このような疑問にお答えします。
赤字の融資の審査が厳しくなるのは当然です。
銀行もできれば黒字で経営状況の良い会社にお金を貸したいですからね。
では、もう融資は無理なのかというと、そうとも限りません。
経営者のみなさまの努力や、融資審査のポイントを押さえた交渉で、融資を勝ち取れる可能性が残されています。
本記事では、赤字で銀行融資の可能性があるか徹底解説しました。
赤字企業の融資審査のポイントもご紹介しています。
融資交渉の対策をしたい経営者様は必読です。
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
赤字企業の融資獲得は難しい?
赤字企業は簡単には融資をしてもらえません。
黒字の時と同じ感覚で融資交渉をすると、融資担当者の反応の違いに驚くかもしれません。
私のところに相談に来られる経営者様の中にも、銀行の対応が冷たくなってショックを受けている方がいらっしゃいますね(中には怒っている方もいますが)
なぜ赤字だと審査が厳しいのか。次のパートで解説します。
なぜ赤字だと融資が取れないのか?
なぜ赤字だと融資が取れないのか?
ズバリお答えすると、
赤字だと融資を返してもらえない可能性が高いと銀行が考えるからです。
「いやいや、赤字でも返せるよ!」
そう思うかもしれませんが、銀行は企業の利益を以下のように考えています。
利益=返済原資(返済に回せるお金)
利益が少ないと、融資の返済に回せるお金も少ないと考えるのですね。
ですので、できれば黒字で経営状況が良い会社に融資をしたいと思っているのです。
融資をしてもらえる可能性はゼロではありません。次以降のパートで順に解説します。
赤字企業に優しい金融機関
赤字の場合、メガバンクは融資に消極的です。都市銀行も難易度は高めです。
それに比べると、政府系金融機関である日本政策金融金庫などは、融資を検討してくれる可能性が高いでしょう。
普段から親密なお付き合いをしているメインバンクも融資の可能性がありますね。
地元企業の支援を使命としている地方銀行や信用金庫、信用組合なども、赤字企業に対して積極的な支援をしてくれる傾向が強いです。
それぞれの金融機関の特性を考えて、融資の相談をすることをおすすめします。
ココが審査ポイント!融資担当者は赤字企業のどこを見る?
では、銀行の融資担当者は、審査で赤字企業のどこを見るのでしょうか?
以下が主な審査ポイントです。
融資担当者が赤字企業を見るポイント
- 経営の問題点は明らかか
- 効果的な再発防止策があるか
- 安定性や成長可能性はあるか
- 末長く利益が出る体質か
- 返済プランは納得できるものか
- 無理なく実現できる計画か
- 計画の進捗確認の方法は妥当か
- すぐ資金ショートしないか
- 経営者に自覚があるか
この審査ポイントで良い評価をもらえれば、融資可能性があるということですね。
効果的な対策を考えておきましょう。
経営の問題点が明らかか
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの1つ目は、経営の問題点が明らかになっているかです。
銀行は赤字企業に赤字の改善を求めます。
赤字になった根本的な原因がわからなければ、改善もできませんよね。
ですので、銀行は問題点が明らかになっているかを必ず確認してくるのです。
効果的な再発防止策はあるか
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの2つ目は、効果的な再発防止策が立てられているかです。
融資をした後に再び赤字になってしまったら、銀行は困ります。
一時的な改善策ではなく、この先末長く続く改善策かどうかは厳しく確認されますね。
安定性や成長可能性はあるか
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの3つ目は、安定性や成長可能性はあるかです。
業績の安定性や成長可能性を見るのは、再び赤字になる可能性がないか確認するためです。
売上や利益率だけでなく、取引先や取引量などもチェックポイントになるでしょう。
末長く利益が出る体質が
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの4つ目は、末長く利益が出る企業に変化できるかです。
すでにお伝えしたとおり、銀行は
利益=返済原資(返済に回せるお金)
という見方をします。
利益が出なければ、貸したお金を返済してもらえませんので、利益が出る企業になれるかどうかは厳しくチェックされますね。
