このようなご要望にお応えします。
本記事でご紹介するのは上級者向けの書き方です。
審査員の心をつかむワンランク上のテクニックをお伝えします。
他社と差をつけたい方、人気の補助金で採択されたい方、不採択リベンジを狙う方は必読です。
ぜひ最後までお読みくださいね。
この記事を書いている私のこと
佐藤絵梨子/会社信用ドットコム代表
世界最大の企業情報を保有する (株)東京商工リサーチに入社後、個人から売上1兆円企業まで10年間で延べ7,000社以上を調査。商業登記簿から会社の信用度を見抜くほどになり、全国1,000人以上の調査員中、営業成績1位獲得の実績を誇る。2017年同社を退職。現在は大手企業との取引実現から銀行融資・補助金獲得まで支援するサービスを展開。小さな企業の救世主として期待されている。
*経済産業省認定 経営革新等支援機関(認定支援機関ID:107713006411)
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴
審査を突破するには、相手を知ることが重要です。
まずは「どのような事業計画書が補助金審査員の心をつかむのか」を知っておきましょう。
とにかくわかりやすい
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴の1つ目は、とにかくわかりやすいことです。
どんなに良い計画でも、審査員に良さが伝わらなければ意味がありません。
審査員がすぐに理解できるように内容を整理して、誰でもわかる言葉で作成された事業計画書が必要です。
「ここには記載すべき項目のコレを書いています」「ここにはこの審査ポイントの内容を書いています」
とわかるように書くことも必要ですね。
画像やグラフでパッと見で理解させる工夫も必要です。
ただ書くだけではなく、”伝える努力”が必要ですね。
曖昧なところが一切ない
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴の2つ目は、曖昧なところが一切ないことです。
補助金の審査では『実現可能性』が重視されます。「本当にやるのか?」「絶対にできるのか?」という目でチェックされるのですね。
「決まっていないのでは?」と思われるような表現を使わないこと。決まっているのに書き忘れることがないようにしましょう。
「補助金で何をするか」
「どのような方法で行うか」
「どんな成果を出すか」
とくにこの3点が曖昧だと思われると、採択はかなり厳しいです。気をつけましょう。
成功のための“作戦”がわかる
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴の3つ目は、成功のための“作戦”がわかることです。
作成が必要なのは、ただ闇雲にやると失敗する可能性が高いからですね。
補助金で行うことを単調に書くだけでなく、「戦略を持ってやっている!」と伝える工夫が必要です。
違いがはっきりわかる
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴の4つ目は、違いがはっきりわかることです。
これまでにない事業を始める。新製品を開発する。新しい顧客層を狙う。自社とライバルで違いを持たせる。
計画にはさまざまな”違い”が登場しますよね。
補助金は”新規性”や”差別化戦略”がある計画が大好きです。
何となく計画内容を書くのではなく、違いがはっきりわかるように書く必要がありますね。
なぜそうなるのか理由がわかる
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴の5つ目は、なぜそうなるのか理由がわかることです。
補助金で採択される事業計画書には、審査員が「なるほどそういうことか!」と納得できる説得力があります。
なぜその製品・サービスを開発するのか。なぜその新規事業を行うのか。なぜその方法なのか。なぜその作戦なのか。なぜその売上・利益になるのか。
はじめてあなたの事業計画を見た審査員は、知りたいことが山ほどあるでしょう。
審査員に疑問を感じさせないように、理由を丁寧に説明する必要がありますね。
不安や困難を感じない
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴の6つ目は、不安や困難を感じないことです。
審査員が事業計画書を読んで、「これで大丈夫か?」と感じような内容ではいけません。
記載漏れや表現方法に注意する必要がありますね。しっかり計画を立てることは大前提です。
絶対実現する意志を感じる
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴の7つ目は、必ず実現する意志を感じることです。
