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さて、あなたは会社のホームページをどんな目的で作っていますか?
「製品やサービスのPRのため」
「お客様への情報提供のため」
そう答える方が多いのではないでしょうか。
確かに、マーケティングの観点からは正解です。
でも、ちょっと待ってください。
その内容で、与信審査も乗り越えられますか?
実は、ホームページの内容次第で、銀行融資や大口取引の獲得チャンスを逃してしまう可能性があることをご存知でしょうか?
この記事を書いている私は、企業信用調査会社(株)東京商工リサーチで延べ7,000社以上を調査した元・調査員です。現在は、その知見を活かし、企業評価アップや銀行融資や国家制度の審査突破を支援しています。
本記事では、与信審査に強い企業ホームページの作成方法を徹底解説します。
マーケティングと与信審査、両方に効くホームページ作りのコツ、ぜひ最後までお読みください。
与信審査で重視されるホームページの役割
与信審査において、企業のホームページはとても重要な役割を果たします。
なぜなら、ホームページは企業の第一印象を決定づけるものであり、信頼性や経営状況を示すための重要なツールだからです。
審査担当者は、ホームページを通じて企業の信用度を見極めます。
例えば、彼らは以下のようなポイントに注目してホームページを見ます。
審査担当者のホームページ注目ポイント
- 企業の基本情報(会社概要、沿革、資本金、従業員数)
- 財務状況の透明性(決算情報、業績推移)
- 主要取引先と取引実績
- 技術・設備基盤(特許、研究開発、設備投資)
- 経営者情報と経営方針
- リスク管理とコンプライアンス対応
知っておいてほしいのは、ホームページは単なる広告ツールではなく、企業の信用力を示す重要な指標だということです。
これから、与信審査に強いホームページの特徴や作成方法について、具体的に見ていきましょう。
マーケティングと与信審査、両方の視点を取り入れたホームページ作りのポイントを順に解説していきます。
マーケティング重視のホームページとの違い
与信審査向けのホームページと、一般的なマーケティング向けのホームページには大きな違いがあります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
マーケティングを意識したホームページで重視するポイント | 与信審査を意識したホームページで重視するポイント |
---|---|
・製品やサービスの魅力的な紹介 ・顧客の感情に訴えかけるデザイン ・購買意欲を刺激する文言や画像 | ・客観的で正確な企業情報の提供 ・財務状況の透明性 ・経営者の経歴や企業の沿革 ・業界内での位置づけや実績 |
全く違いますよね。これは、一般消費者と審査担当者の見るポイントが全く違うからです。
このように、両方の視点を取り入れたバランスの取れたホームページ作りが必要になります。
でも、ちょっと待ってください。
そもそも、「うちはホームページを持っていない」という経営者の方もいらっしゃいますよね?
ホームページがない会社の評価リスクはご存じでしょうか?
ホームページがない会社の評価リスク
「うちは中小企業だから、ホームページなんて必要ない」
そう考えている経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、それは大きな間違いです!
