このような疑問にお答えします。
ものづくり補助金は、機械設備やシステム等の設備投資を支援してくれる補助金です。
人気のある補助金ですが、審査があり、誰でも採択される訳ではありません。
・どんな設備投資が採択されやすいか知りたい
・採択可能性があるなら補助金申請を検討する
そのようにお考えの方もいらっしゃることでしょう。
そこで、本記事では、ものづくり補助金で採択されやすい設備投資の特徴をお伝えします。
審査突破のプロが採択可能性を見極める方法も解説しました。
ぜひ最後までお読みください。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金は、中小企業等が行う革新的な製品・サービスの開発、生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援する補助金です。
対象者、対象経費、補助率・補助金額は下記の通り。機械装置・システム構築費をはじめ、幅広い経費が対象になります。
申請枠 | 省力化(オーダーメイド)枠、製品・サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型(DX・GX))、グローバル枠 |
補助対象要件 | ①付加価値額 年平均成長率+3%以上増加 ②給与支給総額 年平均成長率+1.5%以上増加 ③事業場内最低賃金 地域別最低賃金+30円以上 ※申請枠により追加要件あり |
対象経費 | 機械装置・システム費構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用料、原材料費、外注費、知的財産権関連経費、(海外旅費、通訳・翻訳料、広告宣伝・販売促進費)※( )はグローバル市場開拓枠のみ |
補助上限額・補助率 | 1/2・2/3 |
ものづくり補助金の審査の難易度とメリット
ものづくり補助金の採択率は50〜60%ほど。申請者の2社に1社が不採択になる狭き門です。
採択されるには、良い設備投資計画と入念な準備が必要です。
大変そうに思えるかもしれませんが、その分、補助金を獲得するメリットも大きいです。
補助金のメリットは以下の記事でお伝えしています。補助金に挑戦したくなるはずですよ。
補助金獲得のメリットを徹底解説!補助金を取る会社に起こる7つの魔法
補助金のメリットを知りたい方向けの記事。お金をもらえることだけが補助金のメリットではありません。知らないと損する「真のメリット」をお伝えします。
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▶︎補助金を獲得するメリットとは?|補助金を取る会社に起こる7つの魔法
ものづくり補助金の対象にならない設備投資
そもそも、ものづくり補助金の対象ではない設備投資では採択されません。
知らずに申請をして不採択になっているケースも見られます。要確認です。
ただの設備投資
ものづくり補助金は、革新的な製品・サービス開発、または、生産プロセス等の省力化のための設備投資を支援してくれる補助金です。
下記のような設備投資は対象ではありません。
- ただの設備更新・入れ替え
- 大した効果が見込めない設備投資
- 戦略も工夫もない設備投資
「古い設備の更新でどうにかものづくり補助金を取りたい!!」
このようなご相談も多いのですが、残念ながら、ただの入れ替えでは対象になりません。
この後のパートもご覧いただいて、もう少し設備投資の戦略を練ることをおすすめします。
内容がイマイチな設備投資
ものづくり補助金には審査があります。
人気の高い補助金ですから、たくさんの企業が応募をします。
採択されるのは、優れた計画だけです。
「もっと色々工夫できるはず」
「まだまだ改良が必要」
「本当に実現できるのだろうか」
「他社の計画の方が良いな」
このように審査員に思われてしまう設備投資は、採択される可能性は低いでしょう。
補助金に挑戦するのであれば、「より成果を出すにはどうすれば良いか」「もっと工夫はできないか」といった設備投資の効果にも意識を向けることが必要です。
良い設備投資計画を考えることで、貴社にもメリットがあるはずです。
(※競合に勝てる、商品・サービスの価値が高まる、多くのお客様を獲得できるなど)
よくお考えになってくださいね。
対象外事業のための設備投資
公募要領には「補助対象外になる事業」が記載されています。
例えば、以下のようなものです。
- 事業の主たる課題の解決そのものを他者へ外注又は委託する事業
- 試作品等の製造開発の主たる部分を他者に委託し、企画だけを行う事業
- 実質的に労働を伴わない事業
- 専ら資産運用的性格の強い事業
このような事業を行うための設備投資は対象にならないので、注意が必要です。
ものづくり補助金で採択されやすい設備投資
さて、本記事の本題です。
ものづくり補助金で採択されやすい設備投資はどのようなものか。その特徴をお伝えします。
成長感満載の設備投資
事業の成長が期待できる設備投資は、ものづくり補助金で採択されやすいです。
そもそも、ものづくり補助金では設備投資で付加価値額が増加することが求められます。
事業が大きく成長するような設備投資をお考えなのであれば、補助金の申請を検討してみると良いでしょう。
強みあふれる設備投資
