事業再構築補助金で不採択になった。事業計画書をどう修正しよう?
そんなお悩みを解決します。
不採択になった事業計画書を修正したくても、どこをどう直したら良いかわからない。
そんな方もいることでしょう。
そこで本日は、不採択になった事業計画書を効率的かつ効果的に修正する方法を解説します。
この記事を書いている私は、事業再構築補助金の支援で150件以上の事業計画書の書き方を指導してきた実績があります。
企業信用調査会社で延べ7,000社以上の企業レポートを作成してしてきた元・調査員の経験もありますので、会社概要や事業計画を正しく伝えるコツも熟知しています。
この記事を読めば、不採択の事業計画書を採択レベルに書き直すコツがわかり、改善の方向性をはっきりさせることができますよ。
記事の最後では、実際よくある不採択理由や具体的な改善策もご紹介しています。
必要な項目を改善して、次こそ採択をつかみ取りましょう!
この記事を書いている私のこと

1回・2回の不採択でめげない!
ところで、あなたは1回・2回の不採択で補助金獲得を諦めようとしていませんか?
事業計画書の作成は大変です。どこがダメだったのかもよくわからない。難易度も高いようだ。もう諦めるしかないのでは・・・。
そのように思うお気持ちはよくわかります。
ですが、もう1度よく考えてみてください。
2,000万円や3,000万円の資金がそう簡単にもらえると思いますか?
補助金は返済不要な資金です。欲しがっている会社は数え切れません。
審査をするのは『国』です。当然ながら、審査基準は厳しいです。
そうです。
簡単にもらえるはずがないのです。
補助金獲得を目指す事業者様の中には、2回・3回、それ以上回数の不採択を経験しても、再挑戦している事業者様もいます。
※私のところには、2〜5回不採択になってご相談に来られる事業者様が沢山いらっしゃいます。
会社の将来像を考え、事業計画書を作成し、電子申請を行う。どれも大変な作業です。
そこまで頑張ってこられたのに、1回・2回で諦めてしまうのは、もったいことではありませんか?
補助金で採択されるには、計画の良さを正しく伝える事業計画書が必要です。
ポイントを押さえて改善することで、採択の可能性はグンと高まります。
ぜひもう1度挑戦をして、採択をつかみ取りましょう!

佐藤絵梨子
不採択理由を事務局に確認する

事業計画書を書き直す前に、まずは不採択になった理由を確認しましょう。
事業再構築補助金で不採択になってしまった方は、事務局に問い合わせると不採択理由を教えてもらえます。
不採択理由=改善すべきポイントです。
不採択理由を修正するだけでも、採択にグッと近づけることができます。
重点的に修正するべきポイントがはっきりしますので、必ず確認しましょう。
不採択理由→3つに分けて修正の方向性を考える

事務局に確認をすると、6〜8つの不採択理由を教えてもらえます。
不採択理由がわかったら、まずはその理由を3つに分けて考えましょう。
あなたの不採択理由はどれに当てはまる?
- 事業計画書の書き方が良くない
- 計画内容そのものを見直すべき
- 1・2のどちらも必要
分けて考える理由は、事業計画書さえ修正すれば採択されると勘違いしている事業者様がいるからです。
実際は②や③のように”計画内容そのものの見直しも必要なケース”が多く見られます。
1つ例をご紹介しますね。
事業計画そのものの見直しも必要なケースの例
例えば、以下の不採択理由を見て見ましょう。
『先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築を通じて地域のイノベーションに貢献できる計画になるとより良い』
「デジタル技術の活用や、地域貢献について事業計画書に書き足せばOK!」と思っている方がいますが、
- そもそもの計画は、デジタル技術を存分に活用しているといえるのか?
- そもそもの計画が、地域におおいに貢献しているといえるのか?
