元・調査員が教える!信用調査の真実

信用調査会社に答えるメリット【7つの効果と4つの魔法】

2023年9月9日

信用調査会社に答えるメリット【7つの効果と4つの魔法】|会社信用ドットコム

東京商工リサーチや帝国データバンクなどの信用調査会社の情報は、様々な場面で活用されるものです。

巡り巡って取引や資金繰り、会社経営に大きな影響を及ぼしてきます。

答えるメリットやその波及効果を知らないと、調査対応を誤り、予期せぬ問題も発生しかねません。

本記事では、信用調査会社に答えるメリットや魔法のような波及効果について解説しました。

信用調査会社を通じた取引現場を知る者として、実際よく起こる現象を中心にお伝えしています。

メリットをしっかり理解して、信用調査で最大効果を勝ち取りましょう!

この記事を書いている私のプロフィール

佐藤絵梨子(さとうえりこ)
会社信用ドットコム代表・会社信用クリエイター

世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。

*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411

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<メディア掲載情報>

■SMBCグループの経営層向け会報誌『SMBCマネジメントプラス
「危険な取引先・優良な取引先がわかる 決算数字と信用調査の活用法」

■日本実業出版社『企業実務』
「元調査員が教える!信用調査会社の上手な使い方」
「信用調査会社に会社を高く評価してもらうコツ」 など

メディア掲載情報|会社信用ドットコム

※メディア情報一覧はこちら

信用調査会社の調査とは

信用調査会社の調査とは|会社信用ドットコム

信用調査とは、企業と企業が取引をする際に、取引相手を調べることです。

取引では、様々な問題が発生する可能性があります。例えば、業績悪化や倒産による取引の急な中断、代金未払い、納期遅延の発生など、常にトラブルと隣り合わせですよね。

そのようなトラブルや問題を防いで、安心安全な取引をするために、取引相手のことをよく調べる。それが信用調査です。

その信用調査を専門に行っているのが、信用調査会社ですね。「○○社を調べてほしい」という依頼を受けて、依頼元の企業に代わって調査をしています(下記イメージ図を参照)。

信用調査が入るまでの流れ|会社信用ドットコム

出典:会社信用ドットコムにて作成

国内では、(株)東京商工リサーチ(株)帝国データバンクが二大信用調査として知られています。

信用調査会社の調査は、訪問・電話・調査票の郵送などで行われます。そして、その回答内容と、調査員が独自に集めた情報を総合して企業を評価しています。

 

信用調査会社に答えるメリット

信用調査会社に答えるメリット|会社信用ドットコム

では、信用調査会社の調査に答えるとどのような良いことがあるのでしょうか。調査に答えるメリットをお伝えします。

3・6・7はあまりご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんね。よく確認してみてください。

 

企業評価が良くなる

信用調査会社に答える1つ目のメリットは、企業評価が良くなることです。

信用調査会社は、情報を適切に開示するかという「情報公開性」も評価していますので、調査に答えることでこの公開性の評価が高くなりますね。

さらに、調査に答えれば豊富な情報をもって評価されますから、答えず情報がない“よくわからない”状態よりも、評価は高くなる可能性が高いです。

良い評価を獲得できれば、この後ご紹介するメリットも獲得しやすくなります。

 

新しい取引先を獲得できる

信用調査に答える2つ目のメリットは、新しい取引先を獲得できることです。

信用調査会社に調査を依頼する会社にとって、あなたの会社は取引先(候補)です。調査に答えることで、あなたの会社の状況はしっかり相手にも伝わり、情報公開性の高さも好印象として受け止められます。

彼らのお眼鏡にかなえば、新しい取引の獲得も夢ではありませんね。

 

既存の取引が拡大する

信用調査に答える3つ目のメリットは、既存の取引が拡大することです。

すでに取引がある会社も信用調査会社に依頼をしてあなたの会社を調べることがあります。いわゆる“定期チェック“ですね。経営状況が安定している、良くなっていると判断されれば、取引拡大の可能性が高まるでしょう。

調査に答えないと、相手は状況がわからなくなりますので、取引継続や拡大の判断をしにくくなります。

 

良い企業から取引の声がかかる

信用調査に答える4つ目のメリットは、良い企業から取引の声がかかることです。

信用調査をしてまで取引相手を調べる企業は、取引を真剣に考え、しっかり取引先管理をしようとする“良い会社”であることが多いです。

そのような良い会社が、「どこかいい取引先はないか」と信用調査をしているのですから、調査に答えてしっかり情報を公開すれば、良い会社から取引の声をかけてもらいやすくなります。 

良い会社の方から飛び込んでくる取引のチャンスですね。調査を拒否していると、このような良い取引の機会を逃してしまいます。

 

銀行が味方になる

信用調査に答える5つ目のメリットは、銀行が味方になることです。

銀行も信用調査会社の情報を見ることがあります。調査に答えることで、あなたの会社が良い会社だとわかれば、銀行の見る目も変わってくるでしょう。

融資担当者から声がかかることも増え、審査にも影響が出てくることがあります。

 

