このようなお困りごとを解決します。
消費税は、国税の中でも、延滞してしまう事業者様が多い税金です。
弊所にも、とくにコロナ後は「払えない」というご相談が増えています。
適切な対処法がわからず、お困りの事業者様もいらっしゃることでしょう。
そこで本記事では、消費税を払えない時の対処法を解説しました。
・納税資金は融資してもらえる?
・延納や分割は融資の審査で不利?
など、よくある質問にもお答えしています。
消費税を払えない不安な状態から抜け出したい社長様は必読です。
ぜひ最後までお読みください。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
消費税とは?
国税庁のサイトでは、消費税を以下のように説明しています。
商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税
消費税は国税と地方消費税にも分かれますね。
課税・非課税の取引、計算方法など、詳しくは国税庁のサイトを確認してください。
消費税が払えない事業者にありがちなこと(意識して改善!)
消費税は税金の中でも滞納が多い税金です。
なぜでしょうか?理由を確認しておきましょう。
当てはまる場合は、意識して改善し、ふたたび消費税が払えない状況にならないように注意してください。
納税意識が薄れがち
消費税が払えない事業者にありがちなことの1つ目は、納税意識が薄くなりがちなことです。
消費税は、お客さまから預かって、代わりに国に支払う「間接税」です。
本来は預かった消費税をそのまま納めれば、払えないはずはありません。
しかしながら、支払いはまだ先だと思って忘れてしまい、支払い時期に慌てるということが起こるのですね。
赤字だと納付を忘れやすい
消費税が払えない事業者にありがちなことの2つ目は、赤字でも消費税の支払いが必要なことを忘れがちなことです。
法人税は赤字だと支払いがありませんので、消費税も同じだと思ってしまうのですね。
赤字だから消費税も少ないだろうと考えていたら、予想外に消費税が多額で驚いたという話もよく耳にします。
税額の予測が難しい
消費税が払えない事業者にありがちなことの3つ目は、消費税額の予測ができないことです。
消費税は黒字・赤字関係なく納付の可能性があります。計算も複雑です。
決算ギリギリにならないと納税額がわからず、あらかじめ予測することが難しいですね。
「これだけの金額があれば大丈夫」と意識しておくことも難しくなります。納税額を見て驚くケースが多いです。
事業資金に充ててしまう
消費税が払えない事業者にありがちなことの4つ目は、消費税を事業資金に充ててしまうことです。
のちのち消費税を払わなければならないとわかっていても、手元に資金があるとつい使ってしまうパターンですね。
どこかのタイミングで納税資金を確保できれば良いのですが、納税の時期まで取り戻せず、支払いができなくなります。
相談なく消費税を滞納するとどうなる?
消費税を何の対処もしないで滞納すると次のことが起こります。
滞納処分の流れ
- 延滞税がかかる
- 督促がはじまる
- 財産調査
- 差押の予告
- 財産差し押さえ
- 取立て・公売
- 滞納国材に充当
納付期限を過ぎても納付がない場合、延滞税がかかります。
さらに、督促状が送付されます。督促状が届いても納付や相談をしないでいると、差し押さえのための財産調査が開始されます。
それでも納付の意思が確認できない場合は、財産差し押さえとなります。
差し押さえた債権は取立てが行われ、動産・不動産は入札等で売却されます。売却金銭は滞納国税に充当されます。
銀行から納税資金は借りれる?
納税資金は融資の対象になります。
ただし、消費税は融資の対象外です。
消費税はお客様がから預かって、代わりに国に支払う税金です。
すでにお客様からお金を受け取っているものを、さらに融資で賄うという考えは通用しないのですね。
消費税を払えない時の対処法
それでは、消費税が払えない場合はどのように対処すればよいのでしょうか?
3つの方法をご紹介します。
消費税を払えない時の対処法
- どうにか資金を生み出す
- 融資以外で資金を調達する
- 分割納付の相談をする
1つずつ解説します。
どうにか資金を生み出す
消費税を払えない時の対処法の1つ目は、どうにか資金を生み出すことです。
どうにかお金を捻出して消費税を払えるなら、それが1番良い方法です。
支出の削減、売掛金の早期回収や現金化など、一時的に資金を捻出する方法を考えてください。
簡単に「無理」とあきらめたり、呑気に構えている場合ではありません。もう1度よく確認しましょう。
融資以外で資金を調達する
消費税を払えない時の対処法の2つ目は、融資以外で資金を調達することです。
すでにお伝えしたとおり、消費税は融資の対象外です。
そうなると、外部から資金を調達する場合は、融資以外の方法で調達することを考えなければなりません。
以下の記事で融資以外の資金調達方法をご紹介しています。必要であればお読みください。
分割納付の相談をする
消費税を払えない時の対処法の3つ目は、消費税を分割納付することです。
消費税を期限内に納付することが難しい場合は、所轄の税務署に分割納付の相談をしましょう。
(※分割・猶予を受けるためには一定の条件を満たす必要があります)
延滞税はかかりますが、相談せずそのまま滞納して差し押さえ等になるよりはずっと良いです。
払えないと思ったら、すぐに相談するようにしましょう。
消費税の延納や分割納付は融資審査で不利?
銀行融資の審査では、納税証明書の提出を求められることも多いので、融資担当者は分割や未納はすぐにわかります。
延納や分割納付でも、融資獲得の可能性はゼロではありません。分割で支払っていることを評価され、融資を獲得したケースもあります。
しかしながら、
消費税を期限内に納付できなかったことに対する評価は、基本は厳しいです。審査突破の難易度も跳ね上がります。
これから融資獲得を考えているなら、可能な限り、期限内に納付するよう努めてください。
どうしても分割にして、未納分がある中で融資交渉に臨むのであれば、この先の資金繰り改善や将来計画を融資担当者に誠心誠意伝える努力は絶対に必要です。
安易に「あとで払えばいいや」とは思わないでください。
消費税の納付や資金繰りが心配なら
- 消費税が払えなくて不安だが、自社に最適な対処法がわからない
- これから融資を取りたいが、消費税の分割納付をして大丈夫か心配だ
- 消費税をどうにか払えても、その後の資金繰りが厳しそうで不安である
このようなお悩みがある経営者様もいるのではないでしょうか?
対処法に悩む場合は、所轄の税務署や行政の相談窓口に相談することをお考えください。
あなたの状況を聞いて、丁寧に対応してくれるはずです。
今後の資金繰りも心配な場合は、資金繰り改善に詳しい専門家に相談することもおすすめします。
信頼と実績がある専門家なら、中長期的な目線で貴社に最適な資金繰り改善策を示してくれるでしょう。
ふたたび消費税が払えなくならないように対策も講じてくれるはずです。
お近くに信頼できる専門家がいない場合はご相談ください。お力になります。
貴社が消費税の納付をはじめとする資金繰りの不安から解放され、事業をますます発展させていかれることを心より願っています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。