というように、事業計画そのものの検証も必要なケースもあるでしょう。
より良い計画にするために「もっとデジタル技術を活用できないか?」「もっと地域貢献できないか?」を突き詰めて考える必要があります。
事業計画書の書き方だけでなく、計画そのものも見直す必要がないか、しっかり見極めましょう。
不採択を採択に変える書き方のポイント

不採択理由を確認して改善の方向性をつかんだら、以下の3つのポイントを意識して事業計画書を改善しましょう。
不採択を採択に変える書き方のポイント
- 事業計画書に書くべき項目をすべて書く
- 審査ポイントを意識して書く
- 審査員が理解できるように書く
1つずつ解説します。
事業計画書に書くべき項目をすべて書く
不採択を採択に変える書き方のポイントの1つ目は、「事業計画書に書くべき項目」をすべて書くことです。
あなたが書きたいことを書くのではなく、補助金の審査員が書いてほしい項目をすべて書くのです。
審査員が書いてほしい項目は、公募要領に記載されています。
事業再構築補助金の公募要領では、以下の箇所に書かれていますね。記載が2箇所に分かれているので、どちらも必ず確認しましょう。
記載項目・審査項目はココをチェック
▶︎10.事業計画作成における注意事項
(第11回公募要領 P46〜48)
*ページ数はPDF下に表記されているページ数
+ ←「事業計画作成における注意事項」をテキストで見る方はこちらをクリック
*第11回申請回(令和5年10月6日締切)の公募要領から抜粋。必ずご自身でも該当箇所をご確認ください
10.事業計画作成における注意事項
〇事務局が別途公表する電子申請システム操作マニュアルの指示に従って、入力漏れがないよう、必要事項を入力の上、申請してください。申請の準備にあたっては、電子申請入力項目を参照し、入力が必要な項目をご確認ください。添付書類については、ファイル名確認シートを参照し、決められたファイル名にしてください。
○事業計画書の具体的内容については、審査項目を熟読の上で作成してください(電子申請システムにPDF形式のファイルを添付してください。以下、1~4の項目について、A4サイズで計15ページ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)での作成にご協力ください。記載の分量で採否を判断するものではありません)。
※会社名を事業計画書の1ページ目に必ず記載し、各ページにページ数を記載してください。
※1ページ目で、製品・サービスに事業者にとっての新規性があること、及び新製品・新サービスを通して既存事業と異なる市場に進出することについて説明してください。1ページ目で「事業再構築」の定義に合致するか(前提要件を満たすか)審査を行い、合致しないと判断された場合には不採択となります。2ページ目以降で表1に記載の審査基準に基づき事業内容を評価し、評価が高い案件を採択します。
※図表はA4サイズで内容が読み取れるサイズでの貼り付けにご協力ください。
※事業計画書は、申請者自身で作成してください。
※グリーン成長枠に申請される場合は、【グリーン成長要件】を満たしていることについて説明する資料(研究開発・技術開発計画書又は人材育成計画書)を作成し、提出してください。
※厚生労働省の産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)を活用する1③(1)に該当する事業主は、以下1③(2)で求める項目について必ず記載してください(記載が無い場合、本助成金の支給は受けられません)。当該記載のためにページ数の制限(原則15ページ以内。補助金額1,500万円以下の場合は10ページ以内)を超過することは差し支えございません。
(参考)産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)とは?
※令和5年度創設業況の厳しい事業者が行う事業再構築を人材の育成・確保の面から支援する助成制度です。助成内容や支給を受けるための要件などの詳細については、令和5年3月31日に厚生労働省ホームページへ掲載する予定となっておりますのでご確認ください。
・厚生労働省ホームページURL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/sankokinjigyou-saikouchiku.html
・ご不明な点は令和5年4月1日以降に、下記のコールセンターまたは最寄りの都道府県労働局、ハローワークまでお問い合わせください。
【雇用調整助成金、産業雇用安定助成金コールセンター】
電話番号0120-603-999受付時間9:00~21:00(土・日・祝日も受け付けています)
なお、本補助金で補助金交付候補者として採択されたことをもって事業計画に記載されたすべての雇い入れについて助成金の対象として認められる訳ではございません。助成金の支給申請後、要件審査の上で支給決定を行いますので、予めご承知おきください。
○申請する事業再構築の類型について、事業再構築指針との関連性を説明してください。
1:補助事業の具体的取組内容
①応募申請する枠と事業再構築の種類(「新市場進出(新分野展開、業態換)」、「事業転換」、「業種転換」、「事業再編」、「国内回帰」)に応じて、「事業再構築指針」に沿った事業計画を作成してください。1ページ目に、既存製品と新製品、既存市場(顧客)と新市場(顧客)、既存事業と新事業などについて、これまでのものとこれからのものが、それぞれ何が異なるかを具体的に記載してください。1ページ目の記載については、事務局HPで掲載する参考様式もご参照ください。
②2ページ目以降に、現在の事業の状況、強み・弱み、機会、脅威、事業環境、事業再構築の必要性、事業再構築の具体的内容(既存事業との違い(特に顧客の違い)、提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)、今回の補助事業で実施する新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰の取組について具体的に記載してください。事業実施期間内に投資する建物の建設・改修等の予定、機械装置等の型番、取得時期や技術の導入や専門家の助言、研修等の時期についても、可能な限り詳細なスケジュールを記載してください。※必要に応じて、図表や写真等を用いて、具体的に記載してください。
③補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制(※1)など、具体的に記載してください。
※1次の(1)に該当する場合は、(2)の項目を必ず明記してください。
(1)次のイ~ハのいずれにも該当する事業主イ物価高騰対策・回復再生応援枠又は最低賃金枠に応募申請する事業者ロ事業再構築にあたり年収350万円以上の正社員(無期雇用)を採用予定の事業者ハ厚生労働省の産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)の活用を希望する事業者
(2)明記する項目イ採用予定者の配置部署・役職名、部下の有無ロ採用予定者が従事する業務の内容(事業再構築との関連性を含む)、職種ハ採用予定者に求める資格、スキル、経験など
④既存事業の縮小又は廃止、省人化により、従業員の解雇を伴う場合には、再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組について具体的に記載してください。
