
このような疑問にお答えします。
運転資金や設備資金が必要になり、銀行に融資を申し込んだら審査に通らなかった。それならば、と他の銀行にも申し込みをしたら、また審査に落ちてしまった。
うちの会社は融資を取れないのかもしれない。どこの銀行に申し込んでも断られてしまうのでは…と不安を感じていませんか?
その原因は融資申込みのタイミングが悪いからかもしれません。申込みの時期は最適か、状況は整っているか見直してみる必要があります。
つい先日も融資が取れないとご相談に来られた経営者の方がいらっしゃいました。
お話を伺ってみると、これぞまさに申込みのタイミングが悪い典型例。
経営者の方が思う『最適な融資申込みのタイミング』と、銀行が考える『最適なタイミング』にはズレがあると感じます。
そこで、本記事では、数多の融資サポートから導き出した『融資申込に最適なタイミング』をご紹介します。
この記事を書いている私は、信用調査会社(株)東京商工リサーチで個人事業主から売上1兆円企業まで、10年間で延べ7,000社以上を調査した元・調査員です。現在は、企業評価の視点を活かし、融資や補助金、大手の取引審査を突破させるサポートをしています。
記事をお読みいただければ、融資審査の通過率が高まり、スムーズに資金を調達できる道が開けます。
融資申込みのタイミングが重要な理由、ベストタイミングをつかむための準備についても解説したので1つずつ確認していってください。
健全な企業経営には融資が必要です。
融資審査に苦手意識を持ってしまうと経営が辛くなります。成功体験を積み重ねて苦手意識をなくし、必要な時にすぐ融資を取れるようになりましょう。
そのためには、ご紹介する5つのベストタイミングをぜひ知っておいてください。
融資申込みのタイミングが重要な理由
まず最初に大切な話をします。申し込むタイミング次第で審査の通りやすさは変わります。
銀行は、企業概要や決算書の内容、資金使途、事業計画、日常的な取引などを基に審査を行います。
ということは、これらの内容が良いタイミングで融資を申し込めば、銀行からの評価が高まり、審査が通りやすくなります。逆に、内容が悪いタイミングで申し込んでしまうと、審査に通る可能性は低くなるのです。
少しのタイミングの違いでそんなに審査通過率が変わるのか?
と思われるかもしれませんが、実際に融資申込みのタイミングが悪い事例はたくさんあります。
経営状況が素晴らしく良い会社でもない限り、銀行は厳しく融資の審査をします。
少しでも成功率を高めるためにも、融資申込みのタイミングは慎重に見極める必要があります。
融資申込みに最適なタイミング
それでは、融資申込みに最適なタイミングを1つずつ確認してみましょう。
【鉄則】融資が必要な時期の3か月前
まず、融資申込みに最適なタイミングの1つ目として、資金が必要になる3か月前には銀行に相談することを意識してください。
これは【鉄則】として覚えておいていただきたいです。
融資が必要な時期の3か月前には銀行に相談を(鉄則)
これは、融資の審査に時間がかかることだけが理由ではありません。将来の資金繰りを考慮して早めに資金調達を行うという意味でも、3か月までには銀行に相談をしておくべきです。
よくある例として、資金が必要な直前で融資を申し込む方がいますが、審査には時間がかかり、間に合わない危険性があります。
さらに、急な資金調達は「資金繰りが苦しい企業」と判断され、銀行からの信用が低下する恐れもありますので、早めに資金を確保することを心掛けてください。

決算書が出来上がった直後
融資申込みに最適なタイミングの2つ目は、決算書が出来上がった直後です。
一般的に決算期から3か月を過ぎると、融資の審査では試算表の提出も求められます。
ですが、決算書が完成した直後なら、追加資料なしで直近の整理された財務状況を確認できるので、銀行にとって融資可否の判断がしやすい時期です。
とくに、決算が黒字で、各種の財務指標が前期より改善されていれば、融資申込のベストタイミングと言えます。
受注や事業計画が具体化した時
融資申込みに最適なタイミングの3つ目は、大口受注や事業計画が具体化した時です。
このような時期は、「大口入金で返済する」「事業成長利益から返済する」という返済財源がはっきりしているので、銀行に前向きに判断してもらいやすくなります。
業績が上向いている時期