すでにお伝えしたように、補助金の審査では『実現可能性』が重視されます。
採択されたらすぐ始めるとわかるように書かれていること。計画内容を詳細まで具体的に記載した事業計画書が求められます。
「決まっていない」「採択されないならやらない」と思わせないように、書き方を工夫しなければなりませんね。
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴をまとめます。
補助金審査員の心をつかむ事業計画書の特徴
- とにかくわかりやすい
- 曖昧なところが一切ない
- 調べて分析した跡がある
- 違いと効果がはっきりわかる
- なぜそうなるのか理由がわかる
- 不安や困難を感じない
- 絶対実現する意志を感じる
補助金採択率がアップする”ワザあり!”な事業計画書の書き方10選
採択率がアップする事業計画書の書き方を10個お伝えします。
数字が大きいものほど難易度は高めです。難易度が高い書き方が出来ているほど、他社の事業計画書と差がつき、貴社の良さが目立ちます。
頑張って挑戦してくださいね。
「採択される書き方の基本」を読んでいない方は、必ず以下の記事をお読みください。
補助金審査の9つの掟|まずこの書き方だけは死守!採択される事業計画書作成のコツ
補助金で採択される事業計画書の書き方を知りたい方向けの記事。「補助金の事業計画書がどのように審査されるか」「採択される事業計画書の書き方」を解説しています。
▶︎補助金審査の9つの掟|まずこの書き方だけは死守!採択される事業計画書の書き方
このパートで解説するのは以下の10項目です。
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方10選
- 曖昧はNG!具体的に書く
- 強みをどう活かすか書く
- 違いと効果をはっきり書く
- 成功の鍵になる”作戦”を書く
- 調べて分析した痕跡を残す
- 国策との絡みは最前面に出す
- その数字になる理由を書く
- 魂を込めて資金計画を記載する
- なぜ?どういうこと?を残さない
- 高評価ポイントを目立たせる
1つずつ解説します。
曖昧はNG!具体的に書く
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の1つ目は、曖昧はNG!具体的に書くことです。
「よくわからない」「決まっていない」と思われたら失敗です。
審査員が頭の中で計画をはっきりイメージできるように具体的に書く。絶対に外せない書き方のポイントです。
強みをどう活かすか書く
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の2つ目は、強みをどう活かすか具体的に書くことです。
成功するビジネスモデルには「強み」があるものです。例えば、以下のことが伝わるように記載すると良いですね。
これが伝わると「強みを活かした計画だ」と思ってもらいやすい
- 自社の強みがわかっていること
- ヒト・モノ・情報を上手く使っていること
- 顧客ニーズにマッチしていること
- ライバルより優れていること
- 弱みや脅威、課題を解消すること
SWOT分析も強みをアピールできる項目です。魂を込めて書きましょう。
違いと効果をはっきり書く
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の3つ目は、違いと効果をはっきり書くことです。
すでにお伝えしたように、補助金は新規性や差別化戦略がある計画を好みます。
今までとの違い、他社との違いなど、変わることは具体的に記載しましょう。
「こんな違いがあるから、こんな成果が出せる」「この違いのおかげで、この効果が出る」
のように、違いがあることで生まれる良い効果まで記載できると良いですね。
成功の鍵になる”作戦”を書く
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の4つ目は、計画成功の鍵になる”作戦”を書くことです。
”どうやって事業を成功させるのか”を突き詰めて具体的に書きましょう。
例えば、「競合との差別化」もただ競合の情報を記載するだけでなく、
「こんな方法でライバルに勝つ」
「こうすることでシェアを獲得する」
のように戦略が伝わるように記載することが必要です。
審査員が見ているのは、その分析が”事業を成功させる作戦”に活かされているかです。
成功のための作戦がしっかり記載されているか、意識してくださいね。
調べて分析した痕跡を残す
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の5つ目は、調べて分析した痕跡を残すことです。
事業計画を立てるためには、さまざまな調査や分析をしていますよね?