⑤個々の事業者が連携して遂行する事業である場合、又は、代表となる事業者が複数の事業者の取り組みを束ねて一つの事業計画として申請を行う場合は、事業者ごとの取組内容や補助事業における役割等を具体的に記載してください。
2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
①本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等について、その成果の優位性・収益性や課題やリスクとその解決方法などを記載してください。
(参考)〇経済産業省において、市場動向等を簡易に把握できる「統計分析ツール」を公開しています。鉱工業品約1,600品目を対象として、簡易な操作で過去5年間の生産動向等をグラフ化することができます。必要に応じて、自社の事業計画作成にご活用ください。また、商業・サービス業については、過去10年間の販売額や売上高等を同様にグラフ化することができます。具体的な活用方法を分かりやすく解説する動画もあわせてご覧ください。
・統計分析ツール「グラレスタ」のURL:https://mirasapo-plus.go.jp/hint/14583
・解説動画のURL:https://www.youtube.com/watch?v=eOJtZc2jTcE
〇内閣府において、知財が企業の価値創造メカニズムにおいて果たす役割を的確に評価して経営をデザインするためのツール(経営デザインシート)やその活用事例等を公表しています。事業計画の作成に際し、必要に応じてご活用ください。
・首相官邸HP「経営をデザインする(知財のビジネス価値評価)」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html
②本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の価格等について記載してください。
③必要に応じて図表や写真等を用い、具体的に記載してください。
3:本事業で取得する主な資産本事業により取得する主な資産(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)の名称、分類、取得予定価格等を記載してください。(補助事業実施期間中に、別途、取得財産管理台帳を整備していただきます。)
4:収益計画
①本事業の実施体制、スケジュール、資金調達計画等について具体的に記載してください。
②収益計画(表)における「付加価値額」や「給与支給総額」(成長枠、グリーン成長枠の場合)の算出については、算出根拠を記載してください。
③収益計画(表)で示された数値は、補助事業終了後も、毎年度の事業化状況等報告等において伸び率の達成状況の確認を行います。
▶︎審査項目・加点項目
(第11回公募要領 P49〜54)
*ページ数はPDF下に表記されているページ数
+ ←「審査項目」をテキストで見る方はこちらをクリック
*第11回申請回(令和5年10月6日締切)の公募要領から抜粋。必ずご自身で該当箇所を最終確認してください *この後に続く「加点項目」は公募要領をご確認ください審査項目
(1)補助対象事業としての適格性
「4.補助対象事業の要件」を満たすか。補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均 3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上の増加等を達成する取組みであるか。
(2)事業化点
① 補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場 ニーズの有無を検証できているか。
② ターゲットとするマーケットにおける競合他社の状況を把握し、競合他社の製品・サー ビスを分析し、自社の優位性が確保できる計画となっているか。特に、価格・性能面で の競争を回避し継続的に売上・利益が確保できるような差別化戦略が構築できているか (オープン/クローズ戦略等を通じた知財化戦略や標準化戦略による参入障壁の構築、 研究開発やブランディング・標準化を通じた高い付加価値・独自性の創出、サプライチ ェーンや商流の上流・下流部分を自社で構築するなど他社が模倣困難なビジネスモデル の構築、競合が少ない市場を狙うニッチ戦略等)。
③ 事業化に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できているか。また、事業化に至る までの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か。
④ 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状 況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分 な資金の調達が見込めるか。※複数の事業者が連携して申請する場合は連携体各者の財 務状況等も踏まえ採点します。
(3)再構築点
① 自社の強み、弱み、機会、脅威を分析(SWOT 分析)した上で、事業再構築の必要性が 認識されているか。また、事業再構築の取組内容が、当該分析から導出されるものであ るか、複数の選択肢の中から検討して最適なものが選択されているか。
② 事業再構築指針に沿った取組みであるか。特に、業種を転換するなど、リスクの高い、 大胆な事業の再構築を行うものであるか。※複数の事業者が連携して申請する場合は、 連携体構成員が提出する「連携体各者の事業再構築要件についての説明書類」も考慮し 採点します。
③ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規 模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウ ハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、 効果的な取組となっているか。
④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプラ イチェーンのイノベーションに貢献し得る事業か。
⑤ 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の 経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。
(4)政策点
① ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見 込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すこと に資するか。
② 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の 活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
③ 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
④ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格 な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を 有しているか。
