
このようなお悩みを解消します。
会社概要は、取引先の与信管理、融資の審査、補助金の申請など、さまざまな場面で確認される情報です。
会社概要を見た時点で審査担当者の第一印象が決まることも少なくありません。会社概要の伝え方は、企業評価に大きく影響します。
「どうすれば会社の良さがしっかり伝わる?」
このようなご相談を多くいただくので、本日は会社概要を上手く書くコツをお伝えする記事を書きました。
この記事を書いている私は、企業信用調査会社(株)東京商工リサーチの元・調査員です。10年間で延べ7,000社以上を調査した実績があります。
大量の調査レポートを作成してきた経験から導き出した「会社概要で正しく良い会社だと伝えるコツ」をお伝えします。
相手の心をつかむ実践的なコツが満載です。
ぜひ最後までお読みください。
会社概要とは?
会社概要とは、会社の基本情報や事業内容を簡潔にまとめたものです。
銀行融資や取引先、株主などに自社の説明をする時に必要な情報です。
会社概要には、たとえば以下のような情報が含まれます。
会社概要に含まれる主な情報
- 会社概要(会社名・所在地・設立年月・資本金・代表者名・従業員数など)
- 提供する商品やサービス
- ビジネスモデル
- 主要取引先
- 業績
- 将来の展望
なぜ会社概要が重要なのか
そもそも会社概要を伝えるのは、相手からの信頼を得るためです。
新規の取引や融資を検討する相手は、まずあなたの会社を「信頼できる取引先になりそうか」「安心して融資や取引ができる会社か」という視点で見ています。
その信頼を勝ち取るための第一歩が、会社概要なのです。
たとえば、以下のような場面では、会社概要は重要な判断材料として活用されますね。
会社概要が見られる場面
- 取引先の審査
- 融資の申請
- 補助金の申請
- 各種認定の審査
- 出資の検討
- 業務提携の検討
いずれの場面でも、会社概要は最初に確認される情報です。会社概要が正しく理解されないと、その後の説明も相手に十分に伝わらない可能性があります。
相手に情報が十分理解されなければ、高評価や良い取引は期待できません。
それだけに、会社概要は慎重に作り込む必要がありますね。
会社の良さが伝わる会社概要の書き方
では、会社の良さを正しく伝え、高評価を勝ち取る会社概要の書き方をご紹介します。
冒頭ひと言で会社を表現する
会社概要の書き方のコツの1つ目は、まず最初にひと言で「何の会社なのか」を伝えることです。
たとえば、以下のように冒頭で簡潔に伝えると、相手もあなたの会社を理解しやすいです。
- 当社は自動車業界向けの精密部品メーカーです
- 当社は昭和XX年創業の輸入食品卸売会社です
- 当社は広告宣伝事業と印刷事業の2事業を展開しています
- 当社は戸建て住宅の建築をメインにオーダーメイド家具の製造も行っています
よく見かけるのが、いきなり時系列(例:XX年誰誰が~~~事業を始め、XX年には~~事業も開始して...)で説明してしまうケースです。
このような説明だと、最後まで読んだり、聞いたりしないと現在の事業内容がわかりません。文章や説明が上手な方なら問題ありませんが、そうでない場合は、まず冒頭で現状を言い切る方が効果的です。
私は日々多くの経営者様とお話しし、事業計画書の添削もさせていただいています。その経験から、「何の会社なのか」が冒頭ではっきりわからないと、以降の説明を理解するのが難しくなると実感しています。
「なかなか会社を理解してもらえない」とお悩みの方は、まずこの「一言で表現する」ことから始めてみてください。
独自性をはっきりさせる
会社概要の書き方のコツの2つ目は、独自性をはっきりさせることです。
他社にない強みや特徴を具体的に記載しましょう。
たとえば、
- 「業界初の○○技術を開発」
- 「○○の特許を取得」
- 「〇〇にこだわって製造」
- 「〇〇業界中心に販路を構築」
このように、差別化ポイントを明確にして会社概要を伝えると良いです。
同業他社と名前を変えるだけで通用するような内容では、自社の特徴が出し切れていません。「他社でも同じではないか」と思われ、相手からの高評価は望めないです。
数字やデータで説得力を持たせる
会社概要の書き方のコツの3つ目は、数字やデータで説得力を持たせることです。
信頼性を高めるためには、具体的な数字やデータを活用しましょう。
たとえば、以下のような情報を含めると良いですね。
- 「年間○○件の実績」
- 「取引先○○社以上」
- 「顧客満足度○○%」
- 「リピート率○○%」
数字は具体的であればあるほど説得力が増し、あなたの会社の良さを引き立ててくれます。
取引先や銀行などの審査する側は、「この会社は本当に実績があるのか」を証拠とともに確認したいと考えているので効果抜群ですよ!
