第1回の公募から10年以上の歴史がある『ものづくり補助金』。
現在、第22回公募が始まりましたが、申請を考えている方の中には、どのような経費が補助の対象になるのか知りたい方もいるでしょう。
この記事では、ものづくり補助金の補助対象経費について詳しく解説しました。
対象外経費も説明していますので、申請を検討している方はぜひ参考にしてください。
※本記事はものづくり補助金の第22回公募要領をもとに作成しています。
この記事を書いている私のプロフィール
佐藤絵梨子(さとうえりこ)
会社信用ドットコム代表・会社信用クリエイター
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
経費区分に該当するものが対象経費になる
ものづくり補助金の対象経費は、公募要領に掲載されている経費区分に該当するものです。
申請する経費が経費区分に該当しているかチェックしておきましょう。
補助対象経費の区分
※表は横にスクロールしてご覧ください
| 経費区分 | 内容 |
|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 機械装置や工具・器具の購入・製作・借用、専用ソフトウェアや情報システムの購入・構築など |
| 運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料など |
| 技術導入費 | 知的財産権等の導入に必要な経費 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許権等の取得に関する弁理士への手続代行費用、外国特許出願の翻訳料など |
| 外注費 | 新製品・新サービスの開発に必要な加工・設計・検査等の一部を外注する際の経費 |
| 専門家経費 | 専門家へのコンサルティング料や謝金など |
| クラウドサービス利用費 | クラウドサービスやWEBプラットフォーム等の利用料 |
| 原材料費 | 試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入経費 |
| 海外旅費(グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ) | 海外事業の拡大・強化等を目的とした海外渡航及び宿泊等に要する経費 |
| 通訳・翻訳費(グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ) | 事業遂行に必要な通訳及び翻訳を依頼する場合に支払われる経費 |
| 広告宣伝・販売促進費(グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ) | 新製品・新サービスの海外展開に必要な広告の作成や、媒体掲載、展示会出展等、ブランディング・プロモーションに係る経費 |
ものづくり補助金では、単価50万円(税抜き)以上の機械装置等を取得することが必須です。
また、「機械装置・システム構築費」以外の経費は、総額で500万円(税抜き)までが補助上限額になります(グローバル枠は1,000万円(税抜き)まで)。
さらに、補助対象経費(税抜)は、事業に要する経費(税込)の3分の2以上であることが必要になるなど、詳細なルールが決まっています。
申請予定の経費が経費区分に該当するか、ルールに沿った経費か、申請前に公募要領でしっかり確認しましょう。
ものづくり補助金の対象経費の事例
会社信用ドットコムでは、経済産業省から認定を受けた認定支援機関として、ものづくり補助金の申請サポートや事業計画書の添削・書き方指導をしています。
ものづくり補助金の採択事例が知りたい人は参考にしてください。
会社信用ドットコムの採択経費事例
※表は横にスクロールしてご覧ください
| 経費内容 | 補助事業の内容 | 採択金額 |
|---|---|---|
| 建物費・機械装置・システム構築費、広告宣伝・販売促進費 | 三次元測定機器導入による量産体制の構築。商品の付加価値を向上させる計画。 | 1,200万円 |
量産体制の構築や商品付加価値の向上に必要な三次元測定機器の購入費用を「機械装置・システム構築費」として計上しました。
どのような計画が対象経費になるか知りたい方は、公式サイトに掲載されている「採択結果」や「成果事例の紹介」なども確認してみましょう。
会社信用ドットコムの採択事例は、補助金の審査突破サポート採択実績で確認いただけます。
なお、申請予定の経費が補助金の対象になるか確認したい方は、初回相談でお話を伺います。下記からお問い合わせください。
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対象経費や金額は採択時に「確定」ではない
ものづくり補助金の対象経費や金額は、採択時に確定するわけではありません。
採択後の交付決定の段階で一旦確定し、補助事業終了後に行う実績報告の完了後に最終的に確定します。
応募申請の段階で申請した経費については、採択後も随時審査があり、各段階の審査で補助事業に必要であると認められた経費のみが、補助対象経費として承認されます。
つまり、応募申請時・採択時に事業計画書に記載したすべての経費が、自動的に補助金支給対象として認められるわけではないです。
採択されたからといって安心せず、採択後も手続きや報告を丁寧に行いましょう。
スムーズな手続きのポイントは応募申請時に「見積り」を取ること
ものづくり補助金では、採択後に購入・使用する経費の「見積書」の提出を求められます。
また、単価50万円(税抜き)以上の物件等については、原則として2者以上から同一条件による「相見積書」の提出も必要です。
相見積が取得できない場合や、最も低い価格の業者を選定しない場合は、対象経費として認められない可能性があり、「理由書」などの提出も求められます。
採択後の交付申請の手続きでは、すぐにこの見積書や関連書類の提出が必要になります。
手続きがスムーズに進むように、応募申請準備の段階でできる限り複数の業者から見積りを取得しておくことをお勧めします。
対象外経費に該当するものは補助対象外
ものづくり補助金の公募要領には、補助金の対象外になる経費についても記載されています。
申請を予定している経費が対象外でないか、よく確認しておきましょう。
| ものづくり補助金の対象外経費の例 ※公募要領より一部抜粋 |
|---|
|
補助金の対象経費は、この補助事業で"のみ"使用するものに限られます。
既存事業やその他事業でも使用する経費は認められません。使用した場合は不採択・採択取り消し・補助金返還などの措置が取られます。
また、詳細が不明な経費、自社の人件費、パソコンや車両などの汎用性の高い経費(補助事業以外でも使えるもの等)も補助対象外です。
申請した経費の大部分が対象外の場合、審査時に不採択、または採択後に採択取消になる可能性があります。
経費が補助対象かどうか判断する際は、必ず公募要領を確認してください。
審査突破のプロからメッセ―ジ
ものづくり補助金の対象経費は、公募要領に記載されている経費区分に該当するものです。
細かなルールも決まっていますので、必ず公募要領詳細を確認しておきましょう。
採択後はすぐに経費に関する必要書類の提出を求められます。採択後にスムーズに手続きが進むように、応募申請の段階で取得・確認できる書類は取り揃えておきましょう。
ものづくり補助金の補助対象経費は、申請者の業態や事業内容によっても異なります。
どのような経費が認められるのか、また詳細なルールを知りたい方は、公募要領をしっかりチェックしてください。