⑤ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果 を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む) を牽引する事業となることが期待できるか。
※以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮いたします。
○地域未来牽引企業 https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html
○地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画 https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/miraitoushi/jigyou.html
⑥ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供 するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組 むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学 等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。 また、事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できる か。
※以下のピッチ大会出場者は審査で考慮いたします。
○アトツギ甲子園 https://www.meti.go.jp/press/2022/11/20221104008/20221104008.html
(5)グリーン成長点(グリーン成長枠に限る)
(研究開発・技術開発、人材育成共通)
① 事業再構築の内容が、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に 資する取組となっているか。
(研究開発・技術開発計画書を提出した場合)
② 研究開発・技術開発の内容が、新規性、独創性、革新性を有するものであるか。
③ 研究開発・技術開発の目標が、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題に基づき適 切に設定されており、目標達成のための課題が明確で、その解決方法が具体的に示され ているか。
④ 研究開発・技術開発の成果が、他の技術や産業へ波及的に影響を及ぼすものであるか。
(人材育成計画書を提出した場合)
② グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する事業再構築を行 うために必要性の高い人材育成を行う計画となっているか。
③ 目標となる育成像や到達レベルの評価方法などを含め、具体的かつ実現可能性の高い計 画が策定されており、また、人材育成管理者により、その進捗を適切に把握できるもの となっているか。
④ 人材育成を通じて、被育成者が高度なスキルを身につけることができるものとなってい るか。また、身に着けたスキルを活用して、企業の成長に貢献できるか。
(6)大規模な賃上げに取り組むための計画書の妥当性 (成長枠・グリーン成長枠で補助率引上げを希望する事業者に限る)
① 大規模な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当な ものとなっているか。
② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費 に充当しているか。
(7)卒業計画の妥当性(卒業促進枠に限る)
① 事業再構築の実施による売上高や付加価値額の継続的増加が妥当なものであり、法人規 模の拡大・成長に向けたスケジュールが具体的かつ明確に示されているか。
② 資本金増加の見込・出資予定者や従業員の増加方法が具体的に示されており、その記載 内容や算出根拠が妥当か。
(8)大規模賃上げ及び従業員増加計画の妥当性(大規模賃金引上促進枠に限る)
① 大規模賃上げや従業員増員に向けた取組内容が具体的に示されており、その記載内容や 算出根拠が妥当なものとなっているか。
②一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。
*この後に続く「加点項目」は公募要領をご確認ください

補助金の事業計画書を作成する時に、必ず守るべきポイントです

佐藤絵梨子
審査ポイントを意識して書く
不採択を採択に変える書き方のポイントの2つ目は、審査ポイントを意識して書くことです。
公募要領には審査ポイントも記載されています。
1つ目の「事業計画書に書くべき項目」と重複する項目もありますが、審査ポイントは公募要領の以下の箇所に記載されています。確認しておきましょう。
記載項目・審査項目はココをチェック
▶︎10.事業計画作成における注意事項
(第11回公募要領 P46〜48)
*ページ数はPDF下に表記されているページ数
+ ←「事業計画作成における注意事項」をテキストで見る方はこちらをクリック
*第11回申請回(令和5年10月6日締切)の公募要領から抜粋。必ずご自身でも該当箇所をご確認ください
10.事業計画作成における注意事項
〇事務局が別途公表する電子申請システム操作マニュアルの指示に従って、入力漏れがないよう、必要事項を入力の上、申請してください。申請の準備にあたっては、電子申請入力項目を参照し、入力が必要な項目をご確認ください。添付書類については、ファイル名確認シートを参照し、決められたファイル名にしてください。
○事業計画書の具体的内容については、審査項目を熟読の上で作成してください(電子申請システムにPDF形式のファイルを添付してください。以下、1~4の項目について、A4サイズで計15ページ以内(補助金額1,500万円以下の場合は計10ページ以内)での作成にご協力ください。記載の分量で採否を判断するものではありません)。
※会社名を事業計画書の1ページ目に必ず記載し、各ページにページ数を記載してください。
※1ページ目で、製品・サービスに事業者にとっての新規性があること、及び新製品・新サービスを通して既存事業と異なる市場に進出することについて説明してください。1ページ目で「事業再構築」の定義に合致するか(前提要件を満たすか)審査を行い、合致しないと判断された場合には不採択となります。2ページ目以降で表1に記載の審査基準に基づき事業内容を評価し、評価が高い案件を採択します。
※図表はA4サイズで内容が読み取れるサイズでの貼り付けにご協力ください。
※事業計画書は、申請者自身で作成してください。
※グリーン成長枠に申請される場合は、【グリーン成長要件】を満たしていることについて説明する資料(研究開発・技術開発計画書又は人材育成計画書)を作成し、提出してください。
※厚生労働省の産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)を活用する1③(1)に該当する事業主は、以下1③(2)で求める項目について必ず記載してください(記載が無い場合、本助成金の支給は受けられません)。当該記載のためにページ数の制限(原則15ページ以内。補助金額1,500万円以下の場合は10ページ以内)を超過することは差し支えございません。
(参考)産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)とは?