融資申込みに最適なタイミングの4つ目は、業績が上向いている時期です。
業績が上向くことで、その利益から確実に返済が見込まれると判断されれば、銀行からの評価も高まり、審査で有利に働きます。
必要な運転資金・設備投資の計画が固まった時
融資申込みに最適なタイミングの5つ目は、必要な運転資金や設備投資の具体的な計画が固まった時期です。
銀行は融資の使い道を必ず確認します。「とりあえず余裕資金がほしい」のような使い道がはっきりしないケースや、融資の必要性が感じられないタイミングで申し込んでも、融資に応じてはくれません。
融資の使い道が明確ではない会社は、事業以外に融資を使う可能性が高く、返済できる可能性も低い傾向にあるため、銀行に嫌がられます。
なぜその資金が必要なのか明確に説明できるタイミングで融資を申し込むことを意識してください。
ちなみにですが、ご自身では使い道は明確だと思っていても、銀行はそうは思ってくれないケースもあります。認識や感覚のズレがないか、という点も重要ですね。
ベストタイミングをつかむための準備
融資のご相談に来られる経営者の方の中には、資金が必要なタイミングを見誤っている方がいらっしゃいます。
とくに多いのは「もっと早くに資金が必要だったのではないか」と感じるケースです。
まだ先行きがはっきりしないタイミングで、あやふやな状態のままとりあえず申し込もうとしているケースも見られます。
いつどれだけの資金が必要になるかわかっていないのに、ベストなタイミングで融資申し込みをするのは不可能です。
対策として、最低でも以下の2つを確認し、資金が必要なタイミングをしっかり見極め、融資担当者に明確に説明できるようにしておきましょう。
資金繰り表で最低でも6か月先を予測する
資金が必要なタイミングを正しく見極めるためには、普段から資金繰り表を作成し、将来の資金状況を予測しておく必要があります。
資金繰り表を作成しておけば、適切な融資申込みのタイミングも判断しやすくなります。
最低でも6か月先、できれば1年先の資金状況まで明確に示すことができれば、現在資金が必要な理由や返済計画の説明にも説得力が増し、銀行の理解も得やすくなります。
事業計画を考える
資金が必要なタイミングを正しく見極めるためには、事業計画を立てておくことも必要です。
事業計画は、会社の将来の成長戦略や収益見込みを具体的に示したもので、売上や経費の予測、投資計画なども明確にすることができます。
この事業計画を作ることで、いつ・どのくらいの資金が必要になるかを事前に把握でき、資金繰りの見通しを立てやすくなります。
とくに近年は経営環境の変化が速く、いきあたりばったりの経営の危険性が増しています。事業計画を継続的に見直すことで、急な資金不足に陥るリスクも回避できます。
まとめ:融資成功の鍵は審査タイミングと担当者視点の理解
ここまで、融資申込みのタイミングについてお伝えしてきました。
申込みのタイミングが審査に影響することがお分かりいただけたかと思います。
「このタイミングで融資を申込むと融資担当者はどう思うか」
「このタイミングで申し込んだら融資担当者はどこを見るか」
このような”審査担当の考えや視点”を考えて申し込むことが、融資の成功率を高めるためには重要です。
融資支援の現場で奮闘しているからこそよくわかるのですが、よく考えずに申込んで通るほど、融資の審査は甘くはありません。
経営状況が良くない場合や、お付き合いの浅い銀行への融資相談など、マイナス点がある中での融資申込みならば、なおさらタイミングには気を配る必要があります。
長い記事になってしまいましたが、スムーズに融資を獲得する経営者の方は、戦略を持って融資の申し込みをしています。
銀行融資の審査の着眼点を理解する努力もなさっていますし、審査を突破するための準備にも労力を割いています。
申込みのタイミングを見誤れば、融資の成功率は大きく下がります。
どうぞみなさまも気を付けて融資の申し込みをしてくださいね。
融資の審査対策でお力になれることがあれば、お気軽にご相談ください。
元調査員の企業審査の目と、審査突破のノウハウを活かして、お力になります。
この記事が融資獲得を願う経営者のみなさまのお役に立てれば嬉しく思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。