補助金一発採択の必勝法 ものづくり補助金

ものづくり補助金の採択結果と採択率の傾向を解説

ものづくり補助金の採択結果と採択率の傾向を解説|会社信用ドットコム

ものづくり補助金(一般型)の第20回公募採択結果が2025年10月27日に公表されました。

これから申請を検討されている方や、残念ながら不採択となってしまった方も、過去の採択率や傾向が気になっているのではないでしょうか?

本記事では、第1回から第20回公募までの採択結果や採択率、申請者の傾向を解説します。不採択になった場合の見直しポイントもお伝えしていますので、再申請をする方は参考にしてみてください。

本記事はものづくり補助金の第22回公募要領をもとに作成しています。

この記事を書いている私のプロフィール

佐藤絵梨子(さとうえりこ)
会社信用ドットコム代表・会社信用クリエイター

世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。

*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411

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<メディア掲載情報>

SMBCグループの経営層向け会報誌『SMBCマネジメントプラス』2024年12月号
日本実業出版社『企業実務』2024年12月号 など

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第20回公募の採択率は33.6%

ものづくり補助金の第20回公募の採択率は33.6%となりました。

応募件数2,453件に対し、825件が採択されています。

ものづくり補助金の各公募回の採択率

公募回

応募件数

採択件数

採択率

第1回

2,287

1,429

62.5%

第2回

5,721

3,267

57.1%

第3回

6,923

2,637

38.1%

第4回

10,041

3,132

31.2%

第5回

5,139

2,291

44.6%

第6回

4,875

2,326

47.7%

第7回

5,414

2,729

50.4%

第8回

4,584

2,753

60.1%

第9回

3,552

2,223

62.6%

第10回

4,224

2,584

61.2%

第11回

4,668

2,786

59.7%

第12回

3,200

1,885

58.9%

第13回

3,261

1,903

58.4%

第14回

4,865

2,470

50.8%

第15回

5,694

2,861

50.2%

第16回

5,608

2,738

48.8%

第17回

629

185

29.4%

第18回

5,777

2,070

35.8%

第19回

5,336

1,698

31.8%

第20回

2,453

825

33.6%

参考:ものづくり補助金公式サイト採択結果
※小数点第二位以下切り捨て・第4回から13回は一般型のみ集計

近年の傾向として、第7回以降は50%を超える高い採択率が保たれていましたが、第17回以降は30%以下や30%台の低い採択率が続いており、審査の厳格化や競争率の高さがうかがえます。

採択事例の確認や専門家への相談も行い、自社の計画の採択可能性を確認することや、申請戦略を練ることが大切ですね。

 

申請者の業種は「製造業」が最多

申請者の業種は「製造業」が最多|会社信用ドットコム

業種別では「製造業」の申請が最多になっています。採択率も50%を超えて高い水準です。

ものづくり補助金という名称から応募自体も集まりやすく、設備投資もとくに活発なことが申請者数や採択率に影響した可能性があります。

一方で、申請者数は製造業に比べて少ないものの、その他の業種でも採択率は40%~50%台ですので、業種だけが採択率に影響しないこともわかります。

採択事例や公募要領も参考に、自社の計画がものづくり補助金の対象になるか、採択可能性はあるか、申請前によく検討することが大切です。

 

補助金の申請額は「~750万円」が最多

補助金の申請額は「~750万円」が最多|会社信用ドットコム

補助金申請額は「~750万円」が最も多く、採択率では申請額「~1,000万円」が54.4%で最も高くなっています。

750万円以上に申請者が集中しているのは、従業員規模に応じた補助金上限額が影響していると考えられます。

一方で、1,000万円以上の申請者も一定数おり、かつ採択率も高く、大口投資に向けた緻密な計画策定が採択率に影響した可能性がありますね。

重要なのは、投資額そのものではなく、投資金額に見合った効果や実現可能性です。費用対効果や実行体制をしっかり考えて申請に臨みましょう。

 

申請者の規模は「従業員0~5人」が最多

申請者の規模は「従業員0~5人」が最多|会社信用ドットコム

申請者の従業員規模は「従業員0~5人」の小規模事業者が最も多くなっています。

採択率は「従業員0~5人」が他のレンジに比べてやや低いですが、それでも40%の採択率があり、従業員数が少ないことが採択率に大きく影響しないことがわかります。

よく「うちのような小さな会社でもものづくり補助金で採択されるでしょうか?」というご相談をいただきますが、小規模事業者であっても十分に採択の可能性がありますね。

 

加点項目の数は「1個」が最多

加点項目の数は「1個」が最多|会社信用ドットコム

「加点」というのは、何か特別な認定を受けているとか、特別な申請をしているとか、補助金事務局が挙げる条件に当てはまると、審査でプラス評価になり、審査に通りやすくなる仕組みのことです。

ものづくり補助金では、経営革新計画の認定取得や、パートナーシップ構築宣言・DX認定、健康経営優良法人認定など、公募回によってさまざまな加点項目が用意されています。

加点項目の取得状況は「1個」が最も多くなっています。ただし、基本的には、加点の個数が多い方が採択率も高い結果になっています。

補助金申請のご支援現場で見ていると、一発で採択される方はやはり早い段階からいくつも加点の準備を進めています。計画や事業計画書の内容ももちろん重要ですが、審査は他社との競争もありますので、取れる加点はしっかり取れるように準備しましょう。