※令和5年度創設業況の厳しい事業者が行う事業再構築を人材の育成・確保の面から支援する助成制度です。助成内容や支給を受けるための要件などの詳細については、令和5年3月31日に厚生労働省ホームページへ掲載する予定となっておりますのでご確認ください。
・厚生労働省ホームページURL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/sankokinjigyou-saikouchiku.html
・ご不明な点は令和5年4月1日以降に、下記のコールセンターまたは最寄りの都道府県労働局、ハローワークまでお問い合わせください。
【雇用調整助成金、産業雇用安定助成金コールセンター】
電話番号0120-603-999受付時間9:00~21:00(土・日・祝日も受け付けています)
なお、本補助金で補助金交付候補者として採択されたことをもって事業計画に記載されたすべての雇い入れについて助成金の対象として認められる訳ではございません。助成金の支給申請後、要件審査の上で支給決定を行いますので、予めご承知おきください。
○申請する事業再構築の類型について、事業再構築指針との関連性を説明してください。
1:補助事業の具体的取組内容
①応募申請する枠と事業再構築の種類(「新市場進出(新分野展開、業態換)」、「事業転換」、「業種転換」、「事業再編」、「国内回帰」)に応じて、「事業再構築指針」に沿った事業計画を作成してください。1ページ目に、既存製品と新製品、既存市場(顧客)と新市場(顧客)、既存事業と新事業などについて、これまでのものとこれからのものが、それぞれ何が異なるかを具体的に記載してください。1ページ目の記載については、事務局HPで掲載する参考様式もご参照ください。
②2ページ目以降に、現在の事業の状況、強み・弱み、機会、脅威、事業環境、事業再構築の必要性、事業再構築の具体的内容(既存事業との違い(特に顧客の違い)、提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)、今回の補助事業で実施する新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰の取組について具体的に記載してください。事業実施期間内に投資する建物の建設・改修等の予定、機械装置等の型番、取得時期や技術の導入や専門家の助言、研修等の時期についても、可能な限り詳細なスケジュールを記載してください。※必要に応じて、図表や写真等を用いて、具体的に記載してください。
③補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制(※1)など、具体的に記載してください。
※1次の(1)に該当する場合は、(2)の項目を必ず明記してください。
(1)次のイ~ハのいずれにも該当する事業主イ物価高騰対策・回復再生応援枠又は最低賃金枠に応募申請する事業者ロ事業再構築にあたり年収350万円以上の正社員(無期雇用)を採用予定の事業者ハ厚生労働省の産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)の活用を希望する事業者
(2)明記する項目イ採用予定者の配置部署・役職名、部下の有無ロ採用予定者が従事する業務の内容(事業再構築との関連性を含む)、職種ハ採用予定者に求める資格、スキル、経験など
④既存事業の縮小又は廃止、省人化により、従業員の解雇を伴う場合には、再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組について具体的に記載してください。
⑤個々の事業者が連携して遂行する事業である場合、又は、代表となる事業者が複数の事業者の取り組みを束ねて一つの事業計画として申請を行う場合は、事業者ごとの取組内容や補助事業における役割等を具体的に記載してください。
2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
①本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等について、その成果の優位性・収益性や課題やリスクとその解決方法などを記載してください。
(参考)〇経済産業省において、市場動向等を簡易に把握できる「統計分析ツール」を公開しています。鉱工業品約1,600品目を対象として、簡易な操作で過去5年間の生産動向等をグラフ化することができます。必要に応じて、自社の事業計画作成にご活用ください。また、商業・サービス業については、過去10年間の販売額や売上高等を同様にグラフ化することができます。具体的な活用方法を分かりやすく解説する動画もあわせてご覧ください。
・統計分析ツール「グラレスタ」のURL:https://mirasapo-plus.go.jp/hint/14583
・解説動画のURL:https://www.youtube.com/watch?v=eOJtZc2jTcE
〇内閣府において、知財が企業の価値創造メカニズムにおいて果たす役割を的確に評価して経営をデザインするためのツール(経営デザインシート)やその活用事例等を公表しています。事業計画の作成に際し、必要に応じてご活用ください。
・首相官邸HP「経営をデザインする(知財のビジネス価値評価)」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html
②本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の価格等について記載してください。
③必要に応じて図表や写真等を用い、具体的に記載してください。
3:本事業で取得する主な資産本事業により取得する主な資産(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)の名称、分類、取得予定価格等を記載してください。(補助事業実施期間中に、別途、取得財産管理台帳を整備していただきます。)
4:収益計画
①本事業の実施体制、スケジュール、資金調達計画等について具体的に記載してください。
②収益計画(表)における「付加価値額」や「給与支給総額」(成長枠、グリーン成長枠の場合)の算出については、算出根拠を記載してください。
③収益計画(表)で示された数値は、補助事業終了後も、毎年度の事業化状況等報告等において伸び率の達成状況の確認を行います。
▶︎審査項目・加点項目
(第11回公募要領 P49〜54)
*ページ数はPDF下に表記されているページ数
+ ←「審査項目」をテキストで見る方はこちらをクリック
*第11回申請回(令和5年10月6日締切)の公募要領から抜粋。必ずご自身で該当箇所を最終確認してください *この後に続く「加点項目」は公募要領をご確認ください審査項目
(1)補助対象事業としての適格性
「4.補助対象事業の要件」を満たすか。補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均 3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上の増加等を達成する取組みであるか。
(2)事業化点
① 補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場 ニーズの有無を検証できているか。
② ターゲットとするマーケットにおける競合他社の状況を把握し、競合他社の製品・サー ビスを分析し、自社の優位性が確保できる計画となっているか。特に、価格・性能面で の競争を回避し継続的に売上・利益が確保できるような差別化戦略が構築できているか (オープン/クローズ戦略等を通じた知財化戦略や標準化戦略による参入障壁の構築、 研究開発やブランディング・標準化を通じた高い付加価値・独自性の創出、サプライチ ェーンや商流の上流・下流部分を自社で構築するなど他社が模倣困難なビジネスモデル の構築、競合が少ない市場を狙うニッチ戦略等)。
