そんな経営者様はぜひお読みください。
制度の名称は「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」です。
一見すると助成金とは思えない名称ですが、れっきとした助成金です。令和6年度から開始された新しい助成金になります。
知らないともったいない中小企業にとってメリット盛りだくさんの制度ですよ。
この記事で対象企業や特徴を解説したので、チェックしておきましょう!
助成金は、すべての事業者がもらえるわけではありません。
厳しい審査を突破した事業者だけが手にすることができます。
採択可能性を高めるポイントも解説しました。
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
メリット盛りだくさんの助成金!新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業とは?
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業は、ポストコロナ等における事業環境の変化を課題と捉え、これまで営んできた事業(既存事業)の深化又は発展に取り組む事業者を支援する助成金です。
東京都の助成金ですので、都内中小事業者の経営基盤を強化することを目的としています。
取り組みが経営基盤の強化につながると認められると、取り組みにかかった経費の一部を補助してもらえます。
例えば、取り組みに600万円お金がかかったとしたら、その2/3の400万円を後から補填してもらえるという流れですね。
先にお金をもらえる制度ではないことを知っておいてくださいね。
この助成金を運営しているのは「東京都中小企業振興公社」(※公的機関です)という機関です。
制度のチラシ画像を載せておきますので、まずはざっと確認しておきましょう。
助成金の対象者・対象経費・金額は?
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の対象者・もらえる金額・対象経費を確認しておきましょう。
対象者・対象経費・補助金額
対象者 | ・東京都内で事業を行う中小企業者(個人事業主を含む) ・直近決算期の売上高が「2019 年の決算期以降いずれかの決算期」と比較して減少している、または直近決算期において損失を計上している中小企業者 |
補助対象期間 | 交付決定日から最大1年間 |
対象経費 | ●原材料・副資材費 ●機械装置・工具器具費 ●委託・外注費 ●産業財産権出願・導入費 ●規格等認証・登録費 ●設備等導入費 ●システム等導入費 ●専門家指導費 ●不動産賃借料 ●販売促進費 ●その他経費 ※委託・外注費のうち「市場調査費」「専門家指導費」「販売促進費」「その他経費」の単独の申請はできません。 ※販売促進費は、既存事業に係る販売促進については対象外となります。 |
補助上限額 | 800万円(補助率1/3以内) |
補助率 | 助成対象経費の3分の2以内 |
対象は東京都内で事業を行う事業者です。
売上減少、損失計上という条件もありますね。
その他の細かい条件は、公式サイトや募集要項に掲載されています。必ず確認しましょう。
助成金の対象になる取り組みは?
既存事業の「深化」または「発展」につながる取り組みが助成金の対象になります
とくになんの取り組みもしていない企業は対象ではありません!注意してくださいね。
対象になる取り組みの例
項目 | 取り組み内容 |
既存事業の「深化」 | 経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業自体の質を高めるための取組 ・高性能な機器、設備の導入等による競争力強化の取組 ・既存の商品やサービス等の品質向上の取組 ・高効率機器、省エネ機器の導入等による生産性の向上の取組 |
既存事業の「発展」 | 経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業を基に、新たな事業展開を図る取組 ・新たな商品、サービスの開発 ・商品、サービスの新たな提供方法の導入 ・その他、既存事業で得た知見等に基づく新たな取組 |
対象外の取り組みもあります。要チェックです。
下記の取り組みは対象外です!