ふわっとした情報では実績の信頼性が疑われますが、数字やデータで裏付けられた実績があれば、そういった不安も払拭してあげることができますね。
選ばれる理由を具体的に示す
会社概要の書き方のコツの4つ目は、お客様から選ばれる理由を具体的に示すことです。
これは「顧客価値」とも呼ばれますね。製品やサービスがなぜ選ばれるのか、どのような課題を解決するのかを具体的に伝えることが重要です。
たとえば、以下のような情報です。
- 「お客様の○○という課題を解決しています」
- 「〇〇に効果があるとお客様から定評をいただいています」
会社評価をする側が「顧客価値」を重視するのは、それが"会社が末長く続いていくかどうか"を判断するための重要な情報だからです。
市場で必要とされる価値を提供できていない会社は、いずれ淘汰されます。提供価値が明確な会社は、それだけ市場での存在意義が高く、長期的な取引先として有望だと思ってもらえますよ。
将来像を魅力的に描く
会社概要の書き方のコツの5つ目は、将来像を魅力的に描くことです。
将来像を魅力的に描くことは、その会社が「今後も安定的に成長する可能性が高い」という評価につながります。明確な目標を持っていることは、経営者に確かなビジョンと実行力がある証にもなりますね。
たとえば、以下のような内容を盛り込むと良いでしょう。
- 「5年以内に国内シェア○○%を目指す」
- 「○○年までに海外○○拠点に展開予定」
- 「○○年に売上高○○億円を目指して展開」
取引先や金融機関は、相手企業と長期的な取引関係を築きたいと考えているので、今の状況だけでなく、将来性も重視して企業を評価します。
将来の展望が具体的に示されていれば、「この会社と長く付き合っていける」と判断される可能性も高まりますね。
会社概要を作成する時の注意点
会社概要を作成する時に注意すべき点を3つご紹介します。
古い情報は必ず更新する
会社概要作成時の注意点の1つ目は、古い情報は必ず更新することです。
古い情報のままだと、情報管理がずさんと思われる可能性があります。
古い情報は相手に「この会社は自社の状況すら正確に把握していないのでは?」と不安を感じさせ、低評価につながりやすいですよ。
曖昧な表現は避ける
会社概要作成時の注意点の2つ目は、曖昧な表現は避けることです。
「さまざまな」「数多くの」「幅広く」「効果を最大化する」などの曖昧な表現は使わないようにしましょう。マーケティングやキャッチコピーとして消費者向けには効果的かもしれませんが、正確な情報を求める企業評価の場面では逆効果になりかねません。
具体的な数字や事実を示すことで、審査側・評価側からの信頼性が高まります。
一方で、曖昧な表現を多用すると、「本当は具体的に示せるものがないから、あいまいな表現で誤魔化しているのでは?」と疑われる危険性があるので注意が必要です。
相手の視点を意識する
会社概要作成時の注意点の3つ目は、相手の視点を意識することです。
取引先の営業マン、銀行の融資担当者、補助金の審査員、株主など、相手によって会社を評価するポイントは異なります。
たとえば、取引先の営業マンであれば、他社との取引実績や製造体制、融資担当者なら収益性や返済能力、補助金審査なら実現可能性や波及効果のように、相手が見るポイントに合わせて伝える情報を調整する工夫が必要です。
自分が伝えたいことばかり伝えてしまい、相手が知りたいこととズレてしまうと高評価は望めません。注意してくださいね。
元・調査員が警告!多くの会社がやりがちな"致命的な抜け"
私は企業信用調査会社の調査員として、多くの経営者の方を取材させていただきました。その中で、会社概要の説明で「これが上手く説明してもらえないと会社を理解できない!」と思うものに気づきました。
それは「売上を生み出す仕組み(ビジネスモデル)」です。
たとえば、以下のようなケースがよくありましたね。
- 優れた技術やサービスの説明ばかりで、それがどのように売上につながるのか不明確
- 不動産事業と説明するだけで、売買代金なのか、賃貸料なのか、仲介料なのか、(売上)代金をどのような名目でもらうか説明不足
- 開発秘話は詳しく語るが、どのように収益化するのかの説明がない
企業評価では、売上や利益といった数値も評価されます。その数字がどうやって生まれているのかが理解できなければ、相手は「この売上が継続的に出せるのか」「今後も成長できるのか」を正しく評価できません。
とくに技術力や商品開発力の高い会社の経営者の方は要注意です。技術や商品へのこだわりは素晴らしいのですが、それに話が集中しすぎて、肝心の「どうやって売上を立てているのか」の説明がおろそかになりがちです。
私も調査取材で「御社は何が売上になるのですか?」と確認せざるを得ないケースがたくさんありました。
ぜひ会社概要では、この「売上を生み出す仕組み」もしっかりと伝えてくださいね。
まとめ 企業は情報の"伝え方"が命
最後に、信用調査会社で個人事業主から売上1兆円企業まで、10年間で延べ7,000社以上の会社を見てきた元・調査員の経験から大切なことをお伝えします。
それは、企業評価は情報の伝え方次第で大きく変わるということです。
そして、本当は良い会社なのに、情報の伝え方が悪いばかりに本当の実力が伝わらず、正当な評価を受けられない会社が少なくありません。
これはとてももったいないことです。
「どの情報をどう伝えれば良いのか」
「自社の強みや実力をどう表現すれば良いか」
「銀行への説明と株主への説明、どう変えたら良いか」
最適な情報の伝え方は1社1社違いますから、悩む経営者の方もいらっしゃると思います。
そのような場合は、あなたの会社を良く理解している身近な専門家や支援者に相談し、客観的な視点でアドバイスをもらうことも検討してみてください。
例えば、税理士などの士業の方であれば、お近くにいらっしゃるかと思います。
もし身近にいらっしゃらない場合は、当事務所でも事業計画書の書き方をアドバイスしています。
融資や補助金、信用調査、株主向けなど、場面ごとの適切な伝え方指導に定評があります。必要でしたらご相談ください。
みなさまの会社が効果的な会社概要の伝え方で高評価を獲得し、事業成長を実現されることを心から応援しています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。