③ 事業化に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できているか。また、事業化に至る までの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か。
④ 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状 況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分 な資金の調達が見込めるか。※複数の事業者が連携して申請する場合は連携体各者の財 務状況等も踏まえ採点します。
(3)再構築点
① 自社の強み、弱み、機会、脅威を分析(SWOT 分析)した上で、事業再構築の必要性が 認識されているか。また、事業再構築の取組内容が、当該分析から導出されるものであ るか、複数の選択肢の中から検討して最適なものが選択されているか。
② 事業再構築指針に沿った取組みであるか。特に、業種を転換するなど、リスクの高い、 大胆な事業の再構築を行うものであるか。※複数の事業者が連携して申請する場合は、 連携体構成員が提出する「連携体各者の事業再構築要件についての説明書類」も考慮し 採点します。
③ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規 模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウ ハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、 効果的な取組となっているか。
④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプラ イチェーンのイノベーションに貢献し得る事業か。
⑤ 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の 経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。
(4)政策点
① ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見 込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すこと に資するか。
② 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の 活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
③ 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
④ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格 な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を 有しているか。
⑤ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果 を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む) を牽引する事業となることが期待できるか。
※以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮いたします。
○地域未来牽引企業 https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html
○地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画 https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/miraitoushi/jigyou.html
⑥ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供 するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組 むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学 等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。 また、事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できる か。
※以下のピッチ大会出場者は審査で考慮いたします。
○アトツギ甲子園 https://www.meti.go.jp/press/2022/11/20221104008/20221104008.html
(5)グリーン成長点(グリーン成長枠に限る)
(研究開発・技術開発、人材育成共通)
① 事業再構築の内容が、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に 資する取組となっているか。
(研究開発・技術開発計画書を提出した場合)
② 研究開発・技術開発の内容が、新規性、独創性、革新性を有するものであるか。
③ 研究開発・技術開発の目標が、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題に基づき適 切に設定されており、目標達成のための課題が明確で、その解決方法が具体的に示され ているか。
④ 研究開発・技術開発の成果が、他の技術や産業へ波及的に影響を及ぼすものであるか。
(人材育成計画書を提出した場合)
② グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する事業再構築を行 うために必要性の高い人材育成を行う計画となっているか。
③ 目標となる育成像や到達レベルの評価方法などを含め、具体的かつ実現可能性の高い計 画が策定されており、また、人材育成管理者により、その進捗を適切に把握できるもの となっているか。
④ 人材育成を通じて、被育成者が高度なスキルを身につけることができるものとなってい るか。また、身に着けたスキルを活用して、企業の成長に貢献できるか。
(6)大規模な賃上げに取り組むための計画書の妥当性 (成長枠・グリーン成長枠で補助率引上げを希望する事業者に限る)
① 大規模な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当な ものとなっているか。
② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費 に充当しているか。
(7)卒業計画の妥当性(卒業促進枠に限る)
① 事業再構築の実施による売上高や付加価値額の継続的増加が妥当なものであり、法人規 模の拡大・成長に向けたスケジュールが具体的かつ明確に示されているか。
② 資本金増加の見込・出資予定者や従業員の増加方法が具体的に示されており、その記載 内容や算出根拠が妥当か。
(8)大規模賃上げ及び従業員増加計画の妥当性(大規模賃金引上促進枠に限る)
① 大規模賃上げや従業員増員に向けた取組内容が具体的に示されており、その記載内容や 算出根拠が妥当なものとなっているか。
②一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。
*この後に続く「加点項目」は公募要領をご確認ください

「審査項目」=「審査員が事業計画書を見るときに重点的にチェックするポイント」です。採択に大きく影響するポイントですよ。
熟読して事業計画書を作成してください。
例えば、以下のように考えながら書いていくと良いですね。
審査項目はこう考えて書く
例えば、以下のような審査項目があった場合の書き方を説明します。
本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか
「事業計画書に書くべき項目」にも「本事業の実施体制」という項目がありましたよね?
