事業再構築補助金の第12回公募が開始されました。
申請締切は令和6年7月26日(金)18:00です。
スケジュール、第11回から第12回にかけての変更点、第12回公募のスケジュール、採択のコツをお伝えします。
補助金申請や事業計画書添削のサポートを必要とされる方は、お気軽にご相談ください。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
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事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金は「今なおコロナの影響を受ける事業者」「ポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者」を重点的に支援する補助金です。
申請類型や対象者、補助金額、対象経費は下記の通り。
第12回公募の申請枠は「成長分野進出枠」「コロナ回復加速化枠」「サプライチェーン強靱化枠」の3つです。
対象経費の特徴は建物費(改修や修繕、撤去等)が対象になることです。補助金額も大きいので、数千万円単位の設備投資を考えている事業者様は、まず申請を検討すべき補助金ですね。
補助金活用のイメージも確認しておきましょう。
申請するには、経済産業省が認定する経営革新等支援機関(※中小企業支援者です)に相談をして、共に事業計画を考える必要があります。
申請枠の特徴や対象者、申請の手続きの詳しい内容は公募要領に記載されています。必ず確認をしましょう。
・成長分野進出枠、コロナ回復加速化枠の公募要領
・サプライチェーン強靭化枠の公募要領
自社に最適な申請枠を選び、補助金を最大限に活用してくださいね。
事業再構築補助金の第12回公募スケジュル
- 申請開始:令和5年5月20日
- 申請締切:令和6年7月26日 18:00
- 交付候補者決定(採択発表):令和6年10月下旬~11月上旬頃(予定)
ご注意点
事業再構築補助金は必要書類も多く、事業計画書の作成にも時間がかかります。早めに準備を始めましょう。
第11回から第12回にかけての主な変更点
第10回から第11回にかけて以下の点が変更さました。第10回の頃から補助金の申請を検討している事業者様は要注意です。
申請類型の減少
申請類型は6枠から3枠になりました。第12回の申請類型は成長分野進出枠・コロナ回復加速化枠・サプライチェーン強靱化枠の3つになります。
事前着手制度の廃止
第11回公募までは交付決定前に事業に着手することが可能でしたが、第12回から事前着手制度は原則廃止となりました。
採択時期や交付決定時期を見据えて、事業実施のスケジュールを考える必要がありますね。
※経過措置として、第10回・第11回公募において事前着手が可能であった事業類型の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募で「コロナ回復加速化枠」「サプライチェーン強靱化枠」に申請する場合のみ事前着手が可能です。
審査項目・加点項目の変更
第12回からは事業再構築補助金の審査項目も変化しています。
審査される項目は以下の5項目。
審査項目
- 補助対象事業としての適格性
- 新規事業の有望度
- 事業の実現可能性
- 公的補助の必要性
- 政策点
審査項目は以前に比べると、だいぶわかりやすくなったと思います。
それぞれの項目の内容を詳しく確認しておきたい方は、下記をクリックして確認してください。
+ ←審査項目の詳細はここをクリック
書面審査の審査項目
本公募要領では、各事業類型を下記のように表記しています。
事業類型(A):成長分野進出枠(通常類型)
事業類型(B):成長分野進出枠(GX 進出類型)
事業類型(C):コロナ回復加速化枠(通常類型)
事業類型(D):コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
事業類型(E):サプライチェーン強靱化枠
上乗せ措置(F):卒業促進上乗せ措置
上乗せ措置(G):中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置
(1)補助対象事業としての適格性
① 「4.補助対象事業の要件」を満たすか。補助事業終了後3~5年で付加価値額を年平均成長率3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上の増加等を達成する取組みであるか。
② 事業再構築指針に沿った取組みであるか。
※複数の事業者が連携して申請する場合は、連携体構成員が提出する「連携体各者の事業再構築要件についての説明書類」も考慮する。
(2)新規事業の有望度
① 補助事業で取り組む新規事業が、自社がアプローチ可能な範囲の中で、継続的に売上・利益を確保できるだけの規模を有しているか。成長が見込まれる市場か。
② 補助事業で取り組む新規事業が、自社にとって参入可能な事業であるか。
➢ 免許・許認可等の制度的な参入障壁をクリアできるか。
➢ ビジネスモデル上調達先の変更が起こりにくい事業ではないか。
③ 競合分析を実施した上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して、自社に明確な優位
性を確立する差別化が可能か。
➢ 代替製品・サービスを含め、競合は網羅的に調査されているか。
➢ 比較する競合は適切に取捨選択できているか。
➢ 顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準は明らかか。
➢ 自社が参入して、顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断
基準を充足できるか。
➢ 自社の優位性が、容易に模倣可能なもの(導入する機械装置そのもの、営業時間
等)となっていないか。
(3)事業の実現可能性
