ものづくり補助金の17次公募・18次公募のスケジュールが発表されました。
適応対象になる企業や申請枠は今までとガラリと変わりました。
口頭審査や銀行の確認書が必要なケースも出てきています。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
ものづくり補助金とは?
中小企業等が行う革新的な製品・サービスの開発、生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援する補助金です。
“省力化のための投資”という点は、これまでのものづくり補助金にはなかった要素ですね。
さらに、「申請枠」にも大きな変化がありました。
3つの申請枠がありますが、17次公募・18次公募で申請可能な「枠」が異なります。
省力化(オーダーメイド)枠(17次・18次公募で募集)
人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、 革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等が支援されます。
製品・サービス高付加価値化枠(18次公募で募集)
通常類型、成長分野進出類型の下記の2つの類型があります。
通常類型
革新的な製品・サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等が支援されます。
成長分野進出類型(DX・GX)
今後成長が見込まれる分野(DX・GX)で革新的な製品・サービス開発を行うのに必要な設備・システム投資等が支援されます。
グローバル枠(18次公募で募集)
海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等が支援されます。
ものづくり補助金の17次・18次公募のスケジュル
17次公募のスケジュール
- 申請開始:令和6年2月13日17時
- 申請締切:令和6年3月1日
- 交付候補者決定(採択発表):令和6年5月中旬頃
- 補助事業完了期限:令和6年12月10日
※補助事業完了期限←この期日までに補助金計画の投資を終わらせる必要があります。
18次公募のスケジュール
- 申請開始:令和6年3月11日
- 申請締切:令和6年3月27日
- 交付候補者決定(採択発表):令和6年6月下旬頃
- 補助事業完了期限:令和6年12月10日
※補助事業完了期限←この期日までに補助金計画の投資を終わらせる必要があります。
17次公募も18次公募も、採択から事業完了・完了報告までの期間がかなり短いスケジュールになっています。注意してくださいね。
令和6年能登半島地震で被害を受けた事業者の方は、18次公募の申請締切が延長されます。 ▶対象者:令和 6 年能登半島地震による被災地域(石川県、富山県、新潟県、福井県)に事業実施場所が所在し、被害(直接・間接含む)を受けた中小企業・小規模事業者等 ▶︎延長期限:18次公募の申請締切を令和6年5月9日(木)17:00まで延長
2024年のものづくり補助金の申請は慎重に!
2024年度の公募は17次公募、18次公募の2回の公募が行われることが発表されています(※その後については未発表です)。
繰り返しになりますが、採択から事業完了・完了報告までの期間はかなり短いです。
とくに18次公募は、交付決定が出てから事業完了までの期間が4か月半~5か月しかありません。
「その短期間で本当に投資を完了できるのか」をよく考えて、補助金を申請するか決めてください。
ものづくり補助金17次・18次公募の注意点
ものづくり補助金の17次公募、18次公募では以下の点に注意しましょう。貴社に最適な申請枠を選び、申請のタイミングを逃さないようにしてくださいね。
- 17次公募で申請できるのは「省力化(オーダーメイド)枠」
- 18次公募で申請できるのは「省力化枠」「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」
- 申請できるのは17次公募・18次公募のどちらか1つだけ
- 17次公募・18次公募では口頭審査が実施される(※どのような事業者が口頭審査の対象になるかは今後発表)
- 金融機関(ファンド等を含む)から資金を調達して事業を行う場合は金融機関からの確認書の提出が必要
ものづくり補助金の難易度
ものづくり補助金の近年の採択率は50%から60%ほど。
最新の16次公募では採択率が50%を切っており、申請者の半分以上が不採択になる狭き門になっています。
申請する事業者の計画レベルも高く、審査の難易度は高めと言えるでしょう。
例年との大きな違いとして、“省力化のための投資”という要件も加わっています。
審査基準も省力化を意識した内容に変わっていますので、審査基準に該当することを的確に伝える事業計画書を作成することが必要です。
例年以上に採択のハードルは上がっていると考えて、入念な準備のもとで申請にのぞみましょう。
ものづくり補助金で採択される完璧な申請準備のコツ
繰り返しになりますが、ものづくり補助金の採択には入念な準備が必要不可欠です。
少なくとも下記の7項目は必ず確認しておきましょう。
ものづくり補助金の採択をつかむ完璧な申請準備のコツ7選
- 早めのスケジュールで動く
- 最高の補助金計画を考える
- 審査項目をよく知る
- 採択レベルの事業計画書をつくる
- 加点を取りこぼさない
- 必要書類の不備撲滅
- 信頼できる専門家を味方につける
詳しくは下記記事で解説しています。ものづくり補助金のお役立ち情報満載です。
ものづくり補助金の採択は難しい?審査突破のプロが教える!完璧な申請準備のコツ7選
ものづくり補助金で採択されたい方向けの記事。審査突破のプロが「採択される完璧な申請準備」についてお伝えします。
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▶︎ものづくり補助金の採択は難しい?完璧な申請準備のコツ7選
2024年のものづくり補助金は大チャンス
もともと難しい補助金なのに、申請枠の変化や“省力化”の追加、審査基準の変更もあって、申請のハードルが高く感じる。
そんな社長様もいらっしゃると思います。
ですが、申請のハードルが上がっている時こそ、補助金獲得の大チャンスです。
貴社が難しいと感じることは、他社でも難しいと感じています。そして、的確な対策が取れない事業者や、諦めてしまう事業者もたくさんいます。
採択されるのは、本気で真剣に考え、諦めなかった事業者だけです。
どうぞ諦めず補助金獲得に挑戦してくださいね。
補助金の獲得は、事業実現の可能性を高め、会社の成長を後押しします。
みなさまが補助金を獲得し、ますます成長されますことを心から応援しています。
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