「事業計画書に書くべき項目」の「実施体制」について書く時は、審査項目にある「人材、事務処理能力等も記載して、補助事業をしっかり進められることをしっかり伝えないといけないな」と考えながら書いていくのです。
「事業計画書に書くべき項目」と「審査項目」を照らし合わせて書き進めてみてください。
★よくあるイマイチな書き方【実例】
1つ上のパートでご紹介した実施体制の書き方のイマイチな書き方をご紹介します。
実施体制を以下のように、担当者名・担当業務だけの表で済ませているケースをよく見かけるのですが、これでは、審査項目にある『補助事業を適切に遂行できるかどうか』が審査員にきちんと伝わりません。
イマイチな実施体制の例
担当業務 | 担当者名 |
●●●●●●(担当業務名) | ■■■■■■■(担当者の名前) |
●●●●●●(担当業務名) | ■■■■■■■(担当者の名前) |
●●●●●●(担当業務名) | ■■■■■■■(担当者の名前) |
「その業務があれば事業はまわるのか?」
「その担当者で事業はうまくいくのか?」
このような疑問を抱く審査員も少なくはないでしょう。
担当者の能力や、その担当者を選んだ理由も記載が必要です。
計画内容によっては、なぜその担当業務が必要なのかの説明もしておいた方が良いですね。
審査員が理解できるように書く
不採択を採択に変える書き方のポイントの3つ目は、審査員が理解できるように書くことです。
誰が読んでも内容がわかるように、読み手のことを考えた事業計画書を作成するということですね。
作成した本人しか内容を理解できないような事業計画書はNGです。「審査員が内容を読み取ってくれるだろう」という審査員だのみも通用しません。
とくに以下の3点を意識すると、わかりやすい事業計画書になるでしょう。
審査員に理解させるための作成ポイント
- 専門用語や略語はつかわない
- 説明を”はしょりすぎない”
- 画像や図表を入れる(文字だけで説明しない)
実は専門用語や略語は業界内でしか通じないことも多いです。極力使わないか、注釈を入れるなど、誰にでもわかるように工夫しましょう。
説明をはしょりすぎるのも、内容が伝わらない原因になります。
画像や写真を入れるのは効果的です。商品や製品、建設する建物や導入する機械装置などは、画像があればすぐ伝わります。
文字びビッシリの計画書は、内容を理解するまでに時間がかかります。読み手も疲れてしまいますので、図や表などを入れて、素早く理解してもらうための工夫をしましょう。
わかりやすく伝えることに、手を抜いてはいけません!

佐藤絵梨子
よくある不採択理由8つと書き直し方

このパートでは、よくある不採択理由の書き直し方を解説します。
不採択理由で同じ指摘をされている方は、参考にしてください。
よくある8つの不採択理由
- 事業遂行について判断材料が少ないため、公募要領を基に事業計画をより明確に記載すると良い
- 事業化に向けて競合他社の動向を把握した上で、市場ニーズを考慮することが必要
- 事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールをもう少し検討してほしい
- 既存事業とのシナジー効果が期待されることを示したうえで、効果的な取り組みとなるよう検討が必要
- リスクの高い思い切った大胆な事業再構築であると示せるとより良い
- 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築を通じて地域のイノベーションに貢献できる計画になるとより良い
- 既存事業における売り上げ減少が著しいなど新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており事業再構築を行う必要性、重要性が高いことが詳しく記載することが望ましい
- 市場ニーズや自社の強いを踏まえ、選択と集中を戦略的に組み合わせ、リソースの強化を図る取り組みにしてほしい
「どう改善すれば良いか」は、業種や計画内容によっても変わってきます。下記はあくまでも改善策の一例として、参考にしてください。
事業遂行について判断材料が少ないため、公募要領を基に、事業計画をより明確に記載すると良い
事業計画書に記載すべき項目をすべて記載していない可能性があります。記載すべき項目がすべて記載できているか、確認しましょう。
自分ではうまく伝えたつもりでも、読み手には伝わっていない可能性もあります。第三者などに事業計画書を読んでもらい、内容が理解できるか確認してもらうこともおすすめします。
さらに、事業計画書には計画内容をくわしく記載できているけれど、「本当にこれで事業がうまくいくのか?」と審査員が不安を感じている可能性もあります。
- 事業計画そのものに問題がないか
- スケジュールや体制・お客様の獲得目標・資金繰り・目標とする業績数値は実現可能な内容か
- 実現できる理由が文章や画像から伝わるか
このような点も、確認してみてください。
事業化に向けて競合他社の動向を把握した上で、市場ニーズを考慮することが必要
競合他社の動向把握については、
- 新規事業の競合他社が提供する商品・サービスの性能や価格を調べ、自社と比較したり、自社の性能や価格を決める時の参考にしているか
- 競合と自社の性能や価格を比べて、「自社のここが優れている」とわかりやすく書けているか
を確認してみてください。
「競合を調べて、新規事業で提供する製品・サービスの性能や価格を決めましたか?(じゃないと市場で勝てないですよね?)」という指摘でもありますから、事業計画そのものの見直しも検討する必要があるかもしれませんね。
市場ニーズについては、
- 新規事業のターゲット層にはどのようなニーズがあるのか
- 新規事業のマーケットや市場規模はどのような状態か(トレンドは?市場の動向は?)