・申請者が営んできた事業内容との関連性が薄い、又は全く無い取組
・法令改正への対応など、義務的な取組
・単なる老朽設備の維持更新など、競争力や生産性の向上に寄与しない取組
提出書類
主な書類は以下のものです。会社の実態が確認できる書類や、取り組み内容がわかる書類が必要です。
主な提出書類
- 申請書類一式
- 履歴事項全部証明書
- 決算書(損益決算書)
- 確定申告書
- 誓約書
- 法人事業税納税証明書
- 法人都民税納税証明書
- 見積書や設計図など
審査方法・審査項目
審査は「書類審査」と「面接審査」の2つです。
2つの審査を突破した事業者が晴れて採択企業となります。
1次審査:書類審査
専門家による審査です。審査員が一定のレベルにあると判断した事業者は、面接審査に進むことができます。
書類審査の結果は申請から1か月程度で知らされます(※申請の件数や内容によって前後する可能性があります)
2次審査:面接審査(対面)
申請書類の内容について専門家の面接審査が行われます。経営者(社長)・役員が申請書類の内容を説明し、一定レベルにあると認められた場合は、採択(※資金補填の権利を獲得すること)となります。
結果は面接実施から概ね1ヶ月以内に知らされます(※申請の件数や内容により、時期が前後する可能性があります)
審査項目(1次審査・2次審査共通)
- 発展性(既存事業の深化・発展に資する取組か)
- 市場性(ポストコロナ等における事業環境の変化前後の市場分析は十分か)
- 実現性(取り組むための体制は整っているか)
- 優秀性(事業者としての創意工夫、今後の展望はあるか)
- 自己分析力(自社の状況を適切に理解しているか)
企業成長の可能性、取り組み内容の実行力、力強く経営する力がチェックされます。
審査突破の難易度は高めですが、本気の経営者様にとっては挑戦しがいがあるでしょう。
募集スケジュール
募集は毎月行われる予定です。不採択だった場合は何度も再挑戦できますよ。
ただし、注意点があります。
申請受付期間でも、応募が規定件数に達すると受付期間前に締め切られます。
第6回の受付は令和6年9月2日9時開始、9時15分締切だったようです。
さらに、予算の都合により、12回より早く募集が終わることも考えられます。
これから申請をする場合は、受付期間内の早いタイミングで申請しましょう。
募集スケジュール
募集回 | 申請受付期間 |
---|---|
第1回 | 令和6年4月1日から4月15日まで |
第2回 | 令和6年5月1日から5月15日まで |
第3回 | 令和6年6月3日から6月14日まで |
第4回 | 令和6年7月1日から7月12日まで |
第5回 | 令和6年8月1日から8月15日まで |
第6回 | 令和6年9月2日から9月13日まで |
第7回(予定) | 令和6年10月1日から |
第8回(予定) | 令和6年11月1日から |
第9回(予定) | 令和6年12月2日から |
第10回(予定) | 令和7年1月6日から |
第11回(予定) | 令和7年2月3日から |
第12回(予定) | 令和7年3月3日から |
申請から入金までの流れも要チェックです!
申請しやすい3つの理由
確かに、審査を突破し、入金までたどり着くのは簡単なことではないでしょう。
でも、実はこの助成金、初めて申請をする事業者でも取り組みやすい配慮がされているんですよ。
それが以下の3つ。
申請しやすい3つの理由
- 既存事業をベースにした取り組みが対象
- 毎月募集がある
- フォーマットがある
1つずつ解説しますね。
既存事業をベースにした取り組みが対象
申請しやすい理由の1つ目は、助成金の対象が「既存事業をベースにした取り組みであること」です。
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の対象になる取り組みは、既存事業の「深化」または「発展」につながる取り組みです。
これまで行ってきた事業の実績や経験をもとにした計画が対象ですので、全く新しい事業や革新的な事業を対象とする補助金よりも、取り組みやすいのではないでしょうか。
どんな会社が対象がわからない方は、冒頭の「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業とは?」でお伝えした内容をもう1度お読みくださいね。
毎月募集がある
申請しやすい理由の2つ目は、毎月募集があることです。
他の補助金や助成金は3カ月ごとの募集や、年に1回だけの募集というものも多いです。
そんな中、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業は毎月募集があります。
毎月募集があれば、「今回の募集を逃したら次は来年だ!」なんて慌てることもありません。
最適なタイミングで申請できるはずです。早めに資金を獲得できるのも嬉しいですね。
フォーマットがある
申請しやすい理由の3つ目は、申請書類のフォーマットがあることです。
経済産業省が運営する大型の補助金では、申請書類がフリーフォーマット(自由形式で作成)というケースがあります。
フリーフォーマットだと、事業計画書を書き慣れていない経営者様は困ってしまうでしょう。
対して、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業は、「ここにこれを記載してね」というフォーマットがあるのです。
記載方法や文章表現に工夫や戦略は必要ですので甘く見てはいけませんが、ほかの補助金や助成金に比べれば取り組みやすいと思いますよ。
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の採択率は?