 

事業計画書の作成時間は「30時間以内」が最多

事業計画書の作成時間は「30時間以内」が最多|会社信用ドットコム

事業計画書作成時間を見ると、「30時間以内」が最も多くなっています。

一方で、2番目は「50時間以内」が多く、3番目に多いのは「120時間以内」で、作成時間にはバラつきが見られます。

また、どの作成時間でも、採択率にはそこまで大きな違いは見られず、重要なのは作成時間ではないことがわかりますね。

作成時間の長短は、計画がしっかり決まっていて、日頃から自社の強みや課題もしっかり整理できている事業者と、計画の細部が決まっておらず、計画書を作成する段階で強みや課題なども考えながら作成していく事業者で差が出ていると考えられます。

専門家のサポートを受けているかどうかも作成時間の長短に影響している可能性がありますね。

ものづくり補助金の事業計画書の作成は、専門家の目で見ても難易度は高いです。

会社信用ドットコムにも、作成時間が100時間を超えてもまだ納得のいく事業計画書が完成しないという事業者様がよくご相談に来られます。

事業計画書の改善点のアドバイスや書き方指導を必要とされる方は、審査突破のプロが添削・書き方を指導します。お一人で悩まず、ぜひ下記からお問い合わせください。

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支援者の関与は「補助金額の10~15%未満」が最多

支援者の関与は「補助金額の10~15%未満」が最多|会社信用ドットコム

申請で支援を活用したか、その報酬割合を見ると、支援者の支援なしで採択された割合が1番多くなっています。

ただし、採択率は支援を受けている申請者の方が高く、「補助金額の5~10%未満」やそれ以上の報酬になると、採択率は50%を超える高水準になっています。

ご自身の力だけで採択されるに越したことはありませんが、専門家のサポートを受けることで採択可能性は高まりますので、上手く活用すると良いですね。

ただし、支援報酬が高すぎると補助金のメリットが薄れますので、適切な報酬水準を見極めることが大切です。10%程度の報酬水準であれば、適正な範囲と言えるでしょう。

専門家を選ぶ際は、報酬だけでなく、実績や専門性も重視して選定することをおすすめします。

 

不採択時には審査項目を踏まえて事業計画書を改善する

残念ながら不採択になってしまった場合も、次回以降の公募で再申請は可能です。

再申請をする際には、審査項目を十分に理解し、審査基準を高いレベルで満たしていることが伝わる事業計画書に改善することを心がけましょう。

主な審査項目(一部抜粋)

1.補助事業の適格性
  • 公募要領に記載の対象者、対象事業、対象要件等を満たしているか
2.経営力
  • 本事業により実現したい経営目標が具体化されているか
  • 会社全体の売上高に対する本事業の売上高が高い水準となることが見込まれるか
3.事業性
  • 本事業により高い付加価値の創出や賃上げを実現する目標値が設定されており、かつその目標値の実現可能性が高い事業計画となっているか
  • 本事業により提供される新製品・新サービスや海外需要開拓の対象となる市場の規模や動向の分析がされているか
4.実現可能性
  • 本事業に必要な技術力を有しているか。当該技術力が競合する他社と比較してより優位な技術力があるか
  • 本事業に必要な社内外の体制や最近の財務状況等から、本事業を適切に遂行できると期待できるか
  • 本事業の事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か
5.政策面
  • 地域の経済成長を牽引する事業になることが期待できるか
  • 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用など特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか
6.大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性 ※大幅賃上げ特例適用申請者のみ
  • 大幅な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか
  • 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか

参考:ものづくり補助金の第22回公募要領

ものづくり補助金では、補助事業の適格性や経営力、事業性、実現可能性、政策面の5つ(該当者は6つ)の観点から事業計画が審査されます。

次回公募に申請する方は、事業計画書の改善時にこれらの審査項目を満たしているか、しっかり記載ができているかを確認しておきましょう。

事業計画書の書き方指導をさせていただいていると、投資効果や実現可能性の記載が甘いケースや、現状や課題・市場や競合の分析が不十分なケース、数値の算出根拠が曖昧なケースがよく見られます。十分注意し、丁寧に記載してください。

なお、不採択の原因として、ものづくり補助金の申請条件を満たせていない可能性も考えられます。審査の観点とあわせて「申請要件」「補助対象経費」「事業内容」などの申請時の条件を満たしているかも、公募要領で確認しておきましょう。

 

審査突破のプロからメッセージ

ものづくり補助金の第20回公募の採択率は33.6%でした。近年は30%台の採択率が続いていて、競争率や難易度が高まっています。

採択率の傾向だけで申請準備や審査突破の難易度を判断することはできませんが、補助金選びや申請戦略の参考にはなると思います。

不採択になり再申請を検討している方は、審査の観点をもとに事業計画書を見直しましょう。申請条件を満たしているかの確認もお忘れなく。

補助金の獲得は資金繰りに余裕を生むだけでなく、事業の発展や継続にもつながります。皆さまが審査を突破し、補助金を勝ち取られることを心から応援しています!


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\第22回の申請受付は2025年12月26日17:00開始/
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