自社の強みを活かした設備投資は、ものづくり補助金で採択されやすいです。
強みを活かして経営課題を解決したり、ライバルに差をつけたり、お客様に選ばれる設備投資をお考えなのであれば、補助金採択の可能性は高まります。
地域に貢献する設備投資
地域に貢献している設備投資も、ものづくり補助金で採択されやすいです。
国は地域活性化を重要政策にしていますから、そのために頑張ってくれる企業はぜひとも採択させたいという思惑があります。
以下のような地域貢献のための設備投資は、補助金審査で強力な武器になりますよ。
- 地元産の材料やサービスを活かす
- 地域に人を呼びこむ事業を行う
- 地域産業と連携して事業を展開する
- 地域で新しい雇用を生み出す など
環境の変化を捉えた設備投資
環境の変化をうまく捉えている設備投資も、ものづくり補助金で採択されやすいです。
社会や経済などの取り巻く環境の変化に対応して成長していくであろう
このような期待感を持ってもらいやすいからですね。
ただの設備投資ではなく、戦略を持ってする設備投資という点も高評価になります。
高度な技術を活用する設備投資
高度な技術を活用する設備投資も、ものづくり補助金で採択されやすいです。
- 先端的なデジタル技術
- 環境に配慮した技術
- 生産性や効率性を高める技術
- 経済社会の課題を活用する技術
- 国のイノベーションを牽引する技術
- 新しいビジネスモデルをつくる技術
当てはまるものがあれば、補助金申請でその技術内容と効果をアピールすると強力な武器になりますよ。
ものづくり補助金で採択されやすい設備投資の特徴をまとめます。
ものづくり補助金で採択されやすい設備投資の特徴
- 成長感満載の設備投資
- 強みあふれる設備投資
- 地域に貢献する設備投資
- 環境の変化を捉えた設備投資
- 高度な技術を活用する設備投資
ものづくり補助金では製造業以外も採択される
「ものづくり」と聞くと、製造業だけが対象のように思えますが、製造業以外の業種も対象になります。
ものづくり補助金のウェブサイトで公開されている採択データを見てみると、建設、卸売・小売、情報通信、サービス業でも多くの事業者が採択されていますね。
「製造業ではないから」と諦めることはありません。自信を持って申請しましょう!
小さな会社も採択される!
よく、
うちみたいな小さな会社でも採択されますか?
という質問を受けますが、小さいから採択されないということはありません。
ものづくり補助金は小さな会社でも採択されます。
小さな会社が採択されていることは、以下のデータからもわかります。
従業員5名以下の割合が1番多いですね。
小さい会社だからと諦めるのは時期尚早です。思い切って補助金に挑戦しましょう。
自社の設備投資が採択されるか見極める方法
補助金は申請準備に時間も労力もかかります。
採択可能性が低いなら申請しない。そんな方もいるのではないでしょうか?
事前にある程度、採択可能性を知っておきたいですよね。
そんな方は、ものづくり補助金の採択可能性を見極める方法として、下記の3つを確認しましょう。お役に立つはずです。
- 公募要領の審査項目を確認する
- 採択事例を確認する
- 専門家に相談する
1つずつ補足します。
公募要領の審査項目を確認する
補助金の採択可能性を見極める方法の1つ目は、公募要領の審査項目を確認することです。
公募要領には「このようなポイントを重点的に見ます」という審査項目が公開されています。
つまり、審査項目に当てはまるような投資計画をお考えなのであれば、採択可能性も高いということです。
採択可能性を知りたい方は必ず確認しましょう。
採択事例を確認する
補助金の採択可能性を見極める方法の2つ目は、採択事例を確認することです。
採択事例を見れば、採択されやすい設備投資計画の特徴がわかります。
「ここまでしっかり計画を考えておかなければならない」という採択基準のレベル感も知ることができるでしょう。
採択事例はものづくり補助金の総合サイトに「成功事例」として掲載されています。
専門家に相談する
補助金の採択可能性を見極める方法の3つ目は、専門家に相談することです。
「公募要領を読んだけれど、難しくてよくわからない」
「採択事例を色々見すぎて混乱してきた」
「自社の設備投資と同じ事例がない」
このような方は専門家に相談するのも手です。
信頼できる専門家なら、貴社の設備投資計画の採択可能性を的確に見極めてくれるでしょう。
初回無料相談を受け付けている専門家もいます。うまく活用したいですね。
ものづくり補助金の審査突破の鍵は”見せ方”
補助金の審査を突破するには、計画した設備投資の良さを審査員に理解してもらえるよう、事業計画書でわかりやすく伝えることが重要です。
- 審査員が計画を見るポイント
- あなたの会社が審査員に見せるべきポイント
まずは、この2点をしっかり考えましょう。
そして、理解してもらえるように正しく伝えることが必要です。
「そうは言っても、どうすれば良いかわからない」
そんな社長様はご相談ください。お力になります。
補助金は事業成長の可能性を引き出し、成し遂げたい事業の実現を後押してくれます。
本記事がみなさまの補助金採択のお役に立てれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。