返済プランは納得できるものか
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの5つ目は、返済プランは納得できるものかです。
経営者が返済のことまで考えているか、実現可能な返済プランか厳しく確認されます。
融資してもらうことだけを考えて、返済のことを考えていない経営者だと、きちんと返済してもらえるか怪しまれてしまいますよ。
無理なく返せる返済プランかどうかもチェックされます。
無理なく実現できる計画か
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの6つ目は、無理なく実現できる計画かです。
どれだけ良い計画でも、実現するのが難しい”理想論”や“嘘”では意味がないですからね。
実現するためにどのような行動をしているか、実施体制なども確認されるでしょう。
計画の進捗確認の方法は妥当か
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの7つ目は、計画の進捗確認の方法は妥当かです。
素晴らしい計画を立てて、融資をしてもらって終わり!では銀行も困ります。
再び赤字にならないように、スムーズに返済できるように、計画どおりに進んでいるかこまめにチェックする必要がありますよね。
ですので、計画の進捗をチェックする体制が整っているかは審査でチェックされます。
すぐ資金ショートしないか
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの8つ目は、すぐに資金ショートする可能性はないかです。
すぐ資金がショートする可能性が高いのであれば、計画達成まで会社が存続できるかも疑問視されます。
短期的な資金繰りは万全にしておく、ギリギリまで耐えずに早めに融資の相談をするなどの対策をして融資交渉に臨む必要がありますね。
経営者に自覚があるか
融資担当者が赤字企業を審査するポイントの9つ目は、経営者に自覚があるかどうかです。
ここまでお伝えしてきたポイントをすべてクリアできたとしても、実は経営者が状況を理解していないというのであれば台無しです。
専門家に任せきりの経営者にありがちです。
もし、自覚をしていないようでしたら、次のパートをお読みください。目が覚めるはずです。
以上、審査ポイントはここ!融資担当者は赤字企業のどこを見る?をお伝えしました。
赤字融資で銀行が1番見るもの
結論から申し上げると、銀行が赤字企業の融資審査で1番見るのは経営者です。
経営者は社員を導き、会社の行く末を左右する人物だからです。
経営者の考えや行動1つで会社の未来が決まるのですから、融資の審査で1番見られるのは当然です。
事業計画書が素晴らしい出来栄えでも、凄腕の融資の専門家がサポートしたとしても、経営者がイマイチだと融資は成功しません。
経営者が赤字の責任を感じ、改善の努力をしている姿勢が見られなければ、銀行の融資担当者は良い評価をしないのです。
そうなれば、素晴らしい計画書はただの紙切れですし、凄腕の専門家もお手上げです。
融資のサポートをさせていただいていると、銀行の融資担当者の方から「佐藤先生は社長をどう見ていますか?(真剣に改善努力をしてますか?違いますか?)」と聞かれることもあるくらいです。
繰り返しますが、経営者は融資審査で1番見られています。ご自身の融資対策もお忘れのないようにしてくださいね。
赤字でどうしても融資が取れない時はどうする?
社長が一人で考えて頑張って動いても、融資交渉が上手くいかなかったり、行き詰まりを感じたときは、専門家に相談することも検討してください。
国や自治体には、経営相談窓口があります。
自社の税理士や会計士が融資に強いなら、相談してみるのも手でしょう。
融資を専門に支援する専門家もいます。
もし本当に資金に余裕がないのなら、すぐに手を打たないと会社の存続が危ぶまれます。
専門家とともに経営を改善しつつ、融資の可能性を探っていく国の支援制度もあります。
詳しくは下記の記事をお読みください。耳慣れない制度かと思いますが、できるだけわかりやすく解説しています。
◆厳しい融資審査攻略の最終奥義!405事業を解説|経営改善計画策定のメリット12か条と成功法則
お困りの場合は弊所でもお力になります。まずはご相談ください。
一刻も早く1人きりで悩むのは辞めてください。
貴社が思うように融資を勝ち取り、会社を末長く続けていかれますことを心より願っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。