① 事業化に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できているか。また、事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か。
② 最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。
※複数の事業者が連携して申請する場合は連携体各者の財務状況等も踏まえ採点します。
③ 補助事業を適切に遂行し得る体制(人材、事務処理能力等)を確保出来ているか。
(第三者に過度に依存している事業ではないか。過度な多角化を行っているなど経営資源の確保が困難な状態となっていないか。)
(4)公的補助の必要性
① 川上・川下への経済波及効果が大きい事業や社会的インフラを担う事業、新たな雇用を生み出す事業など、国が補助する積極的な理由がある事業はより高く評価。
② 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規
模、生産性の向上、その実現性、事業の継続可能性等)が高いか。
③ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業か。
④ 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。
⑤ 国からの補助がなくとも、自社単独で容易に事業を実施できるものではないか。
(5)政策点
① ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すことに資するか。
② 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の
活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
③ 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有
効な投資内容となっているか。
④ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
⑤ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。
※以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮いたします。
○地域未来牽引企業
○地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画
⑥ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。
また、事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できるか。
※以下のピッチ大会出場者は審査で考慮いたします。
○アトツギ甲子園
(6)GX 進出点(事業類型(B)に限る)
① 事業再構築の内容が、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組となっているか。
(7)大規模な賃上げに取り組むための計画書の妥当性(事業類型(A)(B)で補助率等引上げを希望する事業者に限る)
① 大規模な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。
② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費
に充当しているか。
(8)卒業計画の妥当性(上乗せ措置(F)に限る)
① 事業再構築の実施による売上高や付加価値額の継続的増加が妥当なものであり、法人規模の拡大・成長に向けたスケジュールが具体的かつ明確に示されているか。
② 資本金増加の見込・出資予定者や従業員の増加方法が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当か。
(9)大規模賃上げ及び従業員増加計画の妥当性(上乗せ措置(G)に限る)
① 大規模賃上げや従業員増員に向けた取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。
② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。
※必ず最新の公募要領を確認してください。
公募要領は随時改定されますので上記内容が変更されることがあります。
※「加点項目」や口頭審査の審査項目は公募要領の「加点項目」を確認しましょう。
・成長分野進出枠、コロナ回復加速化枠の公募要領
・サプライチェーン強靭化枠の公募要領
口頭審査の実施
これまでは書面審査だけだった事業再構築補助金ですが、第12回から口頭審査も実施されることになりました。
すべての事業者が対象になるわけではなく、対象になった事業者のみ実施されます。
口頭審査の対象になったのに受験しなかった場合は不採択となります。
公募要領で「口頭審査」の部分をよく読んでおきましょう。
・成長分野進出枠、コロナ回復加速化枠の公募要領
・サプライチェーン強靭化枠の公募要領
事業報告の厳格化
補助金入金後の事業報告の頻度が増えます。
これまで年1回で済んでいた報告ですが、今後は四半期ごと報告する必要があります。
忘れると補助金返還などのペナルティもあります。注意してくださいね。
手続きや報告が厳しくなっていますので、手続きの手引きをよく読んで対応しましょう。
事業再構築補助金のスケジュールや変更点、採択のコツをお伝えしました。
みなさまが補助金を勝ち取り、事業をますます発展させていかれることを応援しています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
事業再構築補助金の詳細はこちら
詳細は公式サイトや公募要領も確認してください。
▶︎事業再構築補助金の公式サイトはこちら