ホームページがない会社は、与信審査で以下のようなリスクがあります。
ホームページのない会社のリスク
- 情報不足による信用度の低下:審査担当者は、企業の情報を得るためにまずホームページを確認します。ホームページがないと、企業の実態が把握できず、信用度が低く評価される可能性があります
- 取引や融資の機会損失:ホームページがないことで、潜在的な取引先や金融機関からの接触機会を逃してしまう可能性があります
実際、私が信用調査員として活動していた際にも、ホームページのない企業は「情報がなくてよくわからない」「経営状況が不透明な会社とは取引したくない」といったマイナスの印象を持たれることが多かったです。
例えば、取引先候補を選ぶとき、ホームページがない会社は真っ先に候補から外されてしまいます。
商業登記があり、口コミや人づてで会社の存在が知られていても、ホームページがないと、きちんと経営しているかどうか疑われてしまう会社もありました。
与信審査を意識してホームページを作成し、良い取引を逃さないように注意してください。
与信審査でマイナス評価を招くホームページの落とし穴
ホームページがあっても、内容次第では逆効果になることがあります。
与信審査でマイナス評価にならないように、しっかり確認しておきましょう。
情報の古さ
与信審査でマイナス評価を招く落とし穴の1つ目は、情報の古さです。
最新の情報更新が1年以上前だったり、過去の代表者名がそのままになっていたりすると、企業の活動性や情報管理能力に疑問を持たれます。
少なくとも四半期に一度は全体の内容を見直して、最新情報に更新するよう心がけましょう。
情報の不足
与信審査でマイナス評価を招く落とし穴の2つ目は、情報の不足です。
会社概要や事業内容が曖昧だったり、経営状況や経営者情報が全く掲載されていなかったりすると、企業の透明性や安定性に疑問を持たれます。
必要最低限の情報(会社概要、事業内容、財務状況の概要など)は必ず掲載をして、定期的に内容を充実させていくように努めましょう。
不適切な表現
与信審査でマイナス評価を招く落とし穴の3つ目は、不適切な表現です。
誇大広告や競合他社の誹謗中傷など、企業倫理に反する表現は厳しく評価されます。
表現は客観的かつ事実に基づいたものにしましょう。第三者がチェックする体制を整えることが大切です。
デザインの古さ
与信審査でマイナス評価を招く4つ目の落とし穴は、デザインの古さです。
時代遅れのデザインは、「この会社は最新の流れについていけていないのでは?」という印象を与えかねません。
内容が最新なら問題ありませんが、そうでない場合、情報も古いと疑われる可能性があります。
2〜3年に一度、最新のウェブデザインのトレンドをチェックし、必要に応じて更新を行うことをおすすめします。
リンク切れや機能不全
与信審査でマイナス評価を招く落とし穴の5つ目は、機能不全です。
リンク切れやフォームの不具合は、ウェブサイトの管理状況から企業全体の管理体制の甘さを連想させてしまいます。
月に一度程度、全てのリンクと機能をチェックする習慣をつけ、不具合があれば即座に対応できる体制を整えておきましょう。
このパートでご紹介した落とし穴は、審査担当者の目には「企業の管理能力の低さ」として映ります。
与信審査を意識したホームページの必須掲載項目【一覧表】
では、与信審査で高評価を得るためには、具体的にどのような情報をホームページに掲載すべきでしょうか。
以下に主な項目をリストアップしました。
与信審査に強いホームページの必須掲載項目
必須項目 | 審査で注目されるポイント |
---|---|
会社概要 | 正確な会社名、所在地、設立年月日、資本金、従業員数、代表者名と略歴。経営者の実績も触れると信頼度アップ。(企業の安定性、経営者の資質を示す) |
事業内容 | 主要製品やサービス、事業領域、市場での位置づけ。競争優位性やシェアも明示。(企業の成長性、業界内での評価を反映) |
経営理念・ビジョン | 企業の価値観や将来の展望。経営者の人物像や成長戦略も記載すると評価が高い。 (経営者の資質、企業の成長性を表現) |
沿革 | 創業からの重要な出来事、成長の実績。取引先獲得や事業拡大の具体例も入れる。(企業の安定性、成長性を時系列で示す) |
財務情報 | 売上高や利益などの指標。比率も示すと良い。決算公告リンク。「決算月」は必ず入れる。(企業の安定性、成長性を数値で証明) |
取引先・協力会社 | 主要取引先、取引実績を具体例で紹介。許可を得て公表すると信頼度が向上。(業界内での評価、企業の安定性を反映) |
認証・表彰 | ISOなどの認証や特許取得状況。業界内での表彰歴を追加すると、競争力を強調できる。(業界内での評価、企業の成長性をアピール) |