についてしっかり書けているか確認してみてください。
「マーケットや市場規模を調べて、新規事業を決めましたか?(じゃないとコロナ後に上手くいく新規事業を選べませんよね?)」という指摘でもありますから、事業計画そのものの見直しも検討する必要があるかもしれませんね。
事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールをもう少し検討してほしい
全体的に見直しが必要なケースが多いですね。
新規事業の内容が十分に書けていますか?
ターゲットは?価格は?提供方法は?集客・広告宣伝方法は?実施体制は?スケジュールは時系列で細かく書けていますか?
きちんと書けているかだけでなく、その計画で事業はうまく進むのかも、検討する必要があるかもしれません。
既存事業とのシナジー効果が期待されることを示したうえで、効果的な取り組みとなるよう検討が必要
シナジー効果には、新規事業と既存事業で互いに顧客を誘導できること、ノウハウや知的財産を相互に転用できることを記載すると良いです。
その結果、新規事業・既存事業ともに売上の伸びに繋がる旨が伝わると、効果が高い取り組みとして捉えてもらいやすいでしょう。
「既存事業とのシナジー効果」のような見出しを入れて、パッと見でわかりやすく記載しておくのも良いです。
そもそも既存事業と新規事業でシナジー効果があるのか、事業計画そのものの見直しも必要かもしれませんね。
リスクの高い思い切った大胆な事業再構築であると示せるとより良い
リスクの高い思い切った大胆さは、
- 既存事業と新規事業の違い
- 再構築で自社がどう変わるのか(変化)
をしっかり書くと伝わりやすいです。
例えば、既存事業と新規事業の製造方法の違い、提供方法の違い、集客方法の違い、ユーザー(ターゲット)の違いは、はっきり書けていますか?
建設業から飲食業への事業転換のように、明らかに業種が異なる思い切った事業転換であったとしても、違いや変化を意識して書かなければ、審査員には伝わりません。
また、そもそも事業計画はリスクの高い思い切った再構築ですか?
既存事業の延長線上のような計画では、事業再構築補助金が支援する思い切った再構築と見なされません。事業計画の再考も検討する必要があるかもしれません。
先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築を通じて地域のイノベーションに貢献できる計画になるとより良い
書き方は、「先端的なデジタル技術の活用」「地域貢献」のような見出しを入れて、パッと見でわかりやすく記載しておくと良いです。
地域貢献は、地域での採用の増加、近隣事業との取引の増加なども当てはまります。地域への波及効果があることをわかりやすく説明してください。
また、そもそも今回の計画でデジタル技術の活用・地域貢献を考えていなかった場合は、
- デジタル技術を取り入れられないか
- 地域貢献ができないか
というように、計画の見直しも検討する必要もあるでしょう。
既存事業における売り上げ減少が著しいなど新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており事業再構築を行う必要性、重要性が高いことが詳しく記載することが望ましい
「再構築の必要性」という見出しを入れて、しっかり説明しているか確認しましょう。
再構築の必要性では、主に次の点が明確に伝わるように書くと良いです。
- コロナによる既存業界への影響
(取り巻く環境への影響) - コロナによる自社業績への影響
- 新規事業に進出する必要があること
既存業界への影響では、既存事業の市場規模が縮小していることがわかるデータなど、既存業界だけにとどまっていては危険だとわかるデータなども入れると良いですね。
自社業績への影響では、コロナ前後の数値も盛り込むと良いですね。
新規事業に進出する必要があることでは、強み×市場機会を活かすこと、コロナで生じた課題を解消することも盛り込むと良いです。
市場ニーズや自社の強いを踏まえ、選択と集中を戦略的に組み合わせ、リソースの強化を図る取り組みにしてほしい(その旨を明確に記載してほしい)
リソースは「事業で使える資源」と考えてください。
例えば、「ヒト・モノ・カネ」など。
技術や知識、社内で蓄積してきたノウハウ、知財、許可登録なども、大切な経営資源ですよね。
市場ニーズがあることを踏まえて、この「事業で使える資源」を今回の再構築でうまく活かしていること、強化していること、広げすぎず最適な形で活用していることを説明してほしいという指摘です。
例えば、ヒトとモノなら、
- ヒト:既存の人員をどう活かすか、どのように再配置するか
- モノ:機械設備や土地などをどう活かすか、見直すか
といった点を説明しましょう。
事業計画によって改善する箇所が変わりますが、まずは「社内リソースの最適化」のような見出しを入れて説明したり、新規事業の説明でうまくアピールすることを検討してください。
不採択でもめげない!
私のブログでは繰り返しお伝えしていますが、1回・2回の不採択で補助金を諦めてはいけません。
何度も何度も挑戦をして、やっと採択された社長様も沢山いらっしゃいます。
※会社信用ドットコムにご相談に来られる社長様の大半は、1〜5回不採択を経験しておられます。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
貴社が補助金に採択され、ますます事業を発展させていかれることを心より応援しています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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