例えば、市場環境やライバルの動向、お客様が何を求めているかなど。その調査分析の結果から、さまざまな戦略を立てているはずです。
「調査分析の結果、(上手くいくと思ったので)この計画を立てた」
「分析の結果がこうだったので、(成功させるために)この作戦で頑張る」
のように、調査や分析をした痕跡を残すような書き方ができると、成功する計画だと説得力を持って伝えることができます。
意識してみてくださいね。
国策との絡みは最前面に出す
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の6つ目は、国策との絡みは最前面に出すことです。
例えば、地域課題の解消、先端的な技術の活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)など、国が企業に期待する政策がありますよね。
考えている事業計画が国が期待する政策に関するものなら、前面に出して猛烈にアピールしましょう。
事業計画のタイトルに含めたり、「地域貢献について」のように見出しをつけて、内容を説明するような工夫もすると良いですね。
地方自治体・市区町村などと連携する予定があれば、強力な後ろ盾がある事業として高評価です。
何でどう連携するのかを詳しく記載しておきましょう。
その数字になる理由を書く
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の7つ目は、その数字になる理由を書くことです。
今後の業績目標だけでなく、過去の業績、新商品・サービスの価格、採用予定人数、顧客の獲得目標数など、計画の中にはたくさんの数字が含まれます。
そして、審査員は数字を見ると「なぜその数字になるの?」「どうしてその数字にしたの?」という疑問を持ちます。
例えば、以下のような疑問も持ちますね。
新商品・サービスの価格←「なぜその価格にしたの?」
顧客の獲得目標数←「どうしてその数字にしたの?(獲得できる?)」
新商品・サービスの価格の場合は、競合分析をして決めたとか、原材料との兼ね合いで利益がきちんと出る価格を設定したとか、その価格にした理由があるはずです。
事業計画書を読めば、その数字にした理由が伝わるようにしておきましょう。
「その数字になる理由」が伝わると、数字に説得力を持たせることができますよ。
魂を込めて資金計画を記載する
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の8つ目は、魂を込めて資金計画を記載することです。
補助金は「先出し・後払い」です。どんなに素晴らしい計画を立てても、先に自己負担ができなければもらえません。
「補助金をもらうまでの資金繰りに問題がないこと」を丁寧に説明しておきましょう。
少なくとも、下記は記載しておきたいですね。
資金計画で最低限説明しておきたいこと
- 自己資金と借入金の内訳
- 資金を調達(予定)先の金融機関名(支店名・各行からいくらずつ等)
- 金融機関との調整状況(必要資金を調達済み、事業計画を説明済み等)
「資金調達は問題ない」とだけ書いてある事業計画をよく見かけます。根拠のない”問題ない”は絶対NGですよ。
まだ銀行に相談していないから書けないというのであれば、まずは銀行に相談をしましょう。
補助金に採択されたけれど、資金調達がうまくいかなくて計画を中止する事業者様もいます。資金計画は厳しく審査されていますよ。
慎重に金策を考えてから、詳細を記載しましょう。
なぜ?どういうこと?を残さない
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の9つ目は、なぜ?どういうこと?を残さないことです。
事業計画書を読んだ審査員に「理由がよくわからない」「意味がわからない」と突っ込まれるスキを与えないようにしましょう。
読んでいて疑問を感じる事業計画書では、計画内容が正しく伝わりません。本当に実現できる計画なのか不安も感じさせてしまうでしょう。
ここまでお伝えした8つの項目にもあるように、理由や方法を記載したり、具体的に記載することを徹底しましょう。
自分では説明したつもりになっていることもあります。第三者に読んでもらって、疑問点がないか教えてもらうのも良いですね。
高評価ポイントを目立たせる
採択される”ワザあり!”な事業計画書の書き方の最後は、高評価ポイントを目立たせることです。
ここまでお伝えした8項目や、公募要領に記載されている審査項目を確認しながら、自社の事業計画のどこを1番アピールしたら良いか考えましょう。
そして、その1番のアピールポイントが明確に伝わるように記載しましょう。
タイトルに含める、見出しを設けて説明する、計画の全体像を説明する時に”ことさら”アピールするなど、目立たせる工夫が必要です。
審査員に伝わってほしいことは、こちらからアピールしなければ伝わりません。
相手に「読み取ってほしいと考えるのは怠慢です。
短い審査時間の中でも審査員に確実に理解してもらえるように、真剣に事業計画書を作成してくださいね。
企業は情報の見せ方が命
どんなに優れた計画があっても、情報の伝え方が悪ければ、計画の良さは正しく伝わりません。
補助金の審査を突破する事業計画書を作成するには、審査員が計画を見るポイントを見極め、情報の見せ方を工夫することが必要です。
上手く作成できない方、作成したけれど自信がない方は専門家に相談するといいですよ。問題を解決する最適解を提示してくれます。
お困りの方はご相談ください。お力になります。
この記事が貴社の事業計画書作成のお役に立てれば嬉しいです。
そして、貴社が補助金で採択され、事業をますます成長させていかれることを心から応援しております。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。