経営者の方であれば、大手企業とのお取引は嬉しいものですよね。
売上の伸びや安定も期待できますし、上手くいけば良い実績としてアピールもできます。
まわりの会社や銀行からの評価も上がって、「うちも取引をしたい!」と声をかけてくれる会社も増えるかもしれません。
一方で、
大手企業とのお取引で経営が悪化したり、最悪の場合、倒産に追い込まれてしまう会社もあります。
さて、前者と後者の違いは何だと思いますか?
本日のブログは、
大手企業と良い取引をするために事前に必ず確認すべきこと
について解説しました。
信用調査会社で延べ7,000社を調査し、現在も経営者の方からご相談を受けながら感じていることですが、
大手企業との取引で経営が悪化する会社は、”とあるものの大切さ”が頭からスッポリ抜けています。
その”とあるもの”とは何なのか。
ブログの最後に簡単な事前チェックリストも載せています。
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
大手企業と良い取引をするために事前に必ず確認すべきこと
結論を先にお伝えすると、
自分の会社のお金は大丈夫なのか
を徹底的に確認することです。
もう少し詳しくお伝えすると、
- その取引で手元にお金は残るのか
- その取引で資金繰りは厳しくならないか
を確認するということですね。
順番に解説します。
『お金』に対する甘い考えが会社をダメにする
大手企業との取引で経営が悪化してしまう会社では、このようなことが起こっています。
本当によく目にする失敗事例
大手企業との取引で経営が悪化してしまう会社は、「大手との取引実績ができる!」ということに気を取られてしまい、
取引条件をしっかり確認しないで取引を始めたり、少しくらい厳しい条件でも頑張ろうとしがちなんです。
その結果、
いざ取引を始めてみたら、
- お金が手元にほどんど残らない
- 資金繰りが厳しい
という状態に陥ってしまうんです。
大手企業と取引できても、会社が存続できなければ意味がない
会社はお金がなくなると潰れます。
業績が悪いとか、借入が多いというような状態は、倒産までの過程に過ぎません。
会社は、資金繰りが厳しくなってきて、とうとう支払いができなくなって倒産するんです。
ですので、
大手企業との取引実績があっても、売上が伸びていても、資金繰りに問題があったら会社は危ないんです。
経営者のみなさまは、会社を続けていくことが1番大事ですよね?
そのためには、お金まわりのことを本当によく考えなければいけないんです。
繰り返しますが、
大手との取引実績<<<<資金繰り
売上<<<<資金繰り
です。
- 手元にお金が残るかどうか
- 資金繰りが厳しくならないかどうか
はこれでもかというくらい、しっかり確認してください。
大手企業と良い取引をするための事前チェックリスト
大手企業と良い取引をするために事前に確認すべきことを、質問形式のチェックリストにしてみました。
大手企業と取引をする前に確認するチェックリスト
- 取引条件をしっかり確認しましたか?
- お金は手元に残りそうですか?
- 資金繰りは厳しくないですか?
ポイント
取引条件はちゃんと確認しましたか?
大手企業とお取引をしたい気持ちは本当によくわかります。
ですが、ご自身の会社の状態を考えずに、「何でもやります!」の姿勢でのぞむのは危険すぎます。
取引を始める前に、取引条件をこれでもかという位しっかり確認して、ご自身の会社にとって厳しいものではないかを見極めてください。
お金は手元に残りそうですか?
資金繰りは本当に大丈夫ですか?
しつこいくらい何度も繰り返しますが、
お金がなくなると会社は潰れます。
「とりあえず売上になればいい」
「とりあえず大手との取引実績が欲しい」
本当にそれで大丈夫ですか?
その判断が会社を潰すことになりませんか?
大切な会社が倒産なんてことにならないためにも、「手元にお金は残るのか」「資金繰りは厳しくならないか」は何度も何度もシュミレーションしてくださいね。
今がダメでもチャンスは必ずめぐってきます
「大手企業との取引実績が欲しいから」
「とにかく売上が欲しいから」
と無理をし過ぎるのは絶対にいけません。
大手企業と取引をしたい気持ちを抑えて、まず一呼吸置いてください。
ほかの何よりも会社を存続させることが優先です。
厳しい条件には「NO!」という勇気を。
条件が折り合わなければ取引から身を引く決断を。
どちらも社長にしかできない重要な判断です。
信用調査会社で延べ7,000社を調査し、その後も社長とお話する機会を頂く中で感じているのは、
「大手との取引実績のために少しキツくても頑張る」
と言っている間に潰れてしまう会社があまりにも多いということです。
いま泣く泣く大手企業との取引を諦めたとしても、チャンスがゼロになる訳ではありません。
みなさまの会社が今よりも良い会社になれば、大手企業の方からもっと良い条件で取引をしたいと声をかけてくれる機会は必ずめぐってきます。
ですが、いま無理に取引をして会社が潰れてしまったら、同じ会社を復活させることは絶対にできないんです。
今はご自身の会社を「安心して取引ができる良い会社」に育て、近い将来に必ず大手企業から良い条件の取引を掴み取ってみせましょう!
本日のブログはここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。