当者のみ記載が必要です。公募要領の「審査項目の(4)政策点」に記載されている項目や、応募する枠によって記載が必要な内容をここでまとめて記載しておきましょう。
「審査項目の(4)政策点」は以下のとおりです(第11回公募要領より抜粋)。
審査項目(4)政策点
1 | ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見 込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すこと に資するか。 |
2 | 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の 活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。 |
3 | 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有 50 効な投資内容となっているか。 |
4 | ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格 な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を 有しているか。 |
5 | 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果 を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む) を牽引する事業となることが期待できるか。 |
6 | 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供 するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組 むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学 等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。 また、事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できるか。 |
応募する枠や加点を希望する方などは、独自の必須記載項目があります。必ず公募要領(第11回の公募要領ではP46〜48)を確認しましょう
▶︎ワンポイント・アドバイス
不採択になってしまった事業者様からお話を伺うと、「先端的なデジタル技術の活用」と「地域貢献」が明確に記載されていない点をマイナスポイントとして指摘されているケースが多いです(*)
*事業再構築補助金で不採択になった場合、事務局に電話で問い合わせると不採択コメントを教えてもらえます
「先端的なデジタル技術の活用」と「地域貢献」については、他の見出しで記載をしていたとしても、この欄であらためて念押しとして記載しておくと良いでしょう。
「2:将来の展望」に記載する6項目の書き方を解説しました。
補助金の審査を突破するには、投資計画の良さを正しく伝える事業計画書が必要です(※良い計画をお持ちであることは大前提です!)。
書き方と審査のポイントを押さえて、貴社が納得できる良い事業計画書を作成してくださいね。
事業計画の良さを正しく伝えるサポートが必要な方は、こちらからご相談ください。
貴社が補助金に採択され、今後ますます発展されることを心からお祈りしています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
事業再構築補助金の審査を突破する3つのプログラム
事業再構築補助金の審査を突破する3つのプログラムをご用意しました。
- 不採択から抜け出したい
- 真剣に将来計画を考えたい
- 補助金をきっかけに資金繰りを改善したい
そんな想いも、会社信用ドットコムのプログラムなら叶います。
- 延べ7,000社以上を調査取材した元・調査員の経験
- 補助金の事業計画書の書き方指導で150件以上の実績
以上で蓄積したノウハウを詰め込んだ充実のプログラムです。
すべてに代表の佐藤が対応。全国対応や初回無料相談も受け付けています。
只今ご相談が殺到しておりまして、すぐにご対応できない場合があります。
先着順に対応しておりますので、お急ぎの方はお早めにご相談をお願いします。
本気の社長様からのご相談を心よりお待ちしております。
-
事業再構築補助金の審査突破サポート
事業再構築補助金の審査突破を3つの強力なプログラムでサポートします。申請準備から交付申請まで対応。認定支援機関。全国対応。初回無料相談を受付中。
続きを見る
事業再構築補助金の書き方の記事一覧
下記の事業再構築補助金の書き方の記事も公開しています。必要であればお読みください。
事業再構築補助金の書き方の記事一覧