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の採択結果は、現時点では発表されていません。
東京都中小企業振興公社の助成金で採択された企業は、こちらのページで公表されています。
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の第1回の採択結果がそろそろ出ると思いますので、発表され次第、この記事でもアップしますね。
採択率アップに必要な能力
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業には審査があります。
その審査を突破できるのは選ばれた事業者だけ。どうすれば採択されるのか気になりますよね?
そこでこのパートでは、この助成金の申請サポートをさせていただいている私が「こんな能力のある会社は採択される」と思う特徴をご紹介します。
採択率アップに必要な能力
- 事業計画のアピール力
- 面接審査の突破力
- 覚悟と忍耐力
- 事業の本気力
- 自己暗示力
1つずつ解説します。
自社にその力があるか、確認してみてください。
事業計画のアピール力
採択率アップに必要な能力の1つ目は、事業計画のアピール力です。
良い取り組みを行う計画があっても、計画の良さが審査員に伝わらなければ審査を突破できません。
計画の良さが伝わる申請書類をつくる必要があります。
アピールポイントを考え、1つ1つの表現方法を工夫する努力が求められますね。
面接審査の突破力
採択率アップに必要な能力の2つ目は、面接審査の突破力です。
書類審査を通過したら、次は面接審査です。
面接は、書面ではわかりにくい部分をわかりやすく伝える絶好の機会です。取り組みに対する熱意も伝わりますよね。
取り組みの良さを口頭で的確に伝える能力が求められます。説明が苦手な経営者様は対策をしておきましょう。
面接で良い印象を持ってもらうことに気を配る必要もありますね。
覚悟と忍耐力
採択率アップに必要な能力の3つ目は、覚悟と忍耐力です。
助成金の申請は大変です。申請準備にも、取り組み実施後の報告にも、時間と労力がかかります。
事業者様の大半が「思っていたよりずっと大変だった」とおっしゃるくらいです。
資金を勝ち取るなら、時間と労力がかかる覚悟で挑みましょう!
事業の本気力
採択率アップに必要な能力の4つ目は、事業の本気力です。
事業に本気でなければ、どこかで妥協や怠慢が生まれてしまうもの。途中で辞めたくもなるかもしれませんね。
ここまでお伝えした事業計画のアピール、面接突破、忍耐と覚悟も、事業に本気でなければ頑張れないでしょう。
審査を突破するのは本気の経営者様だけです。
自己暗示力
採択率アップに必要な能力の5つ目は、自己暗示力です。
「何だか難しそう」「うちでは無理かも」と思っている経営者様。このままでは危険です。
自信満々で申請する経営者との競争に勝てないからです。「ダメかも」なんて思っていたら、審査員からの印象も悪くなります。
審査突破の最大の敵は弱い心かもしれませんね。
無理と感じる気持ちは一旦捨てて、「必ずできる!」と自己暗示をかけて臨みましょう!
助成金の申請が難しいと感じたら
私は第三者に相談することをおすすめしています。
補助金や助成金を獲得した知り合いが身近にいるのなら、まず相談してみると良いでしょう。
スムーズな申請準備のコツを教えてもらえるかもしれません。
専門家に相談するのも手です。
実力のある専門家なら、お悩みの最適解を示してくれるはずです。
身近に相談できる専門家がいない場合はご相談ください。全力でお力になります。
▶︎新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の審査突破サポート
補助金や助成金の獲得は、資金繰りに余裕を生み、事業の成長可能性を高めます。
末長い企業存続も後押ししてくれるでしょう。
みなさまの本気の取り組みが認められ、無事に助成金を獲得されることを心より応援しています。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
実際に申請サポートさせていただいた感想記事も配信中です!
会社信用ドットコムでは、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の第3回・第4回で申請する経営者様のサポートをさせていただきました。
ここはみなさま甘く考えがちだな(実は難易度高いです!)
ここはみなさまあまりご存じないな(戦略が必要です!)
このように感じたポイントや全体的な感想を以下の記事で配信しています。ぜひお読みくださいね。
【申請の感想】新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の盲点と注意点・採択率アップ戦略を解説
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請を考えている経営者様向けの記事。実際に申請をサポートしている専門家が「難易度が高い」「戦略が必要」と感じたポイントをお伝えします。採択率を高めるための対策もご紹介しています。
▶【申請支援しました】新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請支援・ご相談対応をした感想|採択率を高めるには?
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