ライバルに勝てる

信用調査に答える6つ目のメリットは、ライバルに勝てることです。

信用調査会社に調査を依頼する企業は、複数の候補を調べ、その中から取引先を選ぶことも多いです。その場合、調査をしたそれぞれの会社の情報を比較検討します。

調査に答えて情報がしっかり伝われば、ライバルに勝てる可能性も高まるでしょう。逆に答えなければ、「情報が少ない状態」「よくわからない状態」で比較され、ライバルに見劣りしてしまいます。

 

会社に対する信頼感が高まる

信用調査に答える7つ目のメリットは、会社に対する信頼感が高まることです。

インターネットで大抵のことがわかる時代とはいえ、中小企業の情報入手は簡単ではありません。調査に答えれば、積極的に情報を公開する企業として良い印象を持って受け止められます。

情報を入手することであなたの会社への理解も深まりますので、信頼感が圧倒的は高まります。

 

調査に答える会社に起こる魔法のような波及効果

調査に答える会社に起こる魔法のような波及効果|会社信用ドットコム

信用調査会社の調査に答えている会社には、驚きの波及効果があります。

実際、私のところにご相談に来られる経営者の方の中にも、調査に答えたことで良い効果が出ていますので、いくつかご紹介します。

 

(魔法1)取引の声がかかりやすくなる

信用調査に答えることで、取引の声がかかりやすくなります。

信用調査会社の調査に答えると、あなたの会社の情報は信用調査会社のデータベースに登録されます。そうすると、「取引先を探そう」と信用調査会社に登録されているデータを確認した企業から声がかかりやすくなります。向こうから取引が舞い込んでくるのですね。

信用調査の流れ|会社信用ドットコム

経営状態が良ければ、さらに取引の声がかかりやすくなるでしょう。相手から声がかかるわけですから、自社で新規開拓や営業をするよりも成約確率も高く、販路開拓で困らなくなります。広告のような効果もあります。

取引先を探す際に信用調査会社のデータを確認する企業はとても多いですよ。

 

(魔法2)代理店経由が直接取引になる

信用調査の結果よくあるのが、直接取引ではなく、代理店経由の取引になるケースです。

信用調査に回答しない、または回答しても情報の公開が限定的だと、安心安全な取引ができる会社かよくわからない、直接取引するのは不安だという理由で代理店経由の取引になってしまうのですね。

以前ご相談に来られたT社長は、「取引先の営業担当は直接取引したいと言ってくれているが、審査部から許可が下りず、代理店経由の取引になってしまっている」とのことでした。当初、経営状況にはとくに問題点は見当たらず、その他で代理店経由になってしまうような不安な点もありませんでした。ですが、よくよくお話を聞いてみると、その取引相手が信用調査会社経由で調査を行ったと思われるタイミングで調査を断ってしまっていたことが発覚。慌てて営業担当に頼み込み、審査部でもう一度信用調査をかけてもらい、その調査に答えた後に直接取引を勝ち取られたことがありました。

信用調査への対応は、取引の可否や取引方法にも影響してきますので、心当たりがある方は対応を見直してみてください。

 

(魔法3)大手・上場企業と取引できる

大手企業や上場企業は、取引先の調査や管理をしっかりしています。

以前、信用調査対策でご相談に来られたK社長は「大手との取引の話が進んでいるが、その担当者から、東京商工リサーチや帝国データバンクで調べたらうちの情報登録がなく、おたくは大丈夫かと言われた」とおっしゃっていました。

大手企業や上場企業は、調査に答えない“情報公開性が低い会社”や、状況がつかめない会社とは取引をしないことも多いです。

逆に、きちんと調査に答え、情報を開示しておくことで、実質代表1名の小規模企業や業歴が浅い企業でも大手・上場企業から声がかかり、長く取引をしているケースもあります。

もし大手や上場企業の取引審査がいつも通らない状態なのであれば、信用調査に答えているかも一度見直してみてくださいね。

 

(魔法4)資金繰りで困らない

ここまでお読みいただいた皆さまはもうお分かりかと思いが、信用調査に答えておくと、新しい取引の開始や取引の拡大のチャンスが広がり、良い取引先も増えていきます。

相手は調査をしたことであなたの会社が良い会社だとわかっていますから、取引条件の面でも尊重し、大切にしてくれます。

売上や利益にも困らない、支払遅延や焦付きのような代金回収の不安とも無縁、良い条件で取引もできますので、資金繰りや資金調達の不安からも解放されます。

実際、信用調査に答えるようになったことで、取引状況や資金状況が好転する会社は多いです。資金繰りの改善を目指すなら、取引状況の改善策として信用調査の対応にも目を向けてみてください。

 

元調査員の編集後記

元調査員の編集後記|会社信用ドットコム

信用調査会社の調査というと、根ほり葉ほり情報を聞かれることや、厳しい評価をされることに意識がいってしまい、その調査にどのような効果があるのか実はよくわかっていない経営者の方も多いように思います。

実はそのせいで、良い取引を逃していたり、会社の信頼感を損なっていたり、売上や利益の拡大ができず資金的な不安を抱えている会社も少なくありません。

そのメリットや波及効果をよく理解して、信用調査にどう対応するか、この機会にぜひ考えてみてくださいね。

この記事が少しでもそのお役に立てれば嬉しく思います。

そして、良い取引を獲得していかれることを心から応援しています。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
 
会社信用ドットコム代表 佐藤絵梨子


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