CSR・社会貢献活動 | 環境への取り組みや地域貢献活動の実績。具体的な事例があると好印象。(企業の安定性、経営者の資質を間接的に示す) |
採用情報 | 最新の採用状況や人材育成の取り組み。離職率や社内研修があると安定性をアピールできる。(企業の成長性、安定性を人材面から証明) |
リスク管理・コンプライアンス | 事業継続計画(BCP)、コンプライアンス体制。リスク対応能力を示すことで信頼性向上。(企業の安定性、経営者の資質を反映) |
お知らせ・ニュース | 最新のプレスリリース、製品やサービスの情報。成長や新事業に関するニュースを更新。(企業の成長性、業界内での評価を最新情報で示す) |
技術力・研究開発 | 保有する技術や特許、研究開発の取り組み。業界内での技術的優位性を具体的に説明。(企業の成長性、業界内での評価を技術面から証明) |
事業基盤 | 自社工場、設備、システムなどの事業資産。長期的な事業継続能力を示す。(企業の安定性、成長性を物理的資産で表現) |
業界動向と自社の位置づけ | 業界の現状と将来予測、その中での自社の戦略。市場変化への適応力をアピール。(企業の成長性、業界内での評価を市場視点で示す) |
ここでご紹介した項目を適切に掲載することで、企業の信用度を高めることができます。
すべての項目が重要ですが、とりわけ財務情報、主要取引先、認証・表彰実績、リスク管理体制の情報が充実しているホームページは、審査担当者からとても高い評価を得られます。
中小企業では経営者の影響力がとくに大きいですから、経営理念やビジョンなど、経営者の考え方が伝わるページも高評価です。
このような情報があると、審査担当者は会社の将来性や安定性を判断しやすくなります。
私も信用調査員時代、このような情報が揃ったホームページを見ると「この会社は本気だ!」と感心していました。
ただし、競合他社に不利になる可能性のある情報は慎重に扱う必要があります。
それでも、できる限り多くの情報を公開しようとする姿勢そのものから、企業の透明性と信頼性が伝わるはずです。
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【実体験】調査のプロが明かす、審査担当者のホームページの見方
信用調査のプロとして10年以上、延べ7,000社以上を見てきた経験から、審査担当者のホームページの見方についてお話しします。
多くの方は、ホームページを開くとまずトップページや商品情報をチェックすると思います。
しかし、私たちのような審査する立場の人間は違います。
最初に向かうのは「企業情報」や「会社概要」のページなのです。
なぜか?それは、会社の基本的な情報こそが、企業の信頼性を判断する重要な材料だからです。
まずは基本情報を確認して、企業の実態と全体像を確認する。それから、細部を詳しく見ていく。
これこそが、審査担当者が企業ホームページを見るときの導線です。
金融機関の審査担当者や大手企業の与信担当者も同じ視点でホームページを見ています。
取引先企業といっても、営業マンと審査担当者ではホームページの見方が違います。
営業マンのことばかり考えたホームページは、与信担当者からは不評なこともありますね。
さて、審査担当者がそのような見方をするのに対して、多くの中小企業のホームページでは、商品ページは充実しているのに、会社概要ページが簡素だったり、古い情報のままだったりすることが少なくありません。
これは非常にもったいないです。
せっかくの良い商品やサービスも、会社の基本情報がしっかり伝わらなければ、審査する側からは「少し不安だな」と思われかねません。
ホームページは、消費者向けの情報発信ツールであると同時に、企業の信頼性を示す重要な窓口でもあります。
両方の視点でバランスの取れた情報発信を心がけることが、企業価値を高めることを忘れないでください。
ホームページは企業の顔であり、適切な情報開示は企業価値を大きく向上させる鍵です。
審査担当者が求める情報を的確に見極め、自社の信頼感を最大限に高める方法で伝えることが重要です。
今すぐにでもホームページの見直しを始め、この強力なツールを最大限に活用しましょう。
それが、あなたの会社の信用力と価値を高める近道となるはずです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「どの情報をどう伝えれば良いのか」
「自社の強みをどう表現すれば良いか」
もしお困りでしたらご相談ください。お力になります。
みなさまがホームページで信用を勝ち取り、ますます会社を成